yolajojo

中谷宇吉郎は弟子らとともに森羅万象帳というのを作って、不思議なものや美しいと思ったもの…

yolajojo

中谷宇吉郎は弟子らとともに森羅万象帳というのを作って、不思議なものや美しいと思ったものについてまとめていたという それの俺版です 銀河の研究をする天文学者です twitter -> @yolajojo

マガジン

  • 旅の話

    旅行記や散歩の話などです

  • 好きなものがたり

    自分の好きなものについて、なにがそんなに刺さるのかを分析してみたり、分析を放棄して好きだ好きだと叫んだりする記事のまとめです

最近の記事

くるり アンテナ(好きなものがたり4)

くるりのアルバムの中でも特に好きな一枚。 自分のなかのロックという概念に色んな意味で深みをもたらしてくれたアルバムの、特に好きな3曲についてまとめて書く。 『グッドモーニング』は「夜行バスは新宿に着いた」という歌詞だけで自分の中では不動の旅ソングになっている。夜に聴いても早朝に聴いても素晴らしい。実際に夜行バスや始発間際でまだ暗く人気のない電車内で何度も聴いた。基本的に一人旅しながら聴くけど、曲の中ではとなりに人がいて、アルバムの雰囲気と曲調も相まって哀愁たっぷりな印象なの

    • 好きなものがたりシリーズ

      昔から、インターネットの片隅に転がるシングルのカップリングでしかないマイナー曲とかについてものすごい熱量で書かれた個人ページとかブログが大好きなんすよね。YouTubeに上がってるMVに寄せられた超個人的な独白みたいなコメント読むのもすごい好き。そういうのをもっと聞かせてほしいなと思うのです。好きななんでも発表ドラゴンやるだけじゃなくて、吹き出しからはみ出るくらいいっぱい語ってほしいのです。そう思うならまず自分からやっていこうというわけで、ちょこちょこ書いていくことにしました

      • Piano Man - Billy Joel(好きなものがたり3)

        この曲を最初に好きになったのはいつのことだかもうわからない。中学か高校時代のどこかの時期に、市立図書館で名作CDアルバムを借りるのにハマっていた。たしかCDは一度に三枚しか借りれなくて、静かな図書館で時間をかけて借りるべき三枚を厳選した時間のことをよく覚えている。それである日Billy Joelのベストアルバムをセトリに加えたんだっけか。いやニコニコ動画で歌詞付きの動画を見ていて記憶もある。まあいずれにしても、Piano Manといえば言わずと知れたBilly Joelの大名

        • コミュニケーション - YUKI(好きなものがたり2)

          YUKIのcommuneというアルバムに収録されているコミュニケーションという曲が高校生くらいのころからなぜだかとても好きだ。姉が持ってたジュディマリのCDにはあまり興味がなかったけど、YUKIのアルバムは勝手に借りてよく聴いていた。特にPRISMIC、commune、Wave、うれしくって抱き合うよの4枚は擦り切れるほど聴いてきた。communeは全体的に哀愁が漂っていて、雨のイメージが自分の中で強い一枚だ。PRISMICもそうかもしれない。どこか不穏さもあって。 特に『

        くるり アンテナ(好きなものがたり4)

        マガジン

        • 旅の話
          10本
        • 好きなものがたり
          6本

        記事

          笑うな - 在日ファンク(好きなものがたり1)

          在日ファンクもハマケン(浜野謙太、在日ファンクのリーダーであり、かつては星野源がやっていたSAKEROCKでトロンボーンを吹いてた。いまは役者とかもやっているよう)もすげー好きです。在日ファンクの歌詞は、日本語を楽しみ尽くしながらも要所要所にしっかり魂が込められていると感じられるのが良いのです。そういうの全般が好きで、MONO NO AWAREとかおとぼけビ〜バ〜にもこのタイプの良さを感じています。遊びと魂、やはりどっちも大事です。 ライブやMVでのジェームズ・ブラウンみた

          笑うな - 在日ファンク(好きなものがたり1)

          西荻窪のすてきなカレー屋紹介

          西荻窪駅から歩いていける素敵でおいしいカレー屋たちを紹介したい。今回はおもにお米でいただくユニークなカレー屋を独断に基づき11店ピックアップした。以下のリストの☆つきは飲むのにもおすすめなお店です。 ☆CURRY BAR シューベルX: https://x.com/currybarshubell 筆者が一番通っているカリーバー。店舗は駅南側を斜めに走る神明通りから延びる路地に埋まっている。基本木金ディナー(18:00-23:00ラストオーダー)、土日ランチ(11:30-14

          西荻窪のすてきなカレー屋紹介

          新宿発、西荻窪まで闇歩き

          時は2023年度末、羽田空港で終電を逃した。札幌でBUMP OF CHICKENのライブに参戦した帰りのことだった。千歳発羽田着の最終便が遅れ、新宿行きの高速バスだけが残された公共交通機関となっていた。家までタクシーはちょっとな、近くのビジホかネカフェでも探すか?いっそ空港のベンチで眠るか?などと逡巡したのち、とりあえず新宿までバスで行ってそこから歩けばいいやと思った。チケットを買ってバスに飛び乗った。二泊三日の札幌遠征の果ての、疲れで重たい身体と酒で重たいザックを抱えて。

          新宿発、西荻窪まで闇歩き

          花火と星

          花火の色の科学を語ることは、理系がするつまらん話の定番のような扱いを受けて久しい。そんな昨今の立ち位置を理解しながらも踏み込みたい花火の科学があるのです。 花火の花弁となる火薬のことを星という。星には出したい色によって異なる火薬が使われていて、ここで出てくるのが化学の授業で習う炎色反応である。リチウムは赤、ナトリウムは黄、カリウムは紫、ストロンチウムは紅、とか、まあ花火を前にでもしなければ使うことのない知識かもしれない。星は、菜種の実だとかを芯としてその周りに層状に「焔色剤

          花火と星

          続・シン・イルミネーション探訪

          この間、シン・イルミネーション探訪というnoteを書いた。そこでの主眼は星空にあったが、そんなの書くなら最先端の街中のイルミネーションのこともちゃんと知っておかないとねと思ったので六本木・けやき坂まで見に行くことにした。場所が場所なだけに、きっとそれなりの予算が投じられた最新のイルミネーションになっているはずという期待をもって。こちらの紹介サイトでは関東のイルミネーションでアクセス数ランキング3位とのこと。 ※いつもタイミングが悪くて申し訳ないですが、12/25で今年のイベ

          続・シン・イルミネーション探訪

          宇宙的和菓子・加賀紫雲石を語る

          この間北陸を旅行した。富山と福井に行ったことがないという友人についていろいろと回ってきたのだが、その旅の詳細は別の機会に記すとして、今回はそこで出会った宇宙を感じる銘菓を紹介したい。その名も加賀紫雲石。加賀温泉で泊まったホテルで連れて帰ったものだ。皇太子殿下献上お買い上げの品とのことで、この手のものは本当に間違いがないのでよく買っていく。近々人に会う予定もなかったのでとりあえず4個入りの箱にした。シンプルなデザインの丈夫な紙箱に、印象的な筆文字で書かれた商品名。雅である。

          宇宙的和菓子・加賀紫雲石を語る

          富士吉田、音楽、志村正彦

          もしも過ぎ去りしあなたに、すべて伝えられたのならば。 かつてフジファブリックというバンドを率いていた男、志村正彦は2009年12月24日に29歳の若さでこの世を去った。今年を境に私は彼の過ごした年月を追い越し、これから永遠に離れていくことになる。彼に比べて自分が29年で成したことの少なさを嘆きたいわけではない。しかしなぜか毎年、あと少しで追いついてしまうな、という意識があった。彼が書く歌詞は、特段むずかしいことは言わない。他のいわゆるロックンローラー的なことは言わない。とき

          富士吉田、音楽、志村正彦

          シン・イルミネーション探訪

          この記事は、天文系同人サークル『アインシュタインクロス』さんのAstro Advent Calendar 2022に参加しています。アドベントカレンダーということでそれっぽい話題をひとつ、と思いまして、今日はイルミネーションから話を始めてみます。 イルミネーションの起源を求めてイルミネーションは今やこの時期の飾りの定番ですが、その起りはどこにあるのでしょうか。Wikipediaやウェザーニュースの記事で語られている通説によると、森の中で見上げた星空に大いに感動した人がそれを

          シン・イルミネーション探訪

          眠れなさとのたうつ無意識

          寝付くのが苦手だ。ベッドに横たわり目を閉じても数時間眠れないなんて日もよくある。夕方過ぎてもコーヒーを飲みながら仕事しているせいかもしれないのでカフェイン断ちでもやってみようかと思っているが、実行には移せていない。あまりにも眠るのが下手なものだから、自分は月で生まれた月人間で、太陽が刻む24時間の光のリズムとは別に月が刻む24時間と50分のリズムで生きているのではないかと思うこともある。それなら地球人の周期で規則正しく生きようとすると無理が生じてくるのも無理はない。いや、月生

          眠れなさとのたうつ無意識

          道東原付爆走旅行その4(完結) 屈斜路湖・川湯温泉・釧路湿原・釧路・羽田

          その3はこちら。 本日は昼すぎまでに原付を返し、あとは電車で釧路湿原を見てから釧路空港から関東に帰るという予定だ。 雲海を狙って日の出前に起き、屈斜路湖のハイランド小清水725に向かう。雲海も何も、すでにそこらじゅう薄い霧に覆われていたのだが。早朝の弟子屈ではかなりの回数道を横切る鹿と遭遇した。濡れた路面に霧で見通しも悪く、かなり気を遣って運転せざるを得なかった。 川湯温泉街を離れ屈斜路湖のほうへ登っていく。標高が上がるにつれ霧が濃くなり、気温も下がっていった。勾配もなか

          道東原付爆走旅行その4(完結) 屈斜路湖・川湯温泉・釧路湿原・釧路・羽田

          道東原付爆走旅行その3 別海・弟子屈・川湯温泉

          知床~別海のその2はこちら。 三日目の今日はいろいろ見て回ったので写真が中心になります。 別海パークホテルで目覚める。寒い雨の夜にたどり着いたのもあって寂しいビジホだと思っていたが、部屋を出てみると子どもたちが階段で遊ぶ声が聞こえ、なぜだがとても嬉しくなったのを覚えている。  何もなさを裏付けるかの如く、ホテルに貼ってあった町のPRポスターの売り文句は「プラネタリウムのような星空」らしいが、実は別海町鉄道記念館というものがあり、廃線となった標津線の思い出の品々が展示されて

          道東原付爆走旅行その3 別海・弟子屈・川湯温泉

          道東原付爆走旅行その2 知床、野付、別海

          その1はこちら 宿で朝食をとり知床へ。言わずと知れた観光地なので詳述はしないが、森に残された野生動物の痕跡が読めるようになると観察が捗り非常に面白く探索できるのでガイドの解説に聞き耳を立てることをおすすめする。遠くに熊の姿も見ることができた。 さて、面白いからといってあまり長居すると足の遅い原付では取り返せない旅程の狂いが生じる。今日の走行予定距離はざっくり180kmくらい。野付半島という日本最大の砂嘴に足を伸ばしたあと別海町のビジネスホテルに泊まる予定だった。宿を別海町

          道東原付爆走旅行その2 知床、野付、別海