【開催レポート】平和のためのおはなし会CROSSINGはじまりました。
こんにちは。Matahari@マレーシア🇲🇾こと江頭陽子です。
告知期間たった二日にも関わらず、Zoomと現地参加含め12名の方にお申し込み頂きました。誠にありがとうございます。
平和のためのおはなし会CROSSING (第一回2023/3/25)概要
記念すべき第一回平和のためのおはなし会を振り返ります
では、今回のおはなし会の内容を振り返ります。ご参加くださった皆様には、ご紹介した証言や場所をお伝えしたいと思い、これまで綴ってきた証言や慰霊ツアーのレポートなどのリンクも織り交ぜながらお届けいたします。詳しくお知りになりたい方はぜひ次回のおはなし会にご参加ください。(次の開催情報は公式LINEにて配信します)
太平洋戦争はマラヤから始まった
マレー侵攻作戦は1941年12月8日の未明に開始されます。ハワイ真珠湾攻撃よりも1時間半早く開始されました。
英領のコタバル、タイ領のパタニとシンゴラ(別名ソンクラー。現地の人はこちらを使います)という東海岸沿いの土地から日本軍が上陸し、陸路でシンガポールまで南下しました。
たった2ヶ月でシンガポールに辿り着き(距離にして東京から九州くらいの距離)難攻不落と言われた大英帝国の要塞のあるシンガポールを陥落。
そこから終戦の1945年まで日本の占領下に置かれます。昭南島と呼ばれ、昭南特別市が発足します。現地の人に「暗黒の3年8ヶ月」と呼ばれる苦難の時代のはじまりです。
マレー、ビルマに関わった師団とその兵士たちの末路について
福岡県久留米市が本拠地であった第18師団、広島県広島市の第5師団、東京の近衛師団、この3つの師団が主にマレー侵攻作戦に関わったと言われています。
兵士の多くは貧しい農家や炭鉱作業員出身で、非常に我慢強く厳しい軍事教育を受けた若者だったそうです。
英領のシンガポールを陥落させた英雄だったにも関わらず、凱旋帰国は叶わず次なるさらに過酷な戦地へと送られて行きました。旧ビルマのジャングルです。目的は連合軍の基地インパールの攻略と、援蒋ルートの寸断でした。
福岡にルーツのあるわたしの祖父の軍歴を調べてわかったこと
筆者Matahariのルーツである父方の本家は福岡県久留米市にあります。祖父の軍歴についても今年3年4ヶ月ぶりに帰った時に調べることができました。
祖父は第18師団(菊兵団)ではなく第56師団(龍兵団)の所属であったこと、ビルマに派遣される直前に腹膜炎で久留米陸軍病院に入院し出征しなかったこと、退院後に除隊になったこと、などわたしが長年知りたかったことが記されていました。
その軍歴を調べる過程で、父方の祖父が陸軍病院に入院中に、私の父の長兄が生まれていること、もしビルマへ出征していたらおそらく生きて帰れなかったこと(軍歴から農業をしていた祖父が昭和17年27歳の時に臨時召集されたこと、その連隊は中国の山奥で起きた拉孟騰越の戦いにて玉砕したことがリサーチでわかりました)。祖父の隊の友人だっただろう人たちが帰らぬ人となったこと、祖父が出征しなかったせいで父やわたしに命を繋いでくれたことを知ることができ、胸がいっぱいになりました。
今回のおはなし会では時間の関係上お話しできませんでしたが、わたしの母方の祖父の軍歴についても衝撃的な事実を知ることになりました。
福岡県直方市に本籍があった祖父(生きていたら今年で100歳)には、母も知らなかった若くして戦死した長兄がいることが、今回の帰省中に軍歴を調べる過程で取り寄せた戸籍謄本によってわかりました。この25歳でビルマで戦死した祖父の長兄(わたしの大伯父)が、なんと第18師団所属の兵士だったのです。
この件については、長くなりますので改めてまたお届けします。
現地の方から集めた証言のご紹介
太平洋戦争開戦から敗戦までの歴史をお話ししながら、わたしが現地の方から集めた証言を織り交ぜながらお話ししました。
わたしの同年代の中華系マレーシア人の友人ケイト(仮名)の祖父は、台湾出身の中国国民党軍(クォミンタンと発音します)の特殊工作員でした(いわゆるスパイ活動をする人)。
日本がマレー半島に攻め入るという情報が入り、ヘリコプターでマラヤへ。戦後は、ペナン島で出会った女性と結婚。そのままマレーシアに定住しケイトに命を繋ぎました。
その当時のことを中国語で克明に記した本があります。実はケイトも英語で教育を受けたため中国語が読めず、内容を知らなかったそうです。日本人の友達が興味があるとお母様に伝えると、喜んで貸してくださいました。
このマレー侵攻作戦であっという間に英領シンガポールを陥落してしまった日本軍の兵士たちについて、ケイトのお祖父様は「おむすび一つで戦える強靭な肉体と精神を持った人々」と記されていました。
ご興味のある方は、その本の日本軍についての章を抜粋した箇所をお送りできますので(中国語)お問い合わせください。
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また、無実の罪で日本軍に連行され激しい虐待を受けたというインド系の父親を持つ方のエピソードはこちらにまとめていますので、詳しく知りたい方はこちらからお読みください。(この証言をしてくださった方との出会いから始まる記事で三部あります。長い記事になりますが、ぜひどうぞ。)
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泰緬鉄道の作業員として建設現場で過酷な労働を強いられた上、命からがら脱走し生き延びたお祖父さんを持つインド系タミルの友人から聞いた話はこちらになります。
現在も旧ビルマのミャンマーで亡くなった兵士の遺骨発掘作業をされている福岡県太宰府市出身の井本勝幸さんへのインタビューはこちらになります。
慰霊に訪れたマレーシア各地の慰霊碑
日中戦争を支援していたとされる華僑(中国系の裕福な層)への迫害と虐待のことを、華僑粛清(かきょうしゅくせい、シュックチンと発音します)と言いますが、罪のない人々も多く犠牲となりました。その人々を慰霊するための慰霊碑がマレー半島だけで少なくとも45ヶ所あるそうです。(参考:旅行ガイドにないアジアを歩く マレーシア)
おはなし会でご案内した、わたしたちが訪れた場所についての記事はこちらになります。
「シンガポールのシンドラー」篠崎護さんのご親族である菅原あおいさんをゲストにお迎えしました
篠崎護さんのご親族である菅原あおいさんをゲストに迎えトークをしました。
https://note.com/yokomindarise/n/n8b494528e8be?magazine_key=m836f0c96ea22
あおいさん(文中では仮名のアヤ子さんで登場します)は、コロナ禍で訪れることができなかったシンガポール日本人墓地を、念願叶って今年2月にご主人と共に訪れ、大伯父さんの碑文がある場所で、大伯父さんのことを知る方と親交のあった方からお話を聞くご縁に恵まれたそうです。
トークでは、あおいさんとMatahariの出会い(2020年8月)、共に護大伯父さんが辿った道のりを調べ訪れた歳月のことを、皆様にお話しさせていただきました。
、シンガポール陥落後まもなく、軍部により華僑粛清が起きていた頃、憲兵隊の検問を逃れるための許可証を発行し続けた護さん。噂を聞きつけた中華系の人々が殺到し、手書きだととても間に合わないということで、ガリ版印刷で大量に発行し誰彼構わず配ったというエピソードから、護さんの大胆な性格がわかります。(軍部に見つかれば殺されていてもおかしくありません。)
護大伯父さんが関わったBahauやEndauなど、華僑やユーラシアン系住民を昭南特別市が疎開させたジャングルの開墾の様子や、護さんが書かれた本の中から印象に残る彼の人柄がわかるエピソードの部分の朗読などもしていただきました。
シンガポール日本人墓地ニュースレターにその日の訪問についての記事がまもなく載るそうです。改めて記事しますので、本日はトークの具体的な内容は割愛します。
疎開先となった場所の位置情報など菅原あおいさんが共有してくださるので、ご興味のある方はお問い合わせください。
ご参加くださった方からのご感想
ZOOMにてご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
現地でご参加くださったゆみこさんと、3人でランチを頂きながらお話しをしました。
ゆみこさんは、コロナ禍にお仕事で上海に在住されていたご経験を話してくださいました。
ご縁に感謝します!ありがとうございました。
平和のためのおはなし会CROSSINGは無料で開催します。
どなたでもご参加いただけます。
会場では、Matahariの友人たちの協力により、チャリティバザーを行います。
(収益の一部は平和活動CROSSINGの活動費、慰霊のための献花、旧ビルマでの日本軍兵士の遺骨発掘作業への支援などに使わせていただく予定です。)
現地に来れない方の中で、ご寄付やチャリティ商品の発送など、ご希望がありましたら喜んで承りますので、お気軽にメッセージください。
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マレーシア在住20年
現地の動物や植物を描く画家
山田さなえさんの原画展
各サイズあります
RM100~RM150
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日本の田舎のおばあちゃんたちが手作りする雑貨・陽だまり工房 (Sunny Place Creations)の巾着やティッシュカバーなど
RM10~RM30
この他にも、手作り味噌やお菓子などのご提案も頂いています。
是非公式LINEにご登録頂き、今後のおはなし会に足を運んでくださいね。
この活動を支えるご寄付の方法
遠方でおはなし会にご参加いただけない方も、活動にご賛同いただけましたらご寄付で応援いただけますと幸いです。
ご寄付はPayPalまたは口座振り込み(バンクトランスファー)にて承ります。
お問い合わせ方法
次回の定期開催のおはなし会は
4月22日(土)を予定しております。
定期開催以外のご要望があった場合には、公式LINEに配信します。
ぜひこちらも登録よろしくお願いします。
お問い合わせの方法
CROSSING 公式LINE (https://lin.ee/b62NZnP)
Email: note.matahari.malaysia@gmail.com