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AutoBakeの使い方


テクスチャベイクとは

テクスチャベイク処理は、ハイポリモデルからローポリモデルに詳細を転送する3Dモデリングの重要なステップになります。

Blenderのデフォルトでもベイク処理はできますが、AutoBakeアドオンを使用してプロセスを大幅に簡素化・高速化できます。
この記事では、AutoBakeの機能と使用方法を説明します。

Auto Bakeの概要

Auto Bakeは、テクスチャベイク処理を効率化するように設計されたBlender アドオンです。
テクスチャベイク処理のセットアップと実行が簡素化されるため、Blender のデフォルトのツールが難しいと感じる人でも簡単に使用できます。
Auto Bakeは、ベースカラー、粗さ、法線、メタリック、他多数のチャンネルマップのベイク処理をサポートしています。

インストールとセットアップ

Blenderのプリファレンスからダウンロードしたzipファイルをインストールします。
AutoBakeへのアクセス: インストールすると、Blender のデフォルトのベイク ツールのすぐ下にある [レンダリング プロパティ] パネルにAutoBake設定が
表示されます。
日本語版は【自動ベイク】と翻訳されます。

プリファレンス画面


基本的な使用方法

1.モデルの準備
対象のモデルがUVアンラップされていることを確認します。

2.オブジェクトの選択
ベイクするオブジェクトが選択されていることを確認します。

3.テクスチャの追加
[AutoBake] パネルで [+] ボタンをクリックしてテクスチャを追加します。

ベースカラー、ラフネス、法線、メタリックなどのマップタイプを追加できます。解像度は好みに合わせて調整できます(512px~65536px)

4.マージン調整
設定の欄でベイクのマージンサイズを設定します。
テクスチャサイズに対して、下記位のマージンがあると良いです。

 基本
 
【テクスチャサイズ = マージンpx】
 256 = 2px
 512 = 4px
 1024 = 8px
 2048 = 16px
 4096 = 32px

 MipMap有りの場合
 
【テクスチャサイズ = マージンpx】
 256 = 4px
 512 = 8px
 1024 = 16px
 2048 = 32px
 4096 = 64px

MipMap(ミップマップ)とは

オブジェクトの見え方が遠景になる時にテクスチャを簡略化してメモリ消費を抑える機能です。
テクスチャのフチをギザギザにしてデータ量を抑えますが、そのギザギザ範囲をカバーする数値がおよそ上記位になります。
カバーしきれない場合はより数値を大きくします。

5.ファイルパスの設定
ベイクしたテクスチャを保存するファイルパスを選択します。

6.カラーオーバーライドの設定
カラースペースの設定もできます。
ベースカラーは基本的にはRawをお奨めします。

7.ベイク
オブジェクトを選択し、[AutoBake] ボタンをクリックします。

テクスチャの適用

AutoBakeを行うとシェーダーエディターにテクスチャーが作成されます。
複数のマテリアルを使用している場合、各マテリアルに作られます。

Base・Roughness・Normalマップを作成しました

新しくマテリアルを作成し、プリンシプルBSDFを選択します。
【Ctrl+Shift+T】を押して作成したテクスチャファイルを読み込みます。
自動でマッピングエリア・テクスチャエリアが作成され、ノーマルマップが読み込まれます。

複数マテリアルに分けていた各マップが1枚に集約されます。
ベイク前のマテリアルデータが不要の場合、削除しておくとデータ量が節約できます。

M_BakeTEXというマテリアルを新規で作成しました
まとめて選択可能です
M_BakeTEX以外のマテリアルは削除します


ハイポリからローポリへベイク処理

ハイポリをローポリにベイクして法線マップを作成できます。
ローポリでも細かいディテールをもたせる事が可能になります。

ハイモデル:13500ポリゴン ローモデル:512ポリゴン

UVアンラップ ローポリモデル

ローポリモデルが適切にUVアンラップされていることを確認します。

モデルの配置

ハイポリとローポリの両方のモデルを同じ位置に配置します。

多少ポリゴンの突き抜けは起こります

ベイクの詳細を設定

AutoBakeパネルのベイクリストに法線マップを追加します。
テクスチャを書き出すのでExportの隣の枠にチェックを入れます。

+ボタンから追加できます
チェックします

選択物→アクティブにチェックを入れ、オブジェクトの設定を行います。
ターゲットオブジェクトは ハイポリ モデルとして設定し、
ソースオブジェクト  を ローポリ モデルとして設定します。

モデルの突き抜けが起こっている場合は押し出しの距離を設定します。
※数値は突出したポリゴンの長さに拠ります。今回は0.1mにしました。

オブジェクトの設定を行います

書き出し先の設定

エクスポート欄で保存先のファイルパス、カラーを設定します。

ベイクしてモデルに反映させる

両モデルを選択し、AutoBakeを押しプロセスが完了するまで待ちます。

ノードを確認すると、ノーマルマップが生成されています。
こちらは一旦削除して、プリンシプルBSDFを選択します。
【Ctrl+Shift+T】を押してファイルを読み込みます。

出てきたノードは一旦消します
Ctrl+Shift+Tからファイルを読み込みます
マッピングエリアとノーマルマップの設定ごと読み込まれます


ノーマルなし
ノーマルあり

自動でメッシュをエクスポート

ベイク処理されたオブジェクトを.fbx.obj.gltf(.glb)ファイルとして
自動的にエクスポートできます。

オブジェクト欄のFinal ObjectのCreateをオンにします。
コレクションはベイク後にシーンに加えられます。
その時のコレクション名を設定します。

Export Object欄でExportの種類を決めます。
以上の設定を行い、AutoBakeを実行します。
テクスチャで設定したExport先にモデルデータが作成されます。

あとがき

使いやすい

分かりやすいUIで、テクスチャベイクの複雑なプロセスを簡素化できます。多くの手順が自動化され、時間を短縮できます。

汎用性

色々なタイプのマップをサポートし、複数のマテリアルを持つオブジェクトの処理もできます。

ハイポリからローポリへのベイク

簡単にハイポリのディテールをローポリにキャプチャできます。
ディテールを保持しながらポリゴン数の削減が可能です。

モデリングやテクスチャリングの工程でかなり重宝するツールです。
簡単にテクスチャベイク処理のワークフローの効率化が図れ、他の工程に
時間を割くことができます。筆者のおすすめアドオンです。

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