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SDGsと弁護士

 おはようございます。弁護士の檜山洋子です。

 毎日noteに投稿し続けて、先日500日を迎えました。
 これまで労務問題を中心として書いてきましたが、今後はSDGsや会社法についても時々書いてみようと思います。

弁護士とSDGs

 大阪弁護士会もSDGsへの取組みを進めており、昨年、弁護士がどういう形でSDGs普及に関与できるかを検討するチームが結成されました。
 私は、そのチームのリーダーを拝命し、素晴らしいチームメンバーの力を借りてぼちぼちと検討を進めています。

 今から16、17年ほど前に、当時神戸大学MBAコースでCSRを学んでいたことをきっかけに、奈良の企業の集まりでCSRについて講演をして欲しいと呼ばれたことがありました。
 しかし、当時日本ではまだ、SDGsもCSRも言葉としても知られていませんでした。
 特に奈良には何百年と続く老舗もあり、そういう老舗の経営精神にはCSRは当然のこととして染みこんでいるので、「今さらCSRなんていうアルファベットを並べられても・・・」という反応でした。

 弁護士会も実は最初は、なんで弁護士がSDGs?という意識があったそうです。しかし、よくよく考えると弁護士は人権擁護のために日々活動をしているではないか、我々の活動そのものがSDGsではないのか?あれ?憲法ってSDGsじゃん、ってなって、もっと積極的に我々の活動をアピールすると共に、世にSDGsを広めていく責任があるのではないか、ということで検討チームが結成されたのだそうです(私は結成後に呼ばれたので、設立経緯は伝聞です)。

SDGsとは

 そもそもSDGsとは、Sustainable Development Goalsの頭文字をとったものです。
 産業革命後、環境や人権に配慮することなく、どんどん経済を発展させてきたツケを取り戻して、地球の寿命を延ばそうという感じかな?
 そのための目標を17こ設定して、全世界が協力して2030年までに達成しようという取組みです。

 17の目標は、以下のとおりで、身近な目標から世界の目標へと広がっています。

1 貧困をなくそう (No Poverty)
 「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」
2 飢餓をゼロに (Zero Hunger)
 「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」
3  すべての人に健康と福祉を (Good Health and Well-Being)
「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」4 質の高い教育をみんなに (Quality Education)
「すべての人々へ包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」
5 ジェンダー平等を実現しよう (Gender Equality)
「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」
6 安全な水とトイレを世界中に (Clean Water and Sanitation)
「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」
7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに (Affordable and Clean Energy)
「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」
8 働きがいも経済成長も (Decent Work and Economic Growth)
「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する」
9 産業と技術革新の基盤をつくろう (Industry, Innovation and Infrastructure)
「強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び技術革新の推進を図る」
10 人や国の不平等をなくそう (Reduced Inequalities)
「各国内及び各国間の不平等を是正する」
11 住み続けられるまちづくりを (Sustainable Cities and Communities)
「包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する」
12 つくる責任 つかう責任 (Responsible Consumption and Production)
「持続可能な生産消費形態を確保する」
13 気候変動に具体的な対策を (Climate Action)
「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」[注釈 1]
14 海の豊かさを守ろう (Life Below Water)
「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」
15 陸の豊かさも守ろう (Life on Land)
「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」
16 平和と公正をすべての人に (Peace, Justice and Strong Institutions)
「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」
17 パートナーシップで目標を達成しよう (Partnerships for the Goals)
「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」

 そして、これらの目標の根底にあるのが、人権の尊重です。

 弁護士会には、様々な委員会がありますが、各委員会はそれぞれのテーマに沿った奥深い活動をしています。
 そして、その活動の1つ1つが、SDGsの目標のどれかに関わっています。

 我々弁護士こそが、SDGsを達成する社会的義務を負っていることを改めて自覚し、活動の輪を広げていきたいと思います。

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