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ビジュアライゼーションの探求 〜なぜ今「可視化」が必要なのか?〜

昨日、グラフィックレコーダーの清水淳子さんと有志メンバー主催による、Visualization -Mountain Quest-が 六本木のAXISで開催されました。

4日前の火曜日からの募集にもかかわらず、30名以上の参加者が集まり、「可視化」を実践するワークショップを体感ながら、「何故Visualizationなのか?」という本質的な問いを立てるという、和やかな雰囲気の中に深みを感じられる一日でした。

今回は私の感じたことを、簡単にレポートしたいと思います。

「グラレコ」という言葉の一人歩き

最初に、清水さんから今回のワークショップの前に語った内容で私が一番興味があったこと。

清水さんの以前のNOTEでもありましたが、「グラレコ 」というワードでグラフィック・レコーディングの認知度が上がって来ている一方で、様々な「グラレコ 風」なものがでてきたりしてきて、それらがすべて「グラレコ 」と簡単にカテゴライズされてしまっている現状。

ただ、大切なことは、グラフィックレコーディングによって「可視化された先に」一体どんな景色があるのか?

「グラレコ 」が、一時的なイベント盛り上げ用の総花的なもので終わることなく、清水さんの言葉を借りると「サステイナブル(持続可能な)」なものでなければ意味がない、と。

「ビジュアライゼーション(可視化) 」の持つ本質的な意味を、それぞれがワークショップで感じて問い直してもらう機会にしたい、そして今一度、「グラフィックレコーディング」より大きな概念である「可視化(ビジュアライゼーション)」を再定義するための「問い」の機会を作りたい、というものでした。


ひとりひとりのイメージはそれぞれ異なるかもしれない。ただ可視化された先には、一体どんな山があるのか?をワークショップを通じて体感してみよう、という半日が始まりました。

浮かんでくるイメージを「可視化」させる面白み

ワークショップでは5つのメニューが用意され、それぞれ2つを実践する、という取り組みでした。
テーマが「ビジュアライゼーション」という題材からか、アートワーク的なワークショップでした。

** 1 )好きが目に見えるとどうなるのか?2 )「ビジネス」での活用法を網羅してみる3 )描いた人、描かれた人をそれぞれ観察4 )様々な制約をつけて可視化してみる5) 絵でないグラフィックの姿とは?**

私が参加したワークショップのひとつ、5番目のワークショップ「コンパスの山」は、まさに自分のグラフィックの癖を知る良い機会でした。

実際にやったのは、「変わった料理レシピ」や「詩(ポエム)」を聞ききながら、それを「可視化」してみるという、かなり難易度高いもの。

正直、ただでさえ聞いても理解が難しいポエムを可視化するなんて、私はあまりの難易度の高さに脳みそが完全に崩壊(笑)。。。
とても見せられるレベルのグラレコではありませんでした(笑)まあ楽しいからいっか。
それでも、それなりにうまく可視化できている方をみたりしてスゴいな、と。

あー、と思ったのが、
こういうイメージ中心の題材や議論が題材になった時には、
・聞いた情報を「考えて」→「整理して」→「描く」のではなく、
・聞いた情報を「想像して」→「イメージ化して」「描く」

という、想像的アプローチ(imagination)が必要なんだな、という、新たな気づきが得られて興味深い体験をしました。

これこそ、感じるがままに描く、完成のレコーディングの世界だと。
友人が後で語っていましたが、例えば駅伝の盛り上がりの様子を伝える時とか、ファンクラブのファンの「熱量」をレコーディングするときには、このような「感じるアプローチ」が通用するという。

自分の中に浮かんでくるイメージは人それぞれ。
単に絵を描くというだけではなく、それぞれのイメージの違いを見比べて違いを楽しんだりすることもグラフィックレコーディングの醍醐味です。

これといった正解が別にあるわけでもなく、重要なのは、「いかにキャッチした情報を自分の感覚でうまくビジュアライズできるか?」というもの。

今まで、「グラフィックレコーディング」に対して「デザイン」的要素が強いのかな?という印象を正直持っていましたが、もっと「アート」的な表現要素も多く含まれているのだなぁという新たな気づきが体感できました。

他にもいろいろなワークショップがあり興味深いものでしたが、書面では書き尽くすことはできませんが、「可視化をするプロセス」やその意味を改めて考える、いい機会になりました。


「Visualization」・・・改めて問い続けること 

ワークショップが終り、終盤「Visualization」とは?に関する自由な問いを立てて、一緒に考えました。
 ー FEEL. どう感じるのか?
 ー HOW どのようにして
 ー WHAT 何が、何を、
 ー WHY. どうして、何故
4つのQuestカード(三角の山の形)を自由に問いを立ててみました。


写真だと分かりづらいと思いますが、例えば、「どうして、可視化をすることが、今大切なの?」とか「人のどんなネガティブな要素とポジティブな要素を可視化するとその人物が見えてくるの?」などなど、様々な問いが生まれていました。
はっきりいってこれには答えはありません。
問いを立ててゆくことでVisualization の意味が深まり、たんなる「グラレコ」ではないひとつ高みのあるグラレコに昇華してゆくのではないでしょうか?



 〜最後に〜「Visualization」の流れはどうなるか?

清水さんによるイベントはとりあえず、今年はこれで終了だそうですが、今後こういう活動が増えるといいですね。一番は、今回「Visualization とは?」という問いを持ち帰って、各人が各フィールドでさらなる深掘りをして行くこと、より表面的なグラレコ ではなく、その先にある意味を見せられるといいかな、と思います。

ビジュアリゼーションの世界は、グラフィックレコーディングだけでなく、ひょっとしたら、インフォグラフィックがいい場合もあるし、あるいは図解やDoodling(楽描き)程度がいいかもしれない。
表現手段は様々であるが、「Visualized」された先にまたVisionary思考(Visual Thniker)のような、未来志向型の考えを持つ人が日本の未来を変えてゆくのではないでしょうか?

最後に、参加者からこんな意見もあって良かったですね。やっぱり楽しいグラフィック・レコーディング。また頑張ろーっと。

こんな感想もありましたねー。

何はともあれ、清水さんや今回の企画立案に携わって下さった、有志メンバーの皆さん、楽しい機会を作ってもらってありがとうございました。六本木アートナイトの前の昼に相応しい、アートなワークショップでした。

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Kaz.Mizutani
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