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原稿: Blender で VRoid の舌を出す方法、シェイプキーの作成

Blender で VRoid の舌を出すシェイプキーを作成する動画の、Blender作業部分の原稿です。ほぼそのまま掲載することとします。


原稿

舌のシェイプキーを作る原稿(フォン横長画面に表示)(BlenderとVMagicMirror同時録画):

まず、新規プロジェクトを作成、すると最初からキューブなどが配置されており、[A] キーで全選択、[X] キーで削除するほうが作業しやすくなります。
続いて、左上の [ファイル] ボタンから [インポート] [VRM] を選び、舌出しをさせたいVRMモデルを読み込みます。
インポートが終わるまで待ちます。
Blender に VRM をインポートするには専用のアドオンが必要ですが、一般的な情報源をご覧ください。
ここで用いるVRoidモデルは、先に VRoid Studio でのVRMエクスポートのしかたに注意して、それをいったん整えなければなりませんので、それについての説明動画もご覧ください。
インポートが完了したら目当てのモデルが出現します。
作業しやすくするために、画面右上のパネル、「アウトライナー」と言います、そこに"Colliders"と"Armature"と書いてあるものを見つけ出し、目のマークのアイコンをクリックして非表示にします。

テンキーの [5] 番で現在の透視投影と平行投影を切り替えられるので、適宜使い分けてください。
画面右上のアウトライナーで "Armature"の左にある三角形をクリックして中身を表示します。
その中から"Face" を見つけてクリックします。
クリックで"Face" がターゲットにされているとオレンジ色で顔の輪郭などがハイライトされます。
[Tab] キーで編集モードに入ります。
私が行っている操作の情報は、画面左下に出てきますので、そちらを見てください。
テンキーではないほうの [1] 番で頂点選択モードにします。
舌のモデルを特定するために、舌ではない顔のパーツをクリックして [L] キーでリンク選択し、[H] キーで非表示にします。
口内のモデルも同時にありますので、うまく見分けて同じく非表示にしましょう。

ここで、注意点があります。
VRoidの舌は上下2枚に分かれており、作業しやすくするために1枚にマージしたいと思うのですが、それだと頂点数が25 減り、後々シェイプキー転送をしたいときに手間が増えるかもしれないので、マージ機能を使わないまま、作業しやすくしたいと思います。
上半分の舌の頂点1つをクリックで選択し、[Ctrl-L] でリンク選択、下半分の舌の頂点1つを [Ctrl] キーを押しながらクリックで同時選択し、[Ctrl-L] でリンク選択。
[L] キーだけだとリンク選択が反応しなかったり、無関係なものが選択されるトラブルもあります。
ちなみにですが、リンク選択に相当する他の選択方法には、 [Ctrlとテンキーのプラス(+)キー] 連打というのもあります。
これで上下の舌がどちらもリンク選択状態となります。
[Alt-H] で隠したものを表示。
画面左下の「隠したものを表示」と書いてあるパネル、「オペレータ―」と言います、これを展開し、「選択」のチェックを外します。

ここで [Tab] キーでオブジェクトモードに入ります。
画面右のパネル、「プロパティ」と言います、そこから緑色の逆三角形のアイコンを探し、「オブジェクトデータプロパティ」と言います、これを選択します。
シェイプキーという名前の項目をクリックで開きます。
Fcl_MTH_O(フェイシャルマウスオー)という、「お!」の形の口のシェイプキーを探してください。
情報量が多いのと、文字が途中から隠れているので探しづらいと思いますが、外側の枠の部分をドラッグして広げると表示される文字数が増えます。
このシェイプキーの値を0.000から1.000に変えます。
右側の下矢印をクリックし、「+新規シェイプをミックスから作成」を選択します。
先ほどのFcl_MTH_Oをもう一度、探し、クリックし、そのシェイプキーの値を0.000に戻します。
一方、新規作成されたシェイプキーが「キー 58」のような名前で一番下にできていますので、これを選択して値を1.000に変え、Fcl_MTH_Oと同じように口が開いた状態を確認します。

[Tab] キーで編集モードに入ります。
口元を見て、先ほど選択した上下2枚分かれの舌がオレンジでハイライトされて選択状態にあることを確認しましょう。
[Shift-H] でその舌以外の顔をすべて非表示にします。
[Ctrl-Alt-Q] キーで四分割表示をします。
これでこの後の作業を複数画面で監視しやすくします。

ここからは、モデルの頂点などをいじる本格的な作業になります。
使うのはプロポーショナル編集です。
O キーでプロポーショナル編集を有効化します。
ヘッダーの真ん中にある二重丸っぽいアイコンの横にあるサイン波のところをクリックして「接続のみ」にチェックを入れます。
形を「球状」に変更します。
プロポーショナル編集の作業では、影響範囲の円を使います。
この方法だと、初めての方は1.00という値の大きな円になっていますが、ヘッダーその値が記されていますので、0.01あたりまで下げるように、マウスホイールを上方向になぞって調整してください。
もし上下2枚の舌の選択が解かれていたら、改めて舌以外の顔のパーツを非表示にする方法を取るなどが、今の段階でも可能ですので、試行錯誤してみてください。

プロポーショナル編集の機能はいくつかありますが、まず [S] キーの拡大縮小機能で変形することにします。
[S] と同時に [X] キーでX軸を指定するとX軸方向の拡大縮小になります。
X, Y, Zいずれのキーも使わなければすべての次元で拡大縮小になります。
[R] で角度変更、[G] で位置の移動となっています。
これらを駆使します。

シェイプキーが出来上がったら、リネームします。
名前の部分をダブルクリックして好きな名前 (TongueOut) を入力します。
あとは左上の [ファイル] ボタンから [エクスポート] [VRM] を選んで書き出し、Unityでの作業に移ることになります。

Unityでブレンドシェイプを設定する作業は、別の動画および一般的な情報源を参考にしていただきたく、お願いもうしあげます。
Unity に VRM をインポートするには専用のアドオンが必要ですが、一般的な情報源をご覧ください。

Unityでブレンドシェイプを設定でき、再びVRMエクスポートできましたら、お使いのトラッキングアプリなどで表情のテストをしましょう。
ここでは VSeeFace です。
今回のシェイプキー作成作業では、単純な舌出しのみ作りましたが、私は別途「本人左上、左下、右上、右下」バージョンを作っており、そちらも含めてテストしています。



動画本編のご紹介


動画説明文に書くには煩雑と思って、自粛した「こぼれ話」をここで公開します。

2012年にBlenderで動画素材(アニメーション)を作成した話:

インターネットで配布しているデータを指示に従いながら少しだけテキスト部分を改変してレンダリングして作成する、簡単な作業でした。
「3DCGアニメーションを作る作業が情報の少ない時代でも簡単なの!?」と思われそうですが、Blenderの初心者かつ現役不登校中学生でも短時間でできるくらい簡単な作業でした。
逆にBlenderのほかの技能を、当時、習得したいと思いませんでした。
特定のゲームの影響で Unreal (UE2時代の UnrealEd) を触ったこともありましたが、本当にさわりだけであり、強い興味関心を持ちませんでした。
あのころから10年以上も経ち、VRM界隈を見ると、Unreal Engine を使って開発するチャレンジャーな方々がいるようです。


今回の作業の参考にした情報源


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