自粛生活で見た夢
自粛生活も長くなると、よほど閉塞感を感じているのか、こんな夢を見た。
我が家は各人の個室とリビングしかないが、実は使っていない部屋があと三つある、という夢だ。
夢の中の我が家は、とても古い。そして家族は、死んだ母と、母の死後絶縁状態にある姉までいる。使っていない部屋は物置になっていて、ほこりだらけだ。そこを掃除して、みんなで寝られるようにしようと、私が言い出すのである。
「ほら、旅行にも行けないからさ。旅館だと思ってここに布団を敷いて、みんなで枕並べて寝ようよ」と提案するのだ。
あれ? そんなに家族好きだったっけ? と起きてから考えた。
その部屋は、昭和の古い和室だ。布団部屋になっていたのか、真ん中に布団が積み重ねてある。襖で仕切られ、床の間や鴨居などもある。
だから掃除はとても大変だった。しかし苦労をしてまで、みんなで枕を並べて寝たいというのだから驚く。
幼児期に、家族で枕を並べて寝たのがそんなに幸せだったのか。山梨の、古い祖母の家で、夏は蚊帳を吊って家族四人が枕を並べた。
しかし夢では、窓を開けるとそこは再開発の工事現場だった。トラクターが土を掘り、これから高層ビルを建てようとしている。
こんなんじゃ、うるさくて寝られやしないと、がっかりする私だった。