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ジェンダーフルイドの人形キット発売。子供のジェンダーを大人が決めつけないために

ジェンダーフルイド。日本ではまだまだ聞き慣れない言葉である。

ジェンダーフルイド、セクシュアル・フルイディティ(sexual fluidity)は、直訳すれば「性の流動性」すなわち、「(周りの状況によって自発的に)性自認も性的指向も変わることがある」という性の性質を表す言葉とされる。

子供が成長するにつれて趣味や関心が変わるように、セクシュアリティも人間の成長とともに変わる。なのに、買い与えるおもちゃによって、大人が子供のジェンダーを決めつけていないだろうか? そう問いかけられているようなおもちゃが発売される。

webサイトの編集長をしていた時、性教育に興味があった。日本の性教育の遅れ(教えるタイミングや内容)が本当に気になっていたからだ。その特集の中で、産婦人科医・性科学者の宋美玄先生を取材した。

性教育の話をする際には、初めに子どもの「心と身体の性別」が一致しているかどうかを尋ねてあげてください。「心と身体に違和感があったら教えてね」とか「男の子が男の子を好きになることもあるのよ」とか。上手く答えられないこともあるかもしれませんが、親がどんなセクシャリティも受け入れる用意があることを示しておけば、子どもが将来的に違和感を覚えた時に、「話してみようかな」と考えられるのです。

性教育は、体の仕組みや性行為、中絶や避妊を教えることがすべてではないと私は考えていたので、この先生の言葉に「ハッ」としたのを覚えている。己肯定感を高め、自分を受け入れ、愛し、それにより自分とは異質な他者を認めて尊重することを。性教育はHOW TOを教える場ではなく、「自分や他者を大切にする」という意味に触れる機会となってほしい。

個人的には、今、フェミニズムとともにマスキュリニティの理解を深めたいと思っている。その中で出会った本の一文を紹介して、今回のコラムを終わりにしたいと思う。

「娘の育て方が息子の育て方に近づいているのは喜ばしい。でも、息子の育て方が娘の育て方に近づくまでは、本当の解決にならないだろう」








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