父親の経済力と母親の狂気というキャッチフレーズに対して思うこと(公立中高一貫校合格して)
「父親の経済力と母親の狂気」という言葉は皆さんご存知だと思います。二月の勝者という漫画の一番有名なセリフです。
長女の高校受験と次女の中学受験が重なっていて、子供達のやりたい事を考えていた中で「母親の狂気」という言葉にすごく引っかかりました。中学受験は親子の受験と言われ、身に染みて分かりつつある中で、一部の方の狂気性も理解できましたし、キャッチフレーズで耳に残るように母親の狂気としたのかもなぁとも思いました。しかし、母親も日々頑張ってるのになぁ…と思い(一番は子どもですが)腑に落ちず、このフレーズについて調べました。
どれが正解かは分からないですが、一番近そうと思ったのは開成中学校の入学式での校長先生の言葉です。「皆さんはお父様の経済力とお母様の狂気に似た『熱意』により……」こんなニュアンスで話されていたとの記事がありました。最後の「熱意」が抜けていて、これを見て少しほっとし、また子どものフォローを頑張ろうと思えました。だから今、子どもさんの受験に付き添って日々頑張っているお母さん達は熱意を胸に秘め、自信を持って周りに惑わされないように、たまには息抜きをして長丁場を頑張ってほしいです。
二月の勝者の話に戻りますが、ちょうど次女が中学受験の時にドラマを放送していました。その時、CMでこのセリフが結構流れていて子どもの反応にドキドキしました。漫画を読んでいなかったので、ネガティブな内容かと思い、受験勉強中の子どもの反応が怖く、録画して子ども達が学校に行っている時に見ました。内容は濃く、中学受験の色々な問題や子どもに対する影響、親子、家族の関係など興味深く、漫画も読みましたが、母親として胸がギューっと締め付けられるシーンもたくさんありました。
父親の経済力というと、やはり学習塾や予備校に行くには必須ですが、よくよく考えると日本の教育の仕方に問題があると思います。公立小学校では学力面で補助がいる子達には手厚くサポートされ、学力面でもっと難しいことをしたい子達には何もサポートがない状態です。だから自費で学習塾や通信教材や配信授業を受けたりして自分達で向上していくしかなく、地域の公立中学校も同じ状態です。しかも小学校では授業で習ってない漢字は書いてはダメ(他の子達が読めないため自分の名前も)、授業で習った解き方じゃないとダメ、分数習い始めは間の線を定規で引かないとダメ。解き方が違っても答えが合っていたらいいと思いますが、色々ダメらしく、次女は漢字が好きなので苦労しました。五、六年生になれば算数だけ少人数制になり、理解度でクラス編成されるのですが、実際は少人数制と言ってても1クラスを半分に分ける程度で、それ以上の難しいことには取り組めない状態です。ほんの少数、独学の天才型はいますが学校で習う以上の勉強をしたい場合、ほとんどの方は何かの学習関係に支出してるのではないのでしょうか。
北欧では子どもの個性を尊重し、勉強が好きな子、運動が好きな子、音楽、芸術が好きな子、手先が器用な子は職人への道で学校で研修を積ませてくれます。適材適所で上手くできてます。勉強の好きな子はレベルの高いことをさせてくれて、授業という感じではなく、たくさん本を読んで、レポートを書いたり、研究をします。分からないことは自分で調べたり、先生に教えてもらいます。それに答えることができる先生がすごいですよね。大学まで学費が無料で塾も必要ないです。税金が高いからできることと言われますが、日本もどんどん高くなって欧州に近づいていってますが、きちんと反映されてないどころか何に使われているのか不信感が増すばかりです。欧州は社会福祉が充実していて子どもの教育費、大学まで無料ですし、病院も無料です。
ですから、そもそも父親の経済力で、子どもたちの教育格差ができることが問題です。しかも母親の経済力もあるはずですし、父親の狂気もあるはずです。漫画やドラマでは父親の狂気も母親の経済力も描かれていたので、その点はよかったです。
今、日本では高校の授業料無償化と声高に言っていて、教育に力を入れている風に見せています。しかし、公立小学校と公立中学校の教育の仕方に問題があり、そこを改善することなく、ただ高校の授業料無償化になった所で(授業料負担がなくいいですが)、小学校中学校では塾などなしに全体のレベルは上がるはずもなく、常に教育費がかかるのです。大学でも国公立でも授業料は年々上がっています。私立の大学は父親母親の経済力なしでは行けないです。奨学金制度がありますが、子どもに30〜40歳ぐらいまで借金を背負わさせることになってしまいます。経済的に余裕がある家庭だったらいいですが、一般的な家庭では日本の教育制度でレベルの高い大学に行くには経済的な負担がかなりあると思います。
とはいえ、今この時点で日本の教育制度のことを嘆いても何も変わらないので、各々が経済的に負担して、子どものしたい事、将来なりたい職業を実現できるように母親としてサポートしていきたいと思っています。現在、中学受験、高校受験を控えた子ども達やお母さん達に焦らずに落ち着いて試験当日まで、体調に気をつけて頑張って頂きたいと思っています。周りの意見や言葉に惑わされず、マイペースで挑んで下さい。陰ながら応援しています。