補助金担当者の1年間のスケジュール
補助金事務は地方公務員にとってはどこの部署にもありますが、補助金について、当たり前のことをまとめた本や資料がない。多くの人は引継書や国の補助金要領を手がかりに、事務を進めておられると思います。
本シリーズでは、補助金の担当になった人のお役に立てるような記事をめざしています。
今回は、補助金の補助金初任者が確認すべき「全体スケジュール」について解説していきます。
1.全体スケジュール
補助金と言っても、様々な分野や種類がありますが、一般的に地方自治体が実施していることが多い事業費補助を想定して、年間での補助金業務の出来事をまとめてみました。
地方公務員の方は、業務で携わる補助金要綱や要領をみながら、確認していただければと思います。
自治体が関わることの多い補助金(交付金)だと、「地方創生推進交付金(まち・ひと・しごと創生交付金)」「デジタル田園都市国家構想交付金」あたりでしょうか。
感覚的には、中小企業向けの補助金もたくさんあるように思います。
2.交付側の事務だけではなく申請側の事務も忘れないこと
全体スケジュール表の
濃い青丸が、補助金を「交付」する側の事務
オレンジの丸が、補助金を「申請」する側の事務
です。
補助金交付のスケジュールに、補助金を「申請」する側の事務を書いたのは、
・申請を受け付ける際の注意点がある
・自治体自身が他の団体(国や都道府県、その他の団体)へ申請する立場になることが多い
からです。
特定の自治体を除き、補助金を自主財源(=自分の自治体の税収)だけで予算化している地方自治体は、ほとんどないと思います。自治体担当者は補助金を「交付」する立場だけではなく、「申請」する立場でもあることを今一度、理解しておく必要があります。
最近は「申請側」の失敗事例が多く、特に注意が必要な状況です。
3.予算要求から補助金業務は始まっている
前年度の「0予算要求・査定」から、補助金業務は始まっているといえます。
新規事業であれば、どのような事業要件で補助金を交付するのか、補助率はどうするのか、他自治体での事例はあるのか、効果はあるのかなどが議論になります。
既存事業であれば、事業効果の確認、見直しの要否、事業費の増減などを中心に議論されるかと思います。
ここで財政当局としっかりとした議論が出来ているかが、翌年度の補助金交付要領の制定、実際の補助事業の成否を分けることは間違いありません。
厳しい条件や議論があって、うっとおしいものではありますが、
補助金という、地方自治体から基本的にはお渡しするという性質上、
しかりとした議論は、非常に大事なことだと思います。
そして、ここでの議論の「答え合わせ」が表の最後にある
「事業評価」に繋がっていくのです。
補助事業が完了すれば終わりと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、事業評価を適正に完了してこそ、本当の補助目的が達成したということになります。
今後、このスケジュールに沿って、詳細を説明する投稿を増やしていこうと思っています。
なにかの参考になりますように。