1ヵ月の初バレットジャーナルを振り返る
7月11日というめちゃくちゃ中途半端なタイミングで始まった私のバレットジャーナルも、何だかんだ無事1ヵ月継続となった。普通にめちゃくちゃ便利だし今までのどんな手帳よりも使いやすいと感じているので、これからも続けていくことになりそうだ。
ここで一旦、継続1ヵ月の感想などを記していこうと思う。
今までハマらなかった理由
前回の記事で少し触れさせてもらったのだが「バレットジャーナル」という単語自体は前から知っていて「バレットジャーナルの始め方」という動画を何本も見ていたにも関わらず、自分でやってみようという気にはならなかった。
腑に落ちない「面倒くさい」という感情
私は、書くこと自体は好きで、わりと人が敬遠しがちなめんどくさい作業自体も好きな方だ。
にも拘わらず私がバレットジャーナルに対して受けた感情は「めんどくさそう」だった。それがどうにも違和感があった。今から思えばそれは、作業自体に対する不快感ではなく、感情的な悪影響を受けているような感じだった。
色々な動画を見ているので、もはや何方が話されていた内容だったか忘れてしまったのだが、とある動画で言われた内容でめちゃくちゃハッとさせられたことがある。
それは、日本での「バレットジャーナル」は美しく書くことが流行ってしまったという内容だった。
これを聞いた時の擬音は「ガタッ!!」だろう。
そう、はっとした勢いで立ち上がり下腹部辺りをパソコンデスクで強打している時の音だ。
大体のバレットジャーナル導入動画の冒頭では「誰でも簡単に始められる」と銘打っておきながら、美しいカリグラフィーで「Bullet Journal」と書くことからスタートしていたり、巧みなコラージュ技術を用いて月ごとの扉ページをオシャレに飾ったり手描きの可愛らしいイラストでカレンダーページを描いていたり。
もちろん動画の中では「苦手な人はやらなくても大丈夫です♪」なんて言ってくれていたりするのだが、そうすると「できないからやらない人」という下位存在になってしまう感覚に陥る。
別に投稿者が悪いわけでもないし、勝手に被害妄想をしているだけなのは百も承知だ。
しかし、分かっていてもなお、たったこれだけのことで少し自己肯定感が下がってしまうからやりたくなくなってしまう。
つまり私が感じていた「めんどくさい」は、
レタリングやコラージュ、デザイン能力がない私は、ちょっとでも何か頑張って飾ったバレットジャーナルができないと、何となく下位互換バレットジャーナルになってしまっている気がするので自己肯定感維持のために、多少なりともデコを意識しなくてはいけなくて「めんどくさい」
だったのだ。
バレットジャーナルの核を見た結果
たからこそ、投稿主様が実際に中途半端な使いかけのノートでおもむろにバレットジャーナルをはじめた様子を見て惹かれた。
1ヶ月のカレンダー、といってノートに1から30までの数字をただ連続で縦に書き並べ「これでいい」と仰るのを見て、本当だ!これが出来ないなんてことはないだろう!と思えたのだ。
実際、すぐに真似して同じものが作れたし、なんだったら少しだけ文字や数字を丁寧に書くことくらいならできそうだった。そういうのが大事なのだ。
私にとっては、日本の主流である「オシャレなページを手書きで作成する」というバレットジャーナルの形式は余計なものが多すぎたし、私にとって全く重要でない内容が前に出てしまっていた。
ではここで、あえて自分で指摘しよう。
それくらい気づけよ。
皆、シンプルに書いていいと言っていなかったか。
特殊なことをしている人は予め、標準的なやり方ではないと言っていなかったか。
飾らなくていいし、必要なものだけ書けばいいと言っていなかったか。
全員が言っていなかったとしても、大体そういうものだと紹介されているし、はっきり言ってしまえば「誰でも簡単に始めることができます。初心者向けに説明します」と言っておきながらクソオシャレなフォーマットで説明し始める様子を見て「しゃらくせーな」という感情を知らず知らずのうちに抱き、内容とは関係ないところで否定していたのではないか。
まぁ思ってしまうものは仕方がないのだが、それによって無意識のうちに不利益を被ってしまうのは損だ。今回は気づくことができてよかった。
もっと言ってしまえば、それほど高いものではないのだから、さっさとライダーキャロルさんの「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」を買って読めばよかったのだ。
つくづく思うのは、新しいことを始めるというのは難しいということだ。
動き始めのとっかかりとして「動画を見る」というのは、今すぐに試すことができるものだからありがたい。
半面、どうしても「流行の形式」というものがあって、情報としてはそちらに偏りがちになってしまう。私が肝に銘じておかねばならないのは、ジャンルを問わず「流行しているもの」は私の感性には響かないことがとても多いということだ。
その代わり、自分でよく考え調べた結果、飲みこんでいくので飽きるとか挫折するといったことは人に比べれば少ない方のようだが、その分腰が重くなるし、ミーハーな層が「すてき!めっちゃいい!わたしもやろう!」ってなっている様子を冷めた様子で俯瞰している感じになってしまうので、性格が悪い感じになってしまう。
……いや性格は悪いのかもしれない。
少なくとも可愛くはない。
「それそのものがとても良い」ことと、私にとって意味があり取り入れる価値があるかどうかは全く別の問題だ。
そういうわけなので、流行に左右される動画を参考とする場合はよく注意する必要がある。予め自分と感性が近いと思う動画主を日頃から見つけてフォローしておくことで情報収集自体はかなり楽になると思った。
とにかくここに書けばいい安心感
あれこれやってみる。とにかく始めてみる。
そういうスタンスとバレットジャーナルはとても相性がいいと思った。
読書ノートつけてみようかな。
ハビットトラッカーやってみようかな。
日記書いてみようかな。
色々興味を持って、何かを始めようとする時、どうしても新しいノートなど環境から整えようとしてしまう。まあ普通はそうしないと始められないからだ。
チャレンジに寄り添ってくれる
去年あたりから特に、私は色々と日常を模索しているところがある。
健康に気を付けたいし、生活をより楽しくしたいし、やらないといけないことをきっちりと管理する方法も色々やっている。資格のための勉強もあるけど、それ以外のことも日ごろから勉強する習慣をつけたいなと思ったりもする。
いきなり、全てを完璧にこなすことはできないが、自分が「やってみようかな」と思い、モチベーションが上がったタイミングは大事だ。
そして、そんな気まぐれな「やってみようかな」というタイミングは、意外とすぐに過ぎ去ってしまう。だからできるだけ早くこれを捕まえる必要がある。初動がとても大切だ。
そんなときに、環境なんか整えるところからやっていたら、あっという間にタイミングを逃す。
ノートを買ったはいいけど、それだけで満足してしまった、などが良い例だ。
しかしバレットジャーナルを始めてからは、全て一旦ここでやってしまえばいいので、とても気軽に素早く、新しいことをはじめられるようになったし、記録も楽になった。
毎日必ず開く必要があるので「習慣にしたい」と相性がいい
たとえば、何かを習慣にしようとするときに、やったら印をつけていく「ハビットトラッカー」というものがある。
私は、これと相性がいいことがとてもよく分かっている。そういう管理の仕方が小さい頃から好きだったからだ。色を塗ったりシールを貼ったりで自分の成果が可視化されると楽しいしモチベーションも上がっていく。
だが不思議なことに、最近何度かやろうとして、しかし残念ながら上手く続けることができなかった。常に手を伸ばせる場所にあるか、少なくとも必ず毎日開くところにないと使い勝手が悪く、そのせいで続けることができないらしい。
そこで、バレットジャーナルの中にハビットトラッカーのコーナーを挿し込むことにした。カレンダーコーナーの次が月の大まかなタスクを書くところと決めているので、その隣にその月のハビットトラッカーを入れてしまって、次のページからデイリーを連ねていく。デイリーを書くたびにハビットトラッカーのページも開くくらいなら印を忘れてしまうこともない。
やっているうちに、印用のシールをいちいち取りに行くのが面倒だけどシールは貼りたい……という我儘な思考に行きついたので、ハビットトラッカーの横に折り紙で作ったポチ袋を貼り付けて、シールを常設することにした。
ちなみに、ちらっと見えている通り、少し管理したいだけの簡単なものについてはスタンプのカレンダーとマーカーでやっている。シールを使っているのはちょっと続けるのが大変な運動習慣の方だ。
このやり方がやりやすいのかどうか、続けやすいかはまだ分からないし、既にこのカレンダーについては、直接ノートにではなく、別の用紙にスタンプしておいて貼り付ける方が裏に滲まなくていいなと思ったりしている。来月からは配置なども考え直してより使いやすくするつもりだ。
実際、こういったものは、使ってみないと使い勝手が分からなかったりする。バレットジャーナルは毎月自分の手でセットアップするので、もっとこうだったらいいなというのを即反映することができる。なので「やってみなきゃわからないしな!とりあえずやってみるか!変えりゃいいんだし」と、気軽に手をつけてみることができた。
思いついたタイミングで増設できる
ハビットトラッカー以外にも、日記ネタ書き出し場所なんかを増設したりしてみた。
私はヒトトキノートに、写真や切り抜きなどを貼ったり、手書き文章でみっちり何かを綴りたくなったとき用の日記のようなものをつけているのだが、これはいつでもどこでも思いついた時に書くことができない。写真の準備などもあるし、少しまとまった時間腰を落ち着けて書く必要がある。
だが、昔からブログを書いていたため、日常生活の中で日記ネタを見つけるのが得意だ。あっこういうことも書いておきたいな……と思ったりするのだが、すぐに書き始められないことがもどかしい。なので、バレットジャーナルの中に、軽く日時と後で思いだせる程度のメモ書きをしておく。
バレットジャーナルは、朝にその日のタスクを確認し、夜に今日やったことと明日持ち越すタスクの確認をするために開くので自然と一日のふりかえりもすることになる。そのタイミングで日記ネタを思いつくことも多いため、ここにネタ帳が仕込んであるのは結構いいのでは、と思ったのだ。
これは大変便利だ。
普通なら「日記ネタを書き留めておくメモ帳が欲しいな。小さいやつでいいんだけど……毎日は開かないし……」となるところである。
思いついた時にバレットジャーナルの中に書けばいいんだと思うだけで、スムーズにアイデアを日常に取り入れることができる。
その上で、やっぱり別途あった方がいいと思ったものを改めてバレットジャーナルの外に取り出せばいいだけだ。
これを思いついたのは8月に入ってからだったので、当然バレットジャーナルはデイリーページの途中だったのだが、その途中に日記ネタページが増設されている。バレットジャーナルはそんなことも許されるのだ。
そうしても大丈夫なようにインデックスページを作ってあり、何ページに何を入れたのかが後から探せるようになっている。それでも、頻繁に開くのに途中にあったら分かりにくいと思うのであれば、100円ショップにでも行けばインデックス用の付箋なりシールなりがいくらでもあるのだから、それを貼って管理すればいい。
丁度いいサイズ感は難しそう
そんなわけで、私はめちゃくちゃ楽しくバレットジャーナルを続けさせてもらっている。お試しでキャンパスノートに始めたのだが、来月の途中くらいで使い切ってしまいそうなので、いよいよ9月からは本格的にある程度の体裁を整えてのバレットジャーナルが始められそうだ。
これも以前の記事で少し触れているが、コクヨのペノットB6スリムサイズを購入してある。
正直、バレットジャーナルでメインとなるデイリーページだけなら、かなり小さいノートでもできそうだ。
何故なら、基本的にはデイリーページはタスクを記入する場所であり、それらは全て箇条書きで表現される。メモも一緒に書くので一応例外はあるが、とはいえ横幅が沢山ないと困るようなものではない。
現在B5サイズを使っているのだが、明らかにページの右サイドを余らせている。なので、最大でもA5以下のサイズが適切なのではないかと考えB6スリムという選択に至っている。これもやってみなければ分からないところだ。
あまり小さくしすぎると、なんでもかんでもバレットジャーナルに放り込めるぞ!という安心感が目減りしてしまうような気がしている。大は小を兼ねるというだけあって、大きければそこで何をすることも自由だからあまりそこを考えなくても済むのだ。
とはいえ、やはりあまりにもスペースを余らせているのが目立つと勿体ないと思ってしまう。今のところ、一番の問題はハビットトラッカーのコーナーがB6スリムに上手くおさまるかどうかだろうか。
自分に必要なものが見つかる
そんなわけで、以上が現在のバレットジャーナルと私の関係性だ。
試行錯誤を重ねていくうちに、今の形から変わっていったり新しいものがまた入ったり、必要なくなって削ったりしていくのだろう。もしかしたら意外と余裕があるときはオシャレにしたくなる時も来るかもしれない。
バレットジャーナルは時系列順に意地でも並び続けていく記録方法なので、綺麗に整理整頓したい人にとっては少し気持ち悪く感じるかもしれないが私は得意ではないので、これくらいがちょうど良いのだと思う。
さすがに綴じノートでは厳しいが、リングノートは綴じたり開いたりすることができるものも多いようなのでどうしても整頓したい人はそういったものを使ったり、システムノートやお気に入りの手帳を使ってやっている人もいるようだ。
丁度使い道がないなと思っていたノートがある人、買っただけで使えていない手帳がある人、事情は様々だろうが、それぞれにあった場所で良い感じに便利に続けていける環境が見つかればと思う。言われた通りのことをやるのが正解ではなく、自分がより使いこなせる形を見つけることが大切だった。
でも、それを一発で自力で見つけるのは難しい。見つけてなお試行錯誤が続くのだから近い形を見つけることはさらに難しいことではないだろうか。
これかもしれない!と思うきっかけはどこに転がっているか分からない。違うな、と思いながらも何だか気になってしまうものがあれば、とりあえずその周りをウロウロして色んなところから情報を拾ってみるのがいいと思う。
この記事も、そんな人達の参考に少しでもなればと思って書かせてもらった。日本においてはイレギュラー寄りな活用方法になっているらしいが、こんなやつもいると知って頂ければ光栄だ。