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Q.インターネットの集客では情報量が大事と聞いたので、たくさん情報を載せるつもりです。

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Q.インターネットの集客では情報量が大事と聞いたので、たくさん情報を載せるつもりです。

インターネットで集客するには、情報量がとにかく重要と聞きました。そこで、自分の専門分野に関しては、ウィキペディア並みの情報を載せようかと思っています。この方向で正しいでしょうか?

情報が欲しい人、仕事を頼みたい人が明確に分かれてきた
過去の開業本を見ると、「とにかくホームページには情報を載せなさい」と指南しているものが数多くあります。そのため、ホームページには膨大な情報量が必要と考えている方も非常に多いのですが、この「ホームページは情報量が勝負」というのは本当に正しいのでしょうか。

結論からいうと、現在はホームページには「依頼するにあたって最低限」の情報さえあれば仕事は取れます。

たとえば、相続のサイトをつくって依頼を受けるということであれば、「そもそも相続とは?」「遺留分は?」など相続に関するすべての情報を必ずしも載せる必要はありません。

重要なのは、「お客様が問い合わせ、依頼をするにあたって必要な情報」があればよいので、法律の詳しい解説までは不要なのです。

実際に必要なのは、「こんな相談に乗れます(問題を解決できます)」「事務所概要(地域)」「所長プロフィール」「お客様の声」「よくある質問」「報酬額」などです。

このように、かつて士業開業指南書で推奨されていた「膨大な情報量を載せよう」というセオリーからは、2012年の現在においては外れてしまってかまいません。

しかしながら、過去の指導書が間違っていたかといえばそうではありません。過去はホームページの数そのものが少なかったことに加え、インターネットで購買をする人も非常に少なかったのです。そのため、情報を探していて、他に相談できるところが見あたらないので相談、依頼するという流れが主流でした。

ところが、最近ではウィキペディアに代表される情報提供型のサイトも増え、「情報を探している人」と「仕事を頼みたい人」が明確に分かれてきたのです。そのため、あまりサイト上に情報がありすぎても、「どこから依頼してよいか」がわからず結果として仕事が取りにくくなってしまうのです。

現在もっとも効果的な情報は、「プロフィール」と「お客様の声」である
このように、現在は膨大な法的知識を載せずとも、最低限の知識が掲載されていれば十分です。そして、サイトに掲載すべきもっとも重要な要素が「所長プロフィール」と「お客様の声」になります。もちろん、何の根拠もなしにこのようなことは断言できません。これは、私がこれまでのお客様にリサーチし、また私がコンサルティングをしているクライアント士業からアンケートを取った結果から明言しています。

具体的には、「なぜ、当事務所に依頼を決められたのですか?」というような質問をし、答えを集計しました。そして結果は、①所長のプロフィール・人柄、②お客様の声、③提携専門家の掲載、④報酬、⑤マスコミ掲載・出版などのブランド、という順位だったのです。マスコミ掲載などのブランドが思ったより重要視されていないことにも注目すべきでしょう。

つまり、お客様は「仕事をしてくれる人がどんな人か?」ということ、そして「これまでどのくらいの実績があるか」ということを主な選択基準にしているということになります。法律的な知識を多数掲載するのは、あなたのことをもっと知りたいというお客様にとっては、かえって邪魔になってしまうことも多いのです。その点に注意しながら情報を掲載する必要があります。

デザインは最低ラインをクリアするのが成功の条件
もうひとつ忘れがちなポイントを説明しておきます。ホームページはどうしても情報量、つまり文章のほうに注目が集まりがちです。しかし、今後より一層重要になってくるのがデザインです。ここ数年で、士業も全体のデザインレベルが向上しました。かつては文字中心で、ロゴマークなどを作成している事務所など少数派でしたが、今では多くの士業事務所がデザインに力を入れ始めています。

同じような地域、同程度の情報量が掲載されている事務所のサイトが複数あった場合、お客様は「デザインが優れている」事務所を選択します。見栄えも美しいほうが当然信頼感も増します。すでに「よい仕事をしていれば見た目は汚くてもよい」という時代ではなくなったのです。

安いホームページ作成サービスなども今では多数ありますが、安いものではデザインのレベルが高くない場合があります。結局のところ費用を安くおさえることができても、仕事の取れない悪いデザインではあまり意味がありません。多少費用をかけてでも、それなりのデザインレベルのホームページは今後必要になってきます。

かつては「お金がなければ自作する」という風潮が当たり前でしたが、素人レベルのデザインが戦える時代は終わったといえます。ホームページ制作代がかかるといっても、個人デザイナーから大手制作会社まで依頼できる会社は多数あり、地道に検討すれば比較的安い金額でサイト制作を請け負ってくれるところはありますので、諦めずに視野を広く持ちましょう。SOHOビレッジ(http://www.sohovillage.com/)などの個人業務委託サイトを使用するのもひとつの方法です。

ところで、「自分はインターネットを使わない。あくまでもアナログ営業、人脈営業で勝負するのでホームページは必要ない」という一方的な結論を出す方がいますが、これも今後は間違った判断になってしまいます。なぜなら、インターネットで検索することが当たり前となった現在では、「アナログで会った人を検索して調べる」ということが当たり前になってきているからです。

特に仕事を依頼しようと検討した場合、かなり高い確率で事前にあなたの情報をお客様は調べます。その際に、非常にデザインレベルが低い、あるいはホームページがないといった場合、信頼感は薄れてしまいます。このように、アナログ営業が中心だったとしても、お客様はあなたのことを調べますので、ホームページはあったほうがよいのです。

【POINT 】情報を探している人と、仕事を依頼したい人は違う。仕事を頼みたいと考えている人が依頼しやすいサイトをつくろう。その中で、サイトでもっとも重要な要素が「プロフィール」と「お客様の声」。この要素は絶対に入れよう。そして、デザインも手を抜かずにサイトをつくりたい。

※掲載されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、書籍販売当時のまま掲載しています。

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