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環境経済学とは?(下)環境政策の立案と評価の経済学
横尾です。一橋大学経済学部で「環境経済学」の講義を担当しています。
「環境経済学とは?」を上・中・下の3本構成で紹介しているコラムの3本目です。
1本目はこちら:
2本目はこちら:
この3本目(下)の記事では、改めて環境経済学を定義して、筆者の講義とゼミについて宣伝して終わりとします。
環境経済学とは?
さて、ここまで、1本目のコラムでは環境経済学は「環境学で経済学で政策学」であると紹介しました。
次の2本目のコラムでは環境経済学者の5つのシゴトという形で環境経済学の中身を簡単に分類してみました。
それも踏まえて、ここでは改めて「環境経済学とは」を書いてみます。
環境経済学とは?
環境の質や温室効果ガス排出量を最適な水準にするための政策(すなわち環境政策)の立案と評価を経済学の手法を用いて行う。
主にミクロ経済学理論(ゲーム理論と行動経済学理論を含む)とマクロ経済学理論の「ロジック」に基づいて政策手段を開発・設計する。
立案した政策案を数値計算や試行等で事前評価する。
そして、実施された政策の事後評価を計量経済学の手法を用いて行う。
これらの「エビデンス」に基づいて政策手段の選択を比較検討し、提案し、社会実装する。
いかがでしょうか?
急に堅苦しくなった印象でしょうか…
筆者の講義やゼミではこのように環境経済学を定義して、それをより詳しく解説しています。
一橋大学の講義「環境経済学」
筆者は2019年より、一橋大学経済学部で講義「環境経済学」を担当しています。
最新の講義概要や目次は一橋大学のシラバスでどなたでもご覧になれます。
下記のシラバス検索サイトより、「開講科目名」の欄に「環境経済学」と入力して検索してみてください。
また、一橋に着任した最初の年にこの講義「環境経済学」について大学の広報サイトで記事化してもらいました。
講義内容は毎年ブラッシュアップしていて、5年目の現在はやや異なる点もあるのですが、講義の雰囲気はこちらの記事でも伝わると思います。
一橋大学の「環境経済学」ゼミ
そして、2023年度より学部3年生(と4年生向けは2024年度より開始)の「ゼミ」を始めました。
今年度は14人の一期生と一緒に、毎週一回のゼミで環境経済学とその関連分野について勉強しています。
このゼミの様子をこのブログの「研究室の日々」コーナーで時々お伝えします。
また、このゼミの立ち上げ前には、「ゼミメル」さんに「こういうゼミを立ち上げる予定です」という内容で記事を書いてもらいました。
こちらもゼミのイメージの参考になると思います。
以上で、投資家やそれ以外のビジネスマンの方、さらには大学生、高校生の方向けの「環境経済学」の紹介を終わりにします。
今後はより詳しい個別のトピックスについても記事にしていく予定です。
お楽しみに。
2023年6月版 横尾
この3本立てコラム1本目の記事はこちら:
この3本立てコラム2本目の記事はこちら: