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ベアルネーズソースをもっともっと
「へー、マクドナルドのニューヴァージョンかあ。」
「バゲットサンドだって?。」
「まあ美味しそうではあるけど。」
友人との会話の中でなにが一番気になったかと言うと、まずは通常大まかには以下の2点であった。
①ハンバーグを挟むパンは特にマクドナルドの場合例のバンズであるが、一度その代わりにバゲットが使用されて売り出されたことがあった。
私はその時は食べ損ねたのでどんな感じか味わいか知らないまま。
何故か周りの友人達もあまり興味を示さなかったようだ。
②中のソースは今回2種類あり、マスタードとベアルネーズソースのどちらかを選ぶようになっていた。
私は普段あまり馴染みのないベアルネーズソースに惹かれた。
でも実際マスタードソースの方が美味しかったかもしれないけど。
ベアルネーズソースとはよくオランデーズソースのようなものと言うが、オランデーズソースにはレモン果汁が加えられており、バターと卵黄に合わせて乳化させたものである。
茹でたアスパラガスにかけたり、特にエッグベネディクトには欠かせないソースである。
対してベアルネーズソースは澄ましバターと卵黄を基本に、エシャロットとワインヴィネガー、エストラゴン、セルフィーユを加えたところに大きな違いが出るのである。
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これらにエシャロット等を合わせると肉や魚の臭みが消され、スマートな味わいになる。ところが最近ではフランスでもあまり見なくなったかも知れない気がする。
そんな中にマクドナルドの今回の提案は少々新鮮味を感じたような気がしたのであった。
また、スーパーマーケットに行った時、マスタードで知られているあの<マイユ社>の製品の中にもあった。
こちらは瓶詰めで販売されていた。
さて、では実際ベアルネーズソースとはどんな味でどんな品を食べるときに使うと良いのだろうか?
また食事中にどんなワインと合わせると良いのか?
そう、私から言わせるとベアルネーズソースは冷たくも温かくも可能で、またその独特の味わいから料理全体を引き立てたり、盛り上げたり、またはつまらなくしたりもする。
よくある組み合わせはローストチキン、ビーフステーキ、エスカルゴの他にサーモンは前菜として冷菜にしたりメイン・ディッシュとして熱々のグリルにしたり…、おお、今すぐにでも食べたいな。
そんな万能なフランス代表選手ソース常連が最近では忘れられつつあるのだから悲しい。
が、マクドナルドの企画担当者がそんな状態に「待った!」をかけたその行動に感謝しなくてはいけない。
アペリティフや、あるいはアミューズにエスカルゴと一緒に。パセリバターの代わりにベアルネーズソースを、そしてフレッシュ白ワインでも、或いはスパークリングワインもよいなあ。別にシャンパーニュでなくても良いのだ。
キールなどでも良いかなあ。
サーモンのムースに小さじ1杯のベアルネーズソースを乗せて、てっぺんにはちぎったセルフィーユをのせるのもお洒落かも。
メインには肉だったらチキンでもビーフでもポークでもソースとしていける。
調理方法はやはりローストして、焼いた際の軽い焦げ目とソースが良い味わいを出して、そこにワインを合わせても楽しめる。
ワインの中に存在する軽い樽香があれば、それもなかなかいけそう。
またメインにサーモンのグリルも良いし、最近ではフランスでも蛸なんかも好んでメインとしてよく食べられるようになった。
いずれにしてもベアルネーズソースはどの食材と合わせても我々をがっかりさせない。
もちろんそれぞれの嗜好というものがあるけれど。
ところで私は良くワインと料理のマリアージュを語るときにテロワールを出すけれど、今回の場合はソースなので多少違ってくる。
そもそもベアルネーズソース発祥の由来とは?
ベアルン(Béarn)地方とはフランス南西部にあるが、調べたところこのソースがここで誕生したエピソードは見つからない。
何故エストラゴンが使われているのかもわからない。
それでも、とある情報源を遡ってみると一つ有力説があるが、それはパリ郊外のサン・ジェルマン・アン・レにあったアンリ4世の館でシェフがエシャロットを煮詰めていたところ思うようなものができなかったところから始まったそうだ。
だがそういった失敗はしばしば思いがけなく新たなものを作り出し、それが美味しかったりするのだ。
そういうわけでベアルネーズソースはこの世に誕生して人々に愛された。
また、作り方も一見シンプルだけど意外に難しそう。食材の使い方もなかなかどうして複雑味を持つ。
やはりフレッシュなエストラゴンがないとそれなりのものは出来ないが、どうしても似たようなものを作ってみたかったら、高級輸入食品スーパーなどでエストラゴンヴィネガーなんてものが手に入ったらこれはもう運命の出会いとしか思えない。
或いは最初の方にちらりと紹介したマイユの(別にマイユのものでなくても良いのだけれど)瓶入りソースをアレンジしたりしても。
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最終的に美味しくて招待客が喜んでくれて自分も嬉しければそれで良いのだ。
これからのパーティシーズンに是非色々とお試しあれ!
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