短編小説 ー 堕泳(2/2)
レッスンを終え、少しの間、娘を公園で遊ばせた。スイミングスクールからすぐの公園だから、プール帰りの子も何人かいた。広場には下品な言葉を叫びながら楽しげにサッカーをしている男子小学生がいた。観覧席で聞いた外からの声と同じだった。
娘は雲梯をするから見ていてほしいと言って、私にスクールバッグを持たせて一直線に駆けていった。私はお腹が張り始めていたから、ベンチに掛けて娘の様子を見守った。
「ねえ、ママ! 見て!」
「おお、すごい。二歩進んだ。次、三歩進もうか」
「いい。やらない