補助金交付申請で公務員が大事にしたいことは何か
こんにちは、よくばりパパです。
本記事では、補助金の交付申請と交付決定の基本を解説し、実際の地方自治体の担当者が気を付けるべき点を書きたいと思っています。
交付申請と交付決定は契約行為
補助金や交付金の多くは、申請主義です。その最初の手続きが「交付申請」です。(事前に事業計画の申請や承認が必要な場合がありますが、原則となる補助金交付規則等では、交付申請が一番最初の手続きです。)
補助者(補助金を出す方)が作った、補助金交付要領(や要綱)というルールに基づき、補助事業者(補助金を受ける方)が必要書類を添えて、申請します。
例えば、東京都補助金等交付規則では、下記のように申請主義を定めています。
交付申請は、普通の契約でいうと「契約の申し込み」です。
それに対する応答として、交付決定(通知)が補助者から出されます。ここで、契約が成立したと見なして、権利と義務が両者に発生するとされています。
交付申請・交付決定は、契約類似の行為なので、基本的には補助事業に先立って行われるべきものです。昔は厳密に交付前着手(交付決定の前に補助事業を始めてしまうこと)は許されないとされていましたが、補助者の都合(財務的な都合とか)で、補助事業が始まったあとに交付決定がされる実務も多いようです。
その場合は、
・補助金交付要綱などで、交付決定より前の補助事業費であっても、補助金の対象になることを明記しておく
・補助金交付要綱などの施行日をさかのぼる
・FAQなどに補助対象となる経費を明記する
などの運用になっていることが多く、また、そのような配慮が自治体担当者にも求められます。
交付の趣旨・目的を大事にする
交付申請の際には、補助金交付要綱などのルールを確認するのが通常です。
自治体担当者が国などに申請する立場としては、いくつか見るべきポイントがあります。補助事業者(誰が補助を受けられるか)、補助対象経費(どんな事業や経費が体調になるのか)、補助率などです。
ただ、補助金を審査・運営する自治体担当者向けには、ぜひ「交付の趣旨・目的」を大事にしてほしいと思っています。
なぜ補助金を作るのか。それは、補助金という手法を使って、地域や地方をよくしたいからのはずです。
その趣旨・目的がしっかり定まっていないと、思った事業効果を上げることはできないし、意図せず無駄な事業になってしまいます。
多くの補助金交付要綱では、交付の趣旨・目的は、第1条のなかに収まるくらいの長さで短いのが普通です。
それでも、交付決定やFAQ作成、ときにはトラブル時など、補助金の審査・運営に関して、あらゆる判断の際に基礎となるものですので、慎重に言葉を選んで記載する必要があるし、読んでおく必要があると思っています。
わたしは、数々の補助金交付要綱を見てきましたが、ここが一番こだわって制定してきました。
たとえば、具体的には、下記のような形で趣旨・目的が記載されます。
(本事業は国庫補助金事業なので、おそらくは国の要領どおりの記載だと思いますが、一例として挙げています)
上記の太線部分を中心に交付の趣旨・目的をどう考えて、どういう言葉を使うのか。簡単なようで実は奥深いところです。