ねぇねぇ、私を撮って【ハノイ4日目】
異国から来た言葉も通じない人間にカメラを向けられたら、私はどうするだろう。
きっと私は、カメラを向けられていることを気づいていながら、気づいていないふりをする。
ハノイの片田舎で出会う人たちは、珍しい外国人(私)に興味津々だ。かけ寄って来る人もいれば、大声で話しかけてくれる人もいる。残念なことに何を言っているのかはひとことも分からないんだけど。
今日はソニーの一眼カメラを持って散歩にでかけた。カメラを肩にかけて歩く道中、出会う人たちはみな、勝手にポーズをとり始める。にこにこ笑顔で私がカメラを構えるのを待っている。
あぁ、
私がぐずぐずカメラの起動に手間取っていると、彼らのかかげたピースはふにゃんとしぼんで、笑顔もひきつってきた。急がなきゃ。
みんなのキメ顔見てくださいな。
お花屋さんの女の子
そのへんのおじ…おとうさんと子供
ものっすごい飴ちゃんを持っている女性。一個もらったよ
すごくたのしくおしゃべりしてくれたお兄さん(ひとことも理解できず…ごめんなさい)
ここにも。
ここにも。
この写真たち。
ただ地元の市場を100メートルほど歩いただけなんだよ。それなのに、みんな笑顔と関心を私に見せてくれる。そしてそれをひとつひとつ切り取っていく。
ここは「知らないふり」なんてない世界。ちょっとうっとうしいほどの、人と人との距離感。くすぐったいけれど、なんだか今日見た笑顔たちは、私の心をそっと包み込んでくれた気がする
私も日本に帰ったとき、異国の人のカメラの前で、思いっきり笑顔とピースを向けてみよう。
なんだか、ベトナム人みたいだね。
こんな反応が返ってくるかもね。
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