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桑原茂夫さんとお喋り1~そもそも

一昨日、敬愛する編集者であり詩人・作家の桑原茂夫さんの事務所にお招きいただき、詩のこと、反戦・平和、社会問題について、じっくりお話しをさせていただきました。

桑原茂夫(くわばら・しげお)/1943年、東京生まれ、東京大学文学部・美学専修過程卒業。学生時代に第一次「東大文学」「星の鏃」などの同人活動。卒業後河出書房新社編集部、思潮社「現代詩手帖」編集長などを経て、1976年、編集スタジオ・カマル社を興し、現在に至る。

カマル社ホームページより

私は詩人になる前から桑原さんの個人誌『月あかり』を購読しており、時事問題に対する姿勢や、舞台や映画などの芸術作品から桑原さんが読み取ったものに、多大なる影響を受けておりました。私の新人賞の作品にも、桑原さんからの影響が大きく反映されています。

コロナ禍になり、世の中が大きく変容し、まるで戦前のような同調圧力に皆が飲み込まれているさなかに、そういう問題に一番敏感であろう作家・詩人・音楽家・芸術家は何を発信しているのだろう?…そう思っていろいろと探す中で、やっと「素晴らしい見識の方を見つけた!」と思ったのが、桑原茂夫さんでした。

『月あかり』は、ご自身が東京大空襲を必死で逃げ延び、戦争で心も体もズタボロになって帰ってきた父親を目の当たりにし、国の都合でひどい目に遭わされた人たちを実際に見てきたからこその視点で社会問題を取り上げている個人誌です。それは私がコロナ禍の日本に対して感じていたモヤモヤとした危機感の中身を、見事にクリアに解き明かしてくれるものでした。内容は重みがあるのに、書き口がとても軽快で、江戸っ子(?)風で楽しく、スラスラと読めてしまいます。…これが一流の文章なのだ!と、初めて手に取ったときには強い衝撃を受けました。

そんなこんなで、すっかり大ファンとなった桑原さんと、今までに何度かメールのやり取りはさせていただいたのですが、直接お話しできる機会をいただき、舞い上がる気持ちで事務所へと向かった次第です。

重要なことをたくさんお話しいただきましたので、次回よりかいつまんでご紹介しようと思います。


★桑原茂夫 個人誌『月あかり』最新号(vol.8 戯言三昧 第1号)

【目次】
●はじめに/それこそが戦争なのだよ、ということ。
●特報/沖縄を正面から舞台に据えたテレビドラマが放映された!ーーWOWOWオリジナルドラマ『フェンス』のこと
●連載=オトーサン/沖縄にとって避けられない問題を真っ向から物語に仕立てた目取間俊作品ーー『平和通りと名付けられた街を歩いて』を読む
●連載=鬼ものがたり/高級役人の悪行を許さない夫婦鬼 編
●GALLERY-1/中村宏さんが記憶の奥深くからB29を飛ばしたーー中村宏戦争記憶絵図展
●GALLERY-2/合田佐和子さんの存在がどんどんおおきくなってゆくーー合田佐和子展 帰る途もつもりもない

ご購入は、カマル社ホームページへ。
https://kamarusya.wixsite.com/kamaru

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