American Utopia by David Byrne at Hudson Theatre (シアターディストリクト)
ディヴィッド・バーンの2018年初のアルバム、アメリカン・ユートピアが、大ホールでのツアーを終え、新しい形、インティメイトなスタイルで、ハドソンシアターにやって来た。
ハドソンシアターは、1903年にプレイハウスとして始まったブロードウェイのイーストサイドにあるシアターで、2017年にリニューアルオープンをした。1000人弱を収容できる。
ディビッド・バーンは、セントヴィンセントとコラボレイトしてから、より注目するようになった。トーキングヘッズもよく聞いたし、彼がやっている政治的なWEBサイトreasons to be cheerful
http://davidbyrne.com/explore/reasons-to-be-cheerful/about
https://reasonstobecheerful.world
も色々共感出来る所があり、彼のイベントにはよく参加した。数年前の、セントヴィンセントのプロスペクトパークのショーには、自転車で乗り付けていた。
そんな彼の新しい挑戦が、このシアターバージョンのアメリカン・ユートピアだ。ディビッドバーンとその仲間たち、12人のミュージシャンが、シャンデリアカーテンのステージを使い、人間に出来る究極のミュージカル・エンターテイメントを突き詰めている。ステージにはワイヤーがないにもないので、ミュージシャンは自由にステージを動き回る。ディビッドバーンは、グレイのスーツに裸足、ヘッドセットマイクをつけ、一人きりでテーブルに座り、人間の脳を持って、歌い始める。同じスーツを着たダンサー、ミュージシャンたちが登場し、曲毎、全て違ったアプローチで演奏する。時にはサークルにマーチしたり、時には真っ暗な中、スポットライトだけだったり。ディビッド・バーンは、曲間にオーディエンスに語りかける。政治的な事も多かったが、大体が次に演奏する曲についてのプロローグだったり、このステージをすることになった時、結局何が重要かなど、人間について語っていた。因みに、この公演では投票に行く事を呼びかけ、その場でレジスターもできる。
曲ごとに演奏する楽器もライトアップも違い、ミュージシャンたちの演奏力、演技力他、歌唱力も重要で、究極な所では、楽器を持たずアカペラだけで歌う場面もあった。ソプラノからアルト、テナーまでが交わり、天使の歌声のように美しい。
このステージは、演奏力は勿論、演技やダンスが、かなりの部分を占め、ディビッドバーンのソロ、トーキングヘッズ時代の曲、ジャネールモネイの曲などを含む、21曲プラスアンコールが演奏された。10月から始まった公演は、好評で最近2月まで公演が延期された。アメリカン・ユートピアは、普通のシアター経験の期待を上回る、ミュージカル体験と社会について考える貴重な空間である。
Hudson Theatre
141 w 44th St
New York, NY 10036
https://www.thehudsonbroadway.com
Yoko Sawai
12/15/2019
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