フランスでイヤな目に遭うと、日本の良さが身にしみる
普段はフランス暮らしの好きなところばかり書いています。今回は、今週身に起こったイヤなところを含めて書いてみようと思います。
こういう時に、日本の生活を想って「あー、日本じゃこんなことあんまりないよなぁ」って遠い目をしてしまいます。日本の良さが分かるのはこんな時。ついつい比較していまうんだなぁ。
「外国人を狙った悪行」とも言える行為、気をつけて欲しいし 書いておきますね。
信用できない
先日、書留が届いている旨の不在票がポストに入っていました。取りに行ってみると、それは大家さんからのお手紙。「家賃を上げます」と走り書きしたような字。手書きで書いてありました。
「95ユーロの値上げ」とあるのでびっくり。周りに聞いても「20−30ユーロ上げるなら分かるけど」という金額です。「しかも手書きって!」との反応。
「あまりにおかしい」。そこで、うちの彼の職場の人が大家さんに電話してくれることになりました。すると電話口で大家さんが怒って電話を切って終わったということでした。
「借主が外国人だからって、騙そうとしてるんじゃないの?」という言葉に怒った様子だったとか。
まぁ、こういうことってあるんですよね。カフェでフランス語のメニューと日本語のメニューで価格が違ったのを発見したこともあるし。
書類にまつわる面倒
請求書の類が信用できないってことはフランスではよくあります。今のアパルトマンを契約するときに、最初に聞いていた額と不動産手数料が違って、しれーっと値上げされていたり。気づいて指摘したから良かったけれど。
あと、退職する際の有給休暇や退職金がごまかされていたりすることもよくあります。
ただでさえ、フランスは「書類の国」と言われるだけあって、なんでも書類が要求されて面倒な思いをします。子どもの年度始めの手続きや、会社員であっても確定申告の手続きが必要だったり、度々消耗します。滞在許可証を取得するのに書類を揃えるのが面倒で滞在をあきらめるという人も聞きます。
信用できる国、日本
日本ではあまり疑ったことのないことにまで神経を使わないといけないのは疲れる時があります。給料明細や請求書などなど。日本でも騙される話はあります。だけど少なくとも外国人だから分からないだろうと思ってごまかされる機会はないですからね。
とは言っても!Twitterで騙されそうになったことはありましたよ。フォローしてやりとりしてた人の同僚を名乗る方から「同僚が人質になった」と連絡が来て、「ん?これって身代金を払うのに協力してって話になるの?」ってところで騙そうとされていることに気づきました。簡単に書きましたが、2ヶ月くらいかけての工作でした。
こんなことはありましたが、日常生活で疑う労力をあまり使わなくても済むのはとても価値あることだと思います。
得たもの
今週は上記のような手紙が届いたことと。職場のロッカーのコード式の錠前を無意識のうちにいじったらしく、コードが変わって開かなくなってしまい たいへんでした。おかげで2時間も帰るのが遅くなってさんざん!
ですが、こんな中でも「俺にまかせろ!」と言わんばかりに電話してくれた彼の職場の方のやさしさが心に沁みました。それまでは、あまりよい印象を持っていなかったのですが、それが一気に解消!困った時に助けてくれる救世主に変わりました。本当に ありがたいなぁ。
騙されそうになったり、嫌なこともあるフランス暮らしですが、そんな時こそ本当に助けてくれる人は誰なのか、よく見えるようになります。
パリ・シンドローム
「パリ・シンドローム(症候群)」という言葉があります。憧れてパリに来たけれど、カルチャーショックを受けて語学につまづいたり、人間関係を築けなかったりで、落胆してしまう状態をいう精神医学用語だそうです。20年パリにいても、時々こういった凹みそうになる事態に陥ります。大家さんからの手紙を受け取った時は、一気に先行きが不安になって顔から表情が消えてしまいました。
部屋探し自体が、海外暮らしではたいへんです。フランスに保証人がいないという理由で不動産会社で借りるのはかなりハードルが高くなります。
これから海外留学や海外移住を考えている人には、いいことばかりではなく、面倒なことや何か問題が起こることも知ってもらえればと思います。だけどそれ以上に「まぁ、そんなこともあるよね」と受け止めて、なんとかなっていくものだということも感じて欲しいな。
今後、大家さんは別の手で反撃してくるかもしれませんが、ひとまずは落ち着きました。当面は新緑が映える 晴れやかな気持ちで日々を過ごしていけそうです!
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