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補助金と助成金を分ける5つの切り口

補助金事務は地方公務員にとってはどこの部署にもありますが、補助金について、当たり前のことをまとめた本や資料がない。多くの人は引継書や国の補助金要領を手がかりに、事務を進めておられると思います。

本シリーズでは、補助金の担当になった人のお役に立てるような記事をめざしています。

今回は、補助金の補助金担当者が知っておくべき「助成金と補助金を分ける5つの切り口」について解説していきます。

助成金と補助金が同じ「補助金」なら流れも同じなのでは。


1.補助金系と助成金系の特徴

助成金と補助金という名称に関わらず、補助金という定義になることをご紹介しました。

そのなかで「助成金系」と「補助金系」で事務やポイントが異なることもお示ししました。

以下では、

補助金系である「中小企業向け設備整備補助」
助成金系である「自転車ヘルメット購入費助成」
を例にポイントをまとめていこうと思います。

補助金系と助成金系の大まかな特徴(対象事業)

2.補助金系の特徴

まず、補助金系は、多くの場合、
事業者や団体が実施する事業を「対象事業」として捉え、

その対象事業を実施する経費の一部(または全部)に対して

自治体等から、補助金が支出されるという仕組みです。

「中小企業向け設備整備補助」の例だと、

事業目的(生産性の向上とか、効率化)をめざし、機械等を購入して企業運営していくという事業(対象事業)があり、

それにかかる費用の2分の1の補助が出るという形になります。

補助金系の場合は、補助要綱等で事業目的を達成するための要件があり、そもそも申し込みできる者が、ある程度、限定されています。

また、補助金によっては、事前の審査やコンペがあり、補助金がもらえる対象者がある程度、個別に限定されています。そのため、交付対象者も少なくなることが多いのが、特徴です(近年は、対象者が多い事業も経済産業省あたりの補助金では多くなっていますが)

さらに、補助対象となった事業を継続して実施することが想定されており、補助決定や実績報告書の提出後も、継続して事業に取り組むことが想定されています。

3.助成金系の特徴

それに対して、助成金系は、補助金にあるような「対象事業」という概念がありません

上記の例でいうと、対象者は「自転車ヘルメットの購入する」という行為があるのみで、継続した事業があるわけではありません。

対象者は、募集要項等で(基本的には)一律で決定されおり、

予算の範囲内でありますが、対象になれば必ず助成金を受け取る(償還してもらう)ことになります。

対象者の数は、大量になることが多いのが特徴です。

助成金を受け取った対象者と自治体との関係は、助成金の受け取りが終わった時点で、基本的には終了します。

助成金事業を行った事業目的は、事業目的に応じた行為(例でいうと、自転車ヘルメットの購入)が終わった時点で達成しており、助成金はかかった費用の払い戻し(償還)のような性質です。

▼まとめ

補助金系と助成金系の特徴をまとめてみました。対象事業の有無、対象者の範囲の違いは、自治体の審査事務にも影響を及ぼします。

対象事業の有無(あり/なし)、事業目的(補助後に達成/助成時に達成)、対象者の簡易(限定的/不特定多数)、対象者の数(小規模~中規模/大規模)、対象者の種別(事業者多い/市民多い)で、それぞれの特徴があります

なにかの参考になりますように。

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