この自作PCケースを知ってほしい!!③ 『NCASE T1 V2.5』エアフロー編
今回は自作したPCのエアフローの考え方について解説します。前回は、CPUとグラボの冷却について検証しましたのでそちらの記事も併せてご覧いただくとより納得感が得られるでしょう。
サンドイッチ型レイアウト
エアフローを解説するためにはまずこのケースのレイアウトについて知っておく必要がありますので、まずはそこから解説します。
NCASE T1 V2.5は、いわゆる「サンドイッチ型レイアウト」と呼ばれるレイアウトを採用しています。
「サンドイッチ型レイアウト」とは、PCパーツのレイアウト方法のひとつで、特徴としてはマザーボードとグラフィックボードを背中合わせに設置することで省スペース化を実現するものです。
多くのケースは、グラフィックボードをマザーボードのPCI Express ×16スロットに直接装着しますが、サンドイッチ型レイアウトの場合はこのスロットに「ライザーケーブル」という延長ケーブルを装着します。そして、このケーブルをマザーボードの裏側にぐるっと回すことによりマザーボードの裏側にPCI Express ×16スロットを作り出します。
実際の画像を見た方が分かりやすいと思いますので、ペタリ。
ライザーケーブルをPCI Express ×16スロットに装着させ、マザーボードの裏側に向かわせます。もう片方の先端もPCI Express ×16スロットですので、そこにグラボを装着させる形になります。
真上から見るとこんな感じ。
なんとなく「サンドイッチ型レイアウト」のイメージが掴めましたでしょうか?(伝わってくれ!)
エアフロー
では本題のエアフローについて解説します。このPCでは2つの方法で排気しています。
ケース側面、上面にあるメッシュパネルからの自然排気
ケース底面に設置したファンによる強制排気
基本的にどのパーツも熱を出すものの、やはり優先的に対策したいのはCPUとグラボ。CPUの冷却についてはトップフロー型のクーラー(THERMALRIGHT AXP90-X47)なので、ヒートシンク内部を通過した空気の行き場を考えなければいけません。
これはようくんの推測も多分に入りますが、このケースでトップフロー型のCPUクーラーを装着した場合、冷却に使用した風はヒートシンクを通過したあと、マザーボードにぶつかり、反射した風が上下左右に拡散されると思われます。ただ、上にはM.2 SSDのヒートシンク、左にはメモリ、右にはI/Oパネルの壁が立ちはたがるため、行き場を失った空気は下方向に向かうしかありません。下方向には、排気ファンを設置してあるため、そこから排気していると思われます。
負荷がかかると明らかに排気ファンからの熱風を感じるので、概ね推測通りでしょう。
また、グラボに関しては、背面にエアホールが設けられていますのでここを塞がないことが重要。
上記画像の赤い部分がエアホールですね。
この部分を塞いでしまうと、暖められた空気が逃げ場を失ってしまい、冷えなくなってしまいます。また、このエアホールと背中合わせの位置には電源が鎮座しておりますので、空気の通り道を塞がないよう、電源設置部にスペーサーを挟んで無理やり空気の通り道を作るようにしています。
こうすることで、グラボの排熱をケース上部と下部に逃がすことができ、ケース上面からは自然排気、底面からはファンで強制排気することができます。
その結果によるものなのかは定かではありませんが、このグラボに負荷をかけても温度上昇は最大60度台に収まっています。もしかしたらグラボの設計が良いだけの可能性もありますけどね。
ちなみに、強制排気用ファンを底面に2枚設置している様子がこちら。
右側が主にグラボの排熱、左側が主にCPUの排熱を担当。
グラボに負荷がかかれば右側から温風がきますし、CPUに負荷がかかれば左側から温風がきますので、エアフロー設計は問題なさそうです。
さいごに
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サンドイッチ型レイアウトは冷却面で不利と思われがちですが、このケースについては問題ないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もちろん、Ryzen9やCore i9などのハイエンドCPUではまた事情も変わってくると思いますが、TDP65W程度のCPUであれば問題なく冷却可能です。
ここまで3回にわたり「NCASE T1 V2.5」の魅力について解説してきましたが、少しでも伝われば幸いです。
ただ、こちらの製品は海外から個人輸入するしか購入手段がなく、入手ハードルがちょっと高めです。次回はこちらの購入方法について解説していきますが、決して難しくはないのでご安心ください。
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