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補助金担当者が知っておくべき補助金3つの性質

補助金事務は地方公務員にとってはどこの部署にもありますが、補助金について、当たり前のことをまとめた本や資料がない。多くの人は引継書や国の補助金要領を手がかりに、事務を進めておられると思います。

本シリーズでは、補助金の担当になった人のお役に立てるような記事をめざしています。

今回は、補助金の補助金担当者が知っておくべき「補助金3つの性質」について解説していきます。

補助金に共通する性質は何がありますか。地方公務員が気を付けるポイントはありますか。


0.そもそも補助金は定義があるのか

そもそも補助金の定義はあるのでしょうか。参考になる法律があります。
(自治体の補助金は、条例や規則等を根拠としているため、定義も若干異なりますが考え方は概ね同じです)

(定義)
第二条
この法律において「補助金等」とは、国が国以外の者に対して交付する次に掲げるものをいう。
一 補助金
二 負担金(国際条約に基く分担金を除く。)
三 利子補給金
四 その他相当の反対給付を受けない給付金であつて政令で定めるもの

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律

条文だけだと手がかりがないのですが、「国が国以外の者に対して交付する」こと、「相当の反対給付を受けない」ことが要件のように見えます。

具体的には、大きく3つの性質があると言われています。

1.片務性(相当の反対給付を受けないこと) 

まずは、国や自治体(補助金を出す方)が、「相当の反対給付を受けないこと」です。

たとえば自治体が物品を買う場合、代金と引き換えに物を受取ります。このように支払とともに何かの給付を受けるのが、通常の取引です。

補助金を出す方は、事業者から何かを受け取るわけではない。「贈与」に近い性質を持ってます。

このことは、「委託」と「補助」を区別するポイントでもあります。行政実務では、委託的補助金(実質は委託に近いが、形式は補助金)もありますが、委託なら成果物を受け取る必要があり、補助金なら成果物の受け取りはないことになります(補助金の実績報告は給付ではありません)

2.受益性(相手方が利益を受けること)

2つ目の性質は、補助金の相手方が利益を受けることです。当たり前といえば当たり前ですね。

実務上で何か課題が出てくるわけではないですが、損失補償(何らかの原因で行政による特別の損害を補償するもの)は、利益を受けるというよりは、損失を補填する性質なので、補助金とは区別されます。

3.特定性(使途が定められていること)

3つ目の性質は、使途が定められていることです。補助金は何に使ってもよいわけではなく、一定の目的や使途に応じて使う必要があります。

ここは実務上、色んな留意点や注意点があります。

交付要綱や交付要領で定められた目的や対象経費に該当する経費しか、補助金を交付することができません。

たとえば、当たり前ではありますが、

補助金の交付手続全体で、自らが定めた要綱等には縛られます。

通常は、補助金交付については、自治体に広い裁量があるはずですが、違法な公金支出とならないよう、使途に応じた事務手続の執行が必要です。

補助金に共通する性質は、片務性、受益性、特定性の3つ。特定性は気をつけるべきポイントがある。


なにかの参考になりますように。


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