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撮影の軸となり、そして心の拠り所となったRADWIMPSが紡ぐ音楽

3月4日(金)公開から3日間で興行収入3億円を突破し、観客動員ランキング初登場実写No.1を獲得。いま多くの感動の声が寄せられている映画『余命10年』。本日も本作の制作舞台裏について、少しご紹介できればと思います。

藤井道人監督自身が「原作から一番離れている」と語るのが坂口健太郎さん演じる和人であり、彼の存在は映画化における一つの柱になっています。「やっぱり自分を投影している部分があるからでしょうね。自分が二十代の頃、やりたいことが何も見つけられなくて東京で浮遊していたとしたら、どうなっていたんだろう?みたいな発想から映画の和人は生まれているんです」と話をしています。ちなみに坂口さんは、小松菜奈さん演じる茉莉と再会してからの10年間で、少しずつ声のトーンを落とし、大人になっていく和人の落ち着きを表現しています。

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和人の目線は、主題歌の歌詞にも強く感じられるはずです。今回10年にわたる茉莉と和人ふたりの物語に音で寄り添ったのは、実写映画初の劇伴を担当するRADWIMPSです。RADWIMPSによる劇伴は、藤井監督が演出を手がけたドラマ「100万円の女たち」に、野田洋次郎さんが役者として出演したときからの念願でした。

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野田さんは撮影前に脚本を読んで主題歌と劇伴の一部を作り、キャストとスタッフはその音源を聴いて同じイメージを共有しながら撮影に臨みました。「野田さんは、音楽が出しゃばることで茉莉と和人の人生を台無しにしてしまうのが一番怖いとおっしゃっていて。レコーディングではセリフが音楽とぶつからないように、フルオーケストラで録っているにもかかわらず何回もトライして、二人に寄り添う音楽にしてくださいました」と藤井監督は語っています。藤井監督と野田洋次郎さん貴重な特別対談インタビューをぜひご覧ください。

一年の間にカメラと被写体の距離にも変化がありました。撮影の今村圭佑さんがそれを確信したのは、冬の雪山のコテージでのシーンでした。普通のラブストーリーであれば、幸せのピークであるはずの朝なのに、一人で胸を痛めて去ろうとする茉莉と、彼女の苦しい心の内を聞いて動揺を隠せない和人。

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今村さんは「最初の頃はドキュメンタリー風に撮りたいという気持ちもあったので、ちょっと離れたところから客観性を持って撮ろうとしていたんです。でも時間が経つにつれて、カメラが二人に近いほうがこの作品に合っているのかなと。小松さんや坂口さんの気持ちが季節ごとに変わっていったように、二人に対する僕たちの距離感も変わっていったと感じています」と話しをしています。

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