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新東京ビル/アーティストインタビュー(児嶋啓多)

こんにちは!YOMAFIG.です。

新東京ビルオフィスフロアにおいては、誰もが気軽にアートを楽しめる空間として、2024年5月にリニューアルがなされました。
アートに関心はあったけれど、あまり触れる機会のなかった方もより一層アート鑑賞をお楽しみいただけるよう、館内のアートをご制作くださったアーティストご本人に作品の見どころやアートの楽しみ方を伺ってみました!

児嶋啓多
 
東京在住のアーティスト児嶋啓多は現実の風景にデジタルな彫刻を加え現実空間と仮想世界の境界を曖昧にし、オーバーラップした状態を作り出すことで作品を生成します。児嶋は作品の中で言葉と書を使い、空間に痕跡を残すことで都市の姿と人間の認知を確認しようとしています。
 言語は世界を開示し、現実の隠された側面を明らかにする能力を持ち、書くことは私たちの内面を外在化するだけでなく、見えざるものとの交信の手段だと児嶋は考えています。
 言葉・書のオブジェクトを都市に介入させることで都市に徴をつけ、新しい意味の層を植え付け、言葉と認知、人間の経験の関係を明らかにしようとしています。

ー新東京ビルにかけられている作品について、どのような作品なのか教えてください!

今回の作品は有楽町の仮囲いに使用されている私の作品をパネル作品にしています。
この作品は仮囲いとして都市に配置させることでデジタル彫刻化された言葉を都市にインストールしようと試みています。有楽町をフィールドワークする過程で「On the move:移動中/動いている」という言葉を埋め込むべきだと思い、フィールドワークで集めた画像に言葉のデジタル彫刻のかたちで埋め込んでいます。

有楽町で展示中の仮囲い作品

言語は世界を開示し現実の隠された側面を明らかにする能力を持っています。書くことは私たちの内面を外在化し、人間の経験や思考の痕跡を残す重要な方法だと考えています。
都市をフィールドワークし書を残すことは私にとって都市に触れる重要な手段です。言葉のデジタル彫刻を介入させることで都市とコミュニケーションをとり、言語と知覚、都市空間の関係を探ろうとしています。

ー作品をどのように眺め、どのように楽しめば良いでしょうか

人が見て世界だと思っているものは、世界そのものではなく人間が認知している世界です。
では世界そのものの姿とは一体どんなものなんでしょうか。私は作品を現実の姿を確認するための手段と捉えてます。

Words in the City: On the Move

私がARをはじめとしたデジタル技術を使うのはデジタルが人間の新たな触覚だと考えているからです。人間の知覚を超えた知覚を使い、都市を歩き回り、言葉の彫刻を残していく。その過程を通じて、人間の知覚を超えた世界そのものの姿へ迫りたい考えています。

作品を通して認知できていること認知できていないこと、認知できていないけれどあるかもしれない世界のことに想いをはせていただけるとうれしく思います。

言葉をデジタルな彫刻・デジタルな触覚に変換して記録していく児嶋さんの作品。作品をみると起こる、お腹と頭が同時にゾワゾワするような不思議な感覚は、私(鑑賞者)の身体が「新たな触覚」や「知覚を超えた知覚」で都市の手触りを認知しようとし始めているのかもしれないなと思いました!

YOMAFIG.

ーすこしアートに興味が出てきたけれど、どこで作品を見たり買ったりすれば良いかわからない…そんな方におすすめのアートの楽しみ方やアドバイスがあれば教えてください!

いきなりアートを買うのはハードルが高い場合、アートブックを購入いただくのはいかがでしょうか?
アートブックはステートメントと共に構成されていることが多く、より作家に関して理解しやすく、作家が伝えたいストーリーを元に構成させているので一つの作品を見るよりもより深く作品の意図が伝わると思います。

児嶋さんのアートブック「404 Not Found City Keita Kojima」

アートブックは手元で行われる展示だと思っていて私も多くのアートブックを制作しています。作品に興味を持っていただけたならぜひ覗いてみてください!

「まずはアートブックを買ってみる」というご提案、好きな作家や作品をより解像度高く理解できる上、展示会や書店ですぐに実践できそうでナイスアイデアですね!

児嶋さんのアートブックは下記のWEBサイトでご覧、ご購入いただけます。
https://www.augmentedbooks.jp/

児嶋啓多さん、有難うございました!

YOMAFIG.

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