クリスマス(12月)におすすめの詩2選♪~中上哲夫、セリザワケイコ
気が付けばもうクリスマスですね! クリスマスにおすすめの詩を2篇ご紹介します♪
▶1篇目:【300円】中上哲夫「アイオワ冬物語」
この「アイオワ冬物語」は、同名の詩集(1983年発売)に収録の詩作品なのですが、現在詩集は入手困難となっております。そのかわり、中上哲夫さんのePubブック(詩+映像+ご本人の朗読が聞ける電子書籍)『歌と彷徨Ⅰ』に収録されており、こちらはApple Books のブックストアで300円でダウンロード購入することができます。※Appleユーザーの方しか購入できないかも…詳しくわからなくてすみません。iPhoneのアプリ「ブック」からは簡単に購入できました。
まずはじめに「詩+映像+朗読のePubブックって、どんな感じ?」という方は、こちら↓の見本をどうぞ。この詩は「アイオワ冬物語」と同じく『歌と彷徨Ⅰ』に収録の、「アイオワの風に吹かれていると」という詩です。中上哲夫さんのイケボ(?)がとっても素敵です。
「アイオワ冬物語」は、中上さんの朗読と、バックに流れる The Drifters「White Christmas」の相性が最高! 詩中には、ローラースケートをはいて部屋を走り回る娘さんや、半地下の窓から見える落ち葉、リス、降り積もる雪などが登場し、1970年代アメリカのクリスマスムードがたっぷりです。
この『歌と彷徨Ⅰ』には「アイオワ冬物語」の他に合計で12篇の詩が収録されており、これで300円とは大変お買い得。是非チェックしてみてください。
【『歌と彷徨Ⅰ』収録詩篇】
(1)わにのばあ (2)青春のプレスリー (3)初雪 (4)渓(たに)とジャズと木苺~ある交遊の記憶に (5)大鰻をつかまえた日 (6)ガッツのある男~チャールズ・ブコウスキー追悼 (7)その夜、わたしはずうっと枯葉の匂いがした (8)アイオワの風に吹かれていると (9)空想の舌 (10)一九七九年九月二七日午後、アイオワ (11)アイオワ冬物語 (12)歯はいい?
▼このリンクからApple Booksブックストアに行けますか?(…行けなかったらごめんなさい)
本当は、この続編の『歌と彷徨Ⅱ』というブックも以前は販売されていましたが、現在は売っていないようです(大人の都合?)。『歌と彷徨Ⅱ』の収録作品はすべて、中上哲夫さんの詩集『エルヴィスが死んだ日の夜』(高見順賞)に収録されておりますので、ご興味のある方はぜひ詩集のほうをご覧ください。とてもかっこいい詩集です。
※(参考までに『歌と彷徨Ⅱ』の収録作品は以下:二十世紀最後の夏はこんな仕事をした/エルヴィスが死んだ日の夜/拝火教の神の名前を持った六十ワットの電球の下の六つの顔/父と母のいた正月/兄という存在/浅草・神谷バー~追悼・辻征夫/尾形亀之助はそうとうへんなひとだと思う/未明のベッドのなかで/未明に訪れる者よ/贈物として差し出された一日)
▶2篇目:セリザワケイコ「夢にみたクリスマス」
この「夢にみたクリスマス」は、セリザワケイコさんの詩集『音の蛹』に収録されている、ちょっと切なく、最後はじ~んとくるクリスマスの詩です。
…この出だしの一行でもう切ないのですが、お母さんにこう質問した「わたし」(団地に住んでいる)は、無邪気にエレベーターガールになって、他の家のクリスマスを見て回ります。
いろいろな小物が賑やかに登場する、まさに「セリザワ・ワールド」ともいうべき楽しい描写が展開されたあと、とうとうサンタが来なかった「わたし」はお母さんに聞きます。
さて、お母さんは何と答えたのでしょうか? その後の展開は…?
この「夢にみたクリスマス」は、セリザワさんが朗読のためにお作りになり、実際に「詩のボクシング」の大会で朗読されたものです。詩集『音の蛹』には他にも朗読を意図して作られた詩が多数収録されておりますので、是非下記のレビューをご覧ください。
よいクリスマスを♪