【ぼちぼち往復書簡】あの時私はあざとかった From ようこ
すみちゃん、前回の本のお手紙ありがとう!
『宇宙人の流儀』と『タンゴの真実』にぷっと吹き出しちゃった。図書館の予約システムもびっくりな、すみちゃんならではの組み合わせだね。開いた本に落ちていた花びらの写真、とてもきれいだった!
さて、今朝は大好きな『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』というPodcastを聞きながら、なぜかふと、「あざとさ」について考えていたの。
「あざとい」とネットの辞書でひくとこんな感じ。
1 やり方があくどい。ずうずうしく抜け目がない。「―・い商法」2 小利口である。思慮が浅い。あさはかだ。「考え方が―・い」
ふむふむ、なるほど。「あざとい、あざとさ」って昔はそんなに頻出する言葉じゃなかったと思うんだけど、どうかな。最近はドラマのタイトルになったり、セリフに出てきたりとよく聞く言葉になったよね。
私が「あの時、私はあざとかった!」と思うのは小学生の頃。約6年間ずーっと片思いしていた男の子がいたのね。
あれは、バレンタイン間近の家庭科のクラス。班に分かれてクッキーを作るという授業だったと思う。ラッキーなことにその男の子と同じ班になった私は、なんと何食わぬ顔で彼のクッキー型を”間違って”持って帰ってしまうという暴挙に出たのです。(←良い子は真似してはいけません!)
それは「間違って〇〇君のクッキー型を持って帰っちゃった!届けに行ってもいい?」ということを口実に一緒にバレンタインのチョコを渡そうというあざとい作戦なのでした。
今みたいにもちろん携帯も無かった時代だったから、確か親に見つからないよう、公衆電話からその子の自宅へドキドキしながら電話。なんとか持っていけることになって、ピンポンを押したら玄関のドアを開けたのはその子のお母さん。
今思えば、バレバレだったよなぁと赤面しちゃうんだけど。しどろもどろになりながらも、なんとか無事にチョコを渡すミッションをクリア。結局、その子とどうこうなったわけでもないのだけれどね。小学生だからそりゃそうか。
当時のそのお母さんは今の私よりも若かったはずで、なんだかしみじみ不思議だわ。
あれから数十年たった今では、そんなあざとい作戦をくりだすこともなくなりました。恋に恋していた小学生の頃の自分と、もし今の自分として話せたらちょっと面白そう。
今日の東京は暑くなりそうだよ。日傘を持って打合せに行ってくるね!良い一日を。またね。
ようこ