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チャイルドペナルティの取材を受けて、はっ!としたこと【みちのくウェンズデー】

このnoteは2024年8月28日のvoicy『母親アップデートラジオ【みちのくウェンズデー】』の音源をもとに作成したものです。

本日は「チャイルドペナルティの取材を受けて、はっ!としたこと」を振り返って書いていきます。

突然ですが、「チャイルドペナルティ」とは何か、ご存知ですか?

ハーバード大学の経済学者であるゴールディン教授が、昨年ノーベル経済学賞を受賞したことでも注目された「チャイルドペナルティ」。

子どもを持つ人が職場や労働市場で直面するさまざまな困難や壁を指す総称です。

実は、8/21(水)7時からのNHKニュース「おはよう日本」の特集「〝チャイルドペナルティ〟実態は」に家族4人で取材協力し、出演させていただきました。

私自身は、そこではじめてその言葉を知り、私の前職での経験は、まさにそれに当たるということを教えていただきました。(…とはいえ、全国放送で自分の失敗談をお話するのはかなり勇気が必要でした。。)

チャイルドペナルティの取材を受けて、はっ!としたこと

放送内容はまもなくNHKさんよりWEB記事になるそうですので、今しばらくお待ち下さい。

チャイルドペナルティの言葉すら知らなかった私はどんなことを思ったのか、振り返ってみたいと思います。

妻、母親側の思い込みやすべき思考はまだまだある

「 雇用形態を変える・転勤できない・転職する、夫婦でライフイベントを迎えたのに、どうして働き方を変えるのは当たり前に女性だけなんでしょう? 」

NHKの記者さん(男性)から、こんな問いを投げかけられ、多くの女性が孤独に悩む日本の社会課題で、当たり前に男女不平等であることが、日本の少子化につながっている!と熱く語られるなかで、思ったことがあります。

あ、私が全部やろうとしていたから、一歩踏み出せないんだ!

それは、子どもをおいて残業しましょ、転勤しましょ、母親だって単身赴任も1つの選択肢!ということではもちろんなく、もっともっと小さなことでした。

3人目を希望しているが、なぜ今は躊躇しているのか?

回答はスラスラと話せました。

  • 妊娠しながら、業務を今と同じようにできるかわからない

  • 産休、育休後、どのタイミングで職場復帰をするか悩む

  • 上の子たちと同じ保育園に入れるのか、入れない場合は、今と同じように仕事ができるのか、不確定で不安がある

  • せっかく楽しくなってきた仕事も途中で中断、新しい仕事の機会はしばらくは減るだろう(これまでの経験上の見立て)

それに対してNHK記者さんからは「育休も勤務時間を変えることも男女平等にできるのに、それを全部、母親側が背負っているからですよね?」こんな返しでした。

このことにはすごくはっ!として、時短勤務を選択することも子どもの送迎と仕事がうまくいくかということも全部自分で調整しようと、夫には話そうとすら思わなかったというか、私が復職するから私が考えることだと思い込んでいたことに気づきました。

すごくいい方法が思いついたわけではないものの、自分の思い込みやすべき思考に、まずは気づくこと、とても大切だなぁと実感しました。

組織や上司・同僚の嬉しかった声かけを思い出してみる

放送のなかでは、チャイルドペナルティを軽減するために取り組む大手企業さんの事例が紹介されていました。

その1つは結婚前の若い年代の女性に「早回しキャリア」を導入すること。

20代の頃にキャリアを爆づみすることで、長期的な視点で男女の賃金格差を減らすこと、ポジションにおける女性の割合を増やすことによい影響を与えているというお話でした。

20代の頃は、確かに様々な研修を受けさせていただいて、すごく仕事が充実していた記憶があります。

一方で、まだ仕事の経験は浅く、独身らしく恋愛や海外旅行を楽しみに仕事にもチカラを入れられた私もいます‥

私が嬉しかったのは、結婚した頃の上司から言われたこんな言葉でした。

私からは横井さんだからできる仕事や、やってほしい役割を伝えます。受けても断っても大丈夫なので、プライベートのことを自分で考えて必要なサポートや可能な時期をすり合わせていきましょう。

特に子どもが産まれてからは、「この仕事、子育て中は無理だよね?」「きっと横井さんはこの仕事を断るだろう」と、私の知らないところで議論が進み、決定しちゃっていることが多い気がします。

そのなかでお互いに相談し合える環境を作ってもらえることは、上司にとっては他の方より時間もかかるだろうしお手間をおかけしたな‥とは思うものの、チームとして満足感の高い仕事ができてよかったなぁと思っています。

日本社会と子育て社員との想いにはギャップがある

この放送を終えて、身近なかた、お久しぶりのかた、意外なところから、ネット上でコメントや意見をいただきました。

そのなかには、「私もまさに今、同じ境遇です!」「子どもたちの小さかったころ、チャイルドペナルティを感じていました!」という当事者の声もありました。

短時間勤務の子育て社員をメンバーに持つマネジャー職の方から「該当者がいてはじめて時短という制度を知った。そのうえで、『時短勤務だから収入が下がるのはおかしい』と伝えても何も変わらない‥」「昇格させようとしたら人事部から『時短だからだめだ』と言われて腹が立った‥」というお話をご共有いただき、当事者だけでなく、そのマネジャーの方も憤りを感じていることを初めて知りました。

一方で、夫婦や家族のような身近な人たちでも、ネット上からも「時短勤務で昇進しようと思うのはおかしい。」「キャリアのことは、子育て期間が終わってから考えるべき。」こんな反応もありました。

育休明け職場復帰した母親たちは、バランスを取りながらも成長したい、こう思うひとも多いのではないでしょうか。

時間あたりの給与をいただいていて、そのこれまでと比べて、周りの方と比べて、勤務時間が少なくなるのであれば、その分の時間給が減るのは受け入れられると思います。

ただ、これまでと異なる環境で仕事をして、少しでも成長したいと思って働いてきた結果を「母親だから」「時短だから」と言われてしまうと、あれ?予想と違うな‥!と思ってしまうこともあります。

仕事の評価をプライベートなことでされてしまうことには、驚きすぎて、それは置いておいて職場では仕事の話をしたいのですがとも言えぬままもやもやしている方も多いのではないでしょうか。

「子どもが大きくなったら」とは、いつのことでしょう。

もし3人子どもを持ちたいという方がいたとして日本の平均結婚年齢となりつつある30代から出産をし、子どもが大きくなって45歳〜50歳からのキャリア形成ができることに希望を持ったまま10年以上モチベーションを維持するにはどうしていくといいのかなぁ、なんて考えてしまいます。

どちらが良い/悪いではないのですが、日本社会の声と働く女性の想いにはギャップがあるように感じます。

この辺りはまだうまく言語化できずにいるので、必要な方へ伝えられるようになりたいです。


NHKさんとつないでくださった母親アップデートコミュニティにも大感謝です!素敵な機会いただきありがとうございました!

快く取材協力してくれた夫と、ノリノリで撮影に参加した長女、泣く泣く撮影されてくれた次女にも心よりありがとう!

おわりに

今回のみちのくウェンズデー20回目の放送は、8/21(水)放送のNHKおはよう日本にて取材いただいたなかで、はっとしたこと3つをご紹介させていただきました。

一人で悩む女性へ、少しでも心が軽くなるきっかけとなりますように。