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娘と水族館へ行ってきました。

妻が不在の週末、7歳の娘と二人きりで過ごすことになった。

普段の家庭の空気を少しでも変えたいと思い、水族館へ行くことにした。
娘は大喜びで、朝から「パパ、早く!」とせかす。

妻のことが頭から離れないまま、娘と出かける支度をして家を出た。

水族館に到着すると、娘は展示された魚に釘付けだった。
水槽の前で「このお魚は何?」と無邪気に尋ねてくる娘に、
僕は少しずつ気持ちが軽くなっていくのを感じた。

娘の小さな手を握りながら、一緒に色とりどりの魚やクラゲを眺めていると、心に澱のように溜まっていた不安が少し和らいでいく。

「パパ、あの魚、おもしろい顔してるね!」

娘の笑顔を見ていると、家庭に問題があるとは思えなくなる。

でもふとした時に、妻の不倫を疑ってしまう自分への後ろめたさを思い出していた。

はしゃぐ娘の姿を見て、今まで自分が仕事や家庭で何を優先してきたのか、答えの出ない問いを繰り返した。

妻の心が遠ざかった原因を、僕はずっと自分の中に探していた。

そんな後ろめたさも、娘の笑顔に救われるような気がして、僕は彼女と手をつないで館内を歩き回った。

大きな水槽の前に来ると、娘が僕の手を強く引っ張った。

「パパ、見て!イルカが泳いでる!」

大きなイルカが水槽の中で軽やかに泳いでいる。
娘の歓声が響き渡る中で、僕は自然と笑顔になっていた。

ここ数日、妻とのぎこちないやり取りや、無理に話題を振る自分の姿を思い出しては、虚しくなる瞬間も多かった。

それでも、この瞬間だけは、娘と一緒にいることが幸せに感じられた。

その後、館内のカフェで娘と一緒にアイスクリームを食べた。

娘が「ママにもお土産買ってあげようよ」と提案した時、僕の胸にじんとした感情が広がった。

娘の無邪気な言葉に、自分が忘れかけていた家族の大切さが思い出される。

妻との関係がどうであれ、娘の目には、僕らはまだ「家族」なんだと実感した。

帰り道、娘は疲れて僕の腕の中で眠りについた。
小さな体を抱きしめながら、今この瞬間だけでも、娘と過ごす時間を純粋に楽しめたことが嬉しかった。

妻に対する不安や疑念はまだ消えないけれど、娘が僕にとって大切な存在であり、彼女のためにも、これからもずっと、3人の家族でありたいと改めて思った。

駅から家までの道は、随分冷たい風が吹いていた。
今できることは、この手の中にある娘をしっかり守り、彼女の成長を見守ることだと自分に言い聞かせた。

家に帰ると、妻がすでに帰宅していて、晩御飯を作っていた。

僕らは相変わらずぎこちなかったが、眠る娘が水族館ではしゃいでいた様子を話してみた。

娘はそのまま寝てしまった。
この様子だと明日の朝まで起きないだろう。

明日の朝、ママに向かって水族館でのことを話す姿を想像しながら、僕はほんの少しだけ心が軽くなっていた。

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