あなたがみえる
このタイトルに「!」ときた方は同じ映画を見た仲間(?)ですね。
そう、これはアバターの中で度々出てくる言葉です。単に表面的な姿が見える、ではなく内面、本質、もっといえば魂が見えるというのを表現した言葉として使われていました。アバターは二作とも見ましたがストーリー云々よりとにかくパンドラという惑星に魅せられました。スピンオフでパンドラの自然や動植物の紹介をひたすらするだけのパンドラチャンネルみたいなものを制作してほしい!
さて、映画の話はここまで。「あなたがみえる」から繋げたいのは私の本業でもある書道です。まさに書を見ればそれを書いた人がみえるのです。これに関しては「書は人なり」という言葉が昔からあるので今さらなのですが。
たとえば、同じ手本を見て書いたとしても形、線質はみなそれぞれ違います。違って当然、むしろ違うから面白い。
大柄で見るからに体育会系の男子がとても繊細な線質だったり、大人しくてあまりおしゃべりしない女の子が実に大胆な字を書いてみたり……ちなみにこの子は「家ではめちゃうるさくて乱暴なんだよ!」と弟くんが暴露してましたっけ。
前者の男子は優しくて控えめなのですが、成長とともにとても豊かな線質に変わってきました。高校や大学生活の中で勉強や部活や他にもたくさんの経験を重ねてそれらが書の表現につながってきたのかなと。
また、書いた文字を見るとその時の体調や気持ちの状態も伝わってきます。疲れたりイライラしている時は乱暴で投げやりな書として現れるのはこれもまた当然だし、書きたくない時は無理やり書く必要もないと思います。
そういう時は持ってきた半紙を添削せず、疲れてる?とまず声をかけます。それをきっかけにいろいろ話しはじめ、だんだんと自分が今どういう状態なのかに気づくと気持ちが切り替わったのか見違えるような字にかわることもありました。
私はたまたま書道教室という仕事がら文字につながったのですが、相手を「みる」方法は書に限らずたくさんあると思います。
一番大事なのは、その相手のことを知りたい、興味がある、関わっていきたい、理解したい、大切にしたい等々の気持ちがあってこそ、なのかな。
「あなたがみえる」そう伝えることのできる人がいることは、きっとしあわせなこと。