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フォトガイドブック『さがごこち』は、ローカルフォトで佐賀の空気を体感できる旅本でした

岡崎カメラでお世話になっている写真家のMOTOKOさんが撮りおろしたフォトガイドブック『さがごこち』が4月24日に発行されました。MOTOKOさんがこれだけたくさんの写真作品をフィルムで撮って発表するのは、2005年に発行した写真集『京都』以来15年ぶりとのこと。写真家としてのMOTOKOさんが、ローカルをフィルムで撮影したらどんな景色が見えるのか、ワクワクしてページを開くと、行ったこともないのに行ったことがあるような風景が広がる佐賀に降り立ち、海や山の匂い、お好み焼きの味が脳内でマジで再生されました。

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『さがごこち』は、佐賀県出身で建築家の馬場正尊さんが、佐賀の日常に潜む美しさを切り取るために2016年に立ち上げたプロジェクトです。
元々ウェブサイトがあり、佐賀を五感で感じるために「視、聴、触、味、嗅」で検索できるようになっているのですが、フォトガイドブック『さがごこち』も同じように「みる、てざわり、かおり、おいしい、きこえる」という五感で楽しむことができる構成になっています。従来型?(よく本屋さんとかで手に取る)のガイドブックで、見物するところやおいしい食べ物を、ついつい探しがちですが、旅は本来五感で体感するものだなと当たり前のことを気づかされました(匂いから記憶が蘇ったりしますもん)。

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「岡崎カメラ」の活動でも、ローカルフォトとは何を撮り伝えるべきなのかと考えることがあるのですが、このフォトガイドブック『さがごこち』は、目指すべき先を照らしてくれる教科書のようにも感じました。

『自分自身が食べたくなるのは、じつのところ、名物よりも食べ慣れた味だったりする。(中略)親戚の集まりなど「ちょっと特別な日」に食べるのは決まって『ふじ』のお好み焼きだった。』
P124、庄山陽子さんの「町の魅力が見えてくる地元に愛される味」より

ローカルフォトとして伝えるものの一つに、この「ちょっと特別な」ってあるなぁと思い、ローカルフォトをやっている人と、どの写真が好きかとか、どこに行きたくなったかとか喋りたくなりました。

文中の写真はMOTOKOさんより提供していただきました。