バカみたいなハンバーガー
金木犀の歌詞の中にある、「バカみたいなハンバーガー」っていう表現がすごく好きです。
新鮮な野菜や、ジューシーなパテ、すでにとろけ始めているような濃厚なチーズが、これでもかってくらいに挟まれまくっている、ハンバーガー。
なぁ、どうやって食べんねんこれ、え? 縦?? 縦にいける???
みたいな。
そういうハンバーガーを想像しました。
「バカみたいなハンバーガー」の、バカみたいな、でもどこか陽気さを伴っている、若さ溢れる感じ。
なんか、なつかしいなって、思うんです。
もしいま同じハンバーガーを注文しても、「バカみたいなハンバーガー」には、感ぜられないと思います。
「バカみたいなハンバーガー」を成立させるには、食べる側の、あっけらかんとしたバカさも必要だから。
食べる側が、わきまえてしまってるから。
あっけらかんとはできない。
だから、私がこの歌詞に接して感じるのは、しみじみとした、懐かしい感じです。
過ぎた日々を思うような。
曲名になっている「金木犀」の香りも、どうしたってこれまで重ねてきた秋の季節の思い出をつれてくるから、追憶的なことと相性がいいのかなと思います。
あの頃はよかった、なんて決して言いたいとは思わないけれど、やっぱりその時々で、「あの頃しかできなかったこと」というのは、ある。
確実に。
今おなじことをやっても、あの頃のようには感ぜられない、あの頃にしか経験できなかったこと、というのが。
「バカみたいなハンバーガー」は、やっぱり「あの頃」のもので。
大好きだった「あの頃」のかんじを、たったワンフレーズでつれてきてくれるから。
だから、私はこの表現が好きなんだと思います。
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