ついにバレットジャーナルを初めてみた話
「バレットジャーナル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。手帳術やノート術に関心のある人であれば「いや超有名なやつ」と口にするであろうワードだ。
かくいう私自身も知ったのは割と最近のことだ。自分にとって有用な書く習慣が何かないかと色々調べていたところ、早々に登場したのがこのバレットジャーナルだったのだが、半年ほど前のことになる。
そうしてバレットジャーナルのことについて知った後、結局実践することなく手帳関連の動画をあげている人が実践している様子をただ見ているだけだった。
雑に説明する「バレットジャーナル」とは
今から話すのは、全くバレットジャーナルを知らないのに何故か私の記事を開いてくれてしまった、というレベルの人に対する簡単な説明にとどめる。少しでも興味がわいたら動画を探せばしぬほど出てくる上に、超有名なノート術なので専門書がいくつもあるし、提唱者の方が出した公式本がばっちり日本語訳されたものも販売されていて、しかもそんなに高くないのでそちらを手にしてみて欲しい。
さて、ではざっくりと。
バレットジャーナルは「ノート」に「全部手書き」で好きなページを好きなだけ入れ込むことができる「どんなノートも勝手に手帳にする術」だ。
1月はじまり?4月はじまり?そんなものは関係ない。やろうと思った日、それが例え7月16日とかでも構わない。それが自分だけのバレットジャーナルのスタート日だ。ノートが終わったらその続きからまた新しいノートに書けばいい。
何の準備もなしに、家に余っている途中のノートでもなんでもいいので紙束とペンがあればそれで、今すぐに始められる。今すぐにやらない言い訳はほとんどできない。もしあるとすれば「家には一冊もノートがない」や「私には向いてなさそう」や「全部手書きとかめんどくさい」くらいだろうか。
雑に説明する「やり方」
1日の始まり。また、前日の夜でも構わないのだが、さてこれから何をするんだったか……というタスク管理が日々大切で、だからこそ手帳を使っていたり、デジタルツールでスケジュール管理をしていたりするのではないだろうか。
バレットジャーナルは「今日のやること」「済ませたこと」「途中になってること」「また後でやればいいこと」など、頭の中にたまりがちなものを全部書き表していく。
次の日になったら、今日の分として昨日やり残していることを引き継いで「今日のやること」に書き写し、新たにやるべきことがあればそこからさらに書き出していく。書く順番などは決められておらず、思いついたら思いついた順に忘れないうちに書き出して行くような感じだ。
書くのはタスクだけではない。雑感や思い付き、覚書しておきたいことができたときも、同じ場所に書き込む。そのあとでまたタスクが追加になったらタスクを書く。
そんな全部同じところに書いてぐちゃぐちゃにならないの?!と思うかもしれないが、これが案外ならない。理由は3つある。
1つ目はバレットジャーナルのルールとして、書き方は全て箇条書きにする。書く内容によって頭につける記号を決めておくというものがある。タスクなら「・」アイデアなら「!」イベントなら「〇」その他のメモなら「ー」といった具合だ。これがあるお陰でごちゃごちゃに書いてしまっても、ある程度ぱっと見で区別がつく。
2つ目は自分で書いているということだ。散らかっていても自分でならどこに何があるか把握しているのと似たような状況だろうか。確かに雑然としているかもしれないが、特に重要なのは今日書いたことと昨日書いたことくらいだ。突然初見のものが現れるようなことはないので、そう困ることはない。
3つ目は、視線が迷子になるほどの情報量にはならないということだ。忙しい時はタスクやメモが多くなるかもしれないが、そういった場合はタスクや重要なことはある程度、固まって表記することになる。思いついた順に書く場合に、人間そうランダムに考えが浮かんでくることはない。自然とある程度はまとまったジャンルの表記があったあと、また後で追加したりという時系列で書かれることで、その時の思考の状況が分かるようになっている。
無茶苦茶省略したが、バレットジャーナルにおける肝はこの部分だと思う。
つまり、自分の考えを書き出しながら、きっちり今日こなすべきタスクを列挙していき自分がこれから何をするのかをハッキリさせる。それでありながら、今日はケーキを食べた、だとかいい気分だから散歩をした、といったような日記ともつかないような記録をすることもできる。
何を書くか、という考えたりするハードルが低いので何でも書けて、しかも1日どういう動きをするのか一目でよくわかる。
頭の中が散らかってしまいがちだったり、何かいっぱいやりたいことがあったような気がするけど……となってしまいがちだったり、最近何もできてない気がする、と落ち込みがちだったりと、自分の勢いが落ちる要因となるあらゆるものを取っ払うためのツールとして「バレットジャーナル」は大変おすすめだ。
実践してみた
もともとモーニングページをやっていて、その時に毎日「今日のタスク」を書き出していた。これがそのあとの動きにかなりいい影響を与えるのが分かっていたので改めてバレットジャーナルのやり方を学んだ時に、思ってるよりいいかもな、と思うことができた。
実はモーニングページのことを知ったと同時にバレットジャーナルのことも調べていたのだが、何となく煩雑で全部手書きでやるのも面倒だなと思ってスルーしてしまっていたのだ。
幸いなことにめちゃくちゃ、スッと頭に入ってくる説明をされている方がいて、私はこの動画を見てバレットジャーナルを実践してみる気になった。ちゃんとした説明をしてほしくなった読者の方は是非こちらの動画を視聴してもらいたい。
現在私は、家に余っていたCAMPUSノートでお試しスタートした感じなのだが、早くもこれはしっかり実践していく流れだなと思っていたりする。とりあえず私にはB5は大きすぎるということが分かった。何かあるごとにさっと開けるサイズ感と、慣れとかができれば、良い感じに使いこなしていけそうだなと思った。
タスクをデスクに貼り付けておく習慣があるのだが、朝起きてつらつらとバレットジャーナルに書き込んでいって、改めてノートを閉じる前に必要なタスクだけを付箋に書き出してデスクに貼るというルーチンがカッチリ決まるのがなかなかいい。モーニングページはモーニングページだけ、完全に徒然文だけで構成できるようになる。
また、現在私は「pure life diary」という機能的にはスケジュール帳と日記、自己実現のための計画表が一緒になったものを使用している。毎日簡単な書き込みがあり、朝に今日自分のために何をするかを一言かいて、一日の終わりに今日のよかったことを一言書く、というページがある。そして週に1回はその週を見返しての総まとめをしたりするのだが、この「pure life diary」への書き込みにバレットジャーナルが活躍する。
このdiaryは書く内容からして、一番多く開いても朝と夜の1日2回だ。そして真面目に書こうと思っても、意外と夜になって改めて今日よかったこととか出来たこととかを書こうとしても考えないと思いだせなかったり完全に忘れていたりする。適時、簡単にでもメモしておくというのが意外にも大切になってくる。人間「今日やったこと」とか「できたこと、よかったこと」なんていうのは全然大事なことじゃなくてすぐに忘れてしまうらしい。でも心の栄養としてはめちゃくちゃ大事なことで、何でそんなにすぐ捨ててしまうんだ、というようなことが沢山ある。自分のために、そんなささやかなこともマメに拾っていこうと思っているので、何でもかんでもメモしていいという使い方ができるバレットジャーナルは記憶の保管箱としての機能を果たしてくれる。
今のところ個人的に分けている内容
バレットジャーナルは何でも詰め込んでいいので、将来的にはもしかしたらバレットジャーナルに組み込めるのかもしれないが現段階ではそこまで使いこなせていないというのもあり完全に分けて管理しているものもある。
モーニングページ
先にちらっと書いたが、とにかくなんでもダラダラ文章を書いて頭の中を整理するための場所だ。文章量が多くなるので、消費量を気にしてしまうのもあり今のところ一緒にする予定はない。
日記
現在、ヒトトキノート スクエアサイズのものを使って、写真などを貼りながら結構がっつり日記を書いている。モーニングページも日記のような扱いではあるが、こちらの方がある程度整えた文章で使う画像なんかも拘って用意していたりする。
メモ用手帳
A6サイズのメモを残す専用の手帳がある。パソコンデスクのすぐ手を伸ばせる場所にあり、バレットジャーナルも最終的にはこの位置にあった方がいいだろうなと思っているのだが、現在はそこに割と長文になる場合のメモを残している。
現在私のデスクの周りには色々な付箋やメモがあり、いくらでも咄嗟に書いておいておくことができる環境ではあるのだが、この手帳に残すメモは後々しっかりと保管ような場所に書き写したい内容であったり、今すぐは調べられないけれども、詳しいことを後からしっかりと書きたいことを一旦メモしておく場所として機能している。
というのも、付箋やメモに書き残すものは私にとっては、仕事のために数時間だけ横においておきたい内容であったり、ゲームの時に今だけ目につくところに書いておきたい内容であったりで、1日経てば捨てるものばかりとなっている。間違っても邪魔になって捨てるような場所に大事な覚書情報は置いておけないわけである。
pure life diary
この手帳を使う目的は自己実現だ。頑張りすぎず、でもやりたいことから逃げずに少しずつでも「なりたい自分」に近づこうというコンセプトに魅力を感じ、そのメソッドに従って書き込みを実践している。具体的には「タスク」よりも、自分が何を望んでいるか、という心に視点が向いている。
バレットジャーナルはどちらかと言えばタスクに重きを置いている方法なのもあり、また、この手帳に組み込まれている内容を大切にしたいこともあり、こちらも平行して続けていく。書き込みをする内容自体は毎日ほんの少ししかないというのも平行して続けるのが負担にならなくて良いと思う。
ただ、バレットジャーナルをしっかりとやるのであれば、スケジュールの管理はバレットジャーナルにまとめた方が正直見やすそうだと思った。
持ち歩き用のメモ
スロージャーナルという丈夫な厚紙の表紙がついたノートは持ち歩き用として愛用している。本来はバレットジャーナル自体持ち歩いていつでも開けるように、という感じにした方がよさそうではあるのだが、私の場合は持ち歩く時はできるだけ小さくて薄くて、ささっと出し入れできるものの方がいい。
屋外で、さっと出してさっと書く、という動作に適したサイズ感は意外とシビアだ。家で使うノートとは完全に切り離して考えている。
相棒は「ペノット」
少し気が早いが、バレットジャーナルのお試しとして使っているCAMPUSノートはすぐに使い切ってしまいそうなので、早速だが最適な大きさのノートを求めて新しいものを購入してきた。
厳選の結果、スリムB6サイズのペノットにした。最大でもA5、B6かA6か……という選択肢の中だったが、コクヨに対する信頼感、ソフトリングの扱いやすさ、ペンを収納できるというところなどに惹かれての決定だ。
実はMDノートの新書サイズなんかも気になっていたりする。こればっかりは実際に使って運用してみないと分からないところなのだがまずはB6スリムがどのくらい機能するか……順番に試して自分にぴったりな形式を見つけていけたらと思っている。
私が「向いている」わけ
バレットジャーナルは、使う人によって全然違うものになっていくようだ。それは自分にとって一番いい形を適時考えて書き方を変えていくからだ。
バレットジャーナルが向いている人、と言われる中に「既存の手帳がどれも自分に合わないと感じる人」というのがあり、これに対して「ああああ~~~~!」となった。素敵な手帳は今沢山あって、外側を見ると良いなーと思ったりするのだが中身を見るといつも「うん、使いにくい」と思ってしまうのだ。
例えば…
こんなアドレスのページはいらないな。勿体ない。
バーチカルかぁ……時間単位でなんか管理しないし。
何でこんなところにでっかいメモのページ入ってるんだろ。いらない。
といった具合だ。
とにかく自分がいらないと思ったページがあると、その分は完全に無駄になるし勿体ないなーと思ってしまう。自分の望んでるものでもないなーと思う。モチベが下がる。
じゃぁシステム手帳で自分の必要なリフィルだけ入れればいいじゃん、と思うかもしれないが、意外と「自分はこれとこれが要る!」という明確なものがあるわけでもないので、厄介なことに手帳に対して何か文句だけ言うやつになってしまうのだ。
で、結果的に、まぁ手帳で管理しないといけないほど多忙なわけでもなし、一応デジタル管理してる部分で十分だから要らないでしょ……となって、これまで好きな分野でありながら大学生以来、手を出してこなかった。
それがどうだろう。バレットジャーナルは、自分が何を求めているのか今の段階で分からなくていいのだ。とりあえず書き始めて、書きながら調整していけばいい。気に入らないなら、全部自分でやって確かめればいいじゃないかと。思えば、私はいつもそうして来たじゃないかと思わされてしまった。
そんなわけで、まだまだ自分のバレットジャーナルがどうなっていくのかは分からないが少しずつ自分の理想を探すために試行錯誤していこうとしている。その過程までもが楽しめるんじゃないかと思っている。
これを読まれた皆さんがどう思い、何をするのかは分からないが、今私はとりあえず新しいことに挑戦できるし学ぶことが沢山あってめちゃくちゃ楽しい。