行政運営の基本方針(素案)を公表!(行イノ#1)
8月30日に公表した「行政運営の基本方針」(素案)を紹介します。
※行政運営の基本方針は2023(令和5)年1月20日に確定版を公表しました。
行政運営の基本方針とは
現在、横浜市役所は次のような大きな変化の中にあります。
今後、生産年齢人口の減少に伴い、市税収入も減少することが見込まれる
中、高齢化がますます進むことで、福祉に関する事業費が増加していきます。また、道路などのインフラ施設や学校、市営住宅など市民のみなさん
が利用されている施設の老朽化対策を行っていかなければなりません。
将来的には、必要最低限の行政サービスでさえも提供できない状態となる
恐れがあります。
大規模な自然災害や新型コロナウイルス感染症など、市民のみなさんの安全・安心を脅かす課題、多様化・複雑化している地域課題など行政での対応が求められるニーズに対し、市民目線でスピード感を持って対応する必要があります。
こうした社会や時代の変化に対応し、市民のみなさんのニーズに応えていくために、わたしたち職員一人ひとりが「これまでどおりにやっていては行政運営が立ち行かなくなる」ということをしっかり認識していかなければな
りません。
行政運営の基本方針では、横浜市役所と市職員が今後10年程度のなかで、
「どのような考え方で、何に重点をおき、どういった姿勢で取り組むか」を
示しています。
行政運営の基本方針で示していること
基本方針の主な構成は、「横浜市役所と市職員が目指すこれからの行政
運営」「行政運営の基本方針における3つの重点」「基本方針を進めていく
うえでの基本姿勢である3つの視点」となっています。
では、それぞれ紹介していきます。
横浜市役所と市職員が目指す、これからの行政運営
横浜市役所と市職員が目指す、10年程度先の行政運営の状態です。
〇基礎自治体として、ゆるぎない理念を実践する信頼ある行政運営
・市民目線とスピード感をもって行動している
・あらゆる施策で、SDGsを重視している
・協働・共創のマインドをもっている
・市政情報をわかりやすく発信、積極的に見える化している
〇持続的な市政に向け、3つの市政方針「財政ビジョン」「中期計画」「行政運営の基本方針」を重視した責任ある行政運営
・子どもたちや将来の市民に過度な負担を負わせていない
・新しい手法や仕組みの採用、柔軟な組織体制により、効果的・効率的に運営している
・庁内に3方針が浸透し、各部署で方針に沿って組織運営している
基本方針における3つの重点
「信頼ある行政運営」「責任ある行政運営」のために、特に重点をおいて取り組む3つの項目と、その考え方です。
重点1 組織の最適化と職員の能力・役割発揮の最大化
・DXなどを積極的に進め、市民のみなさんや社会からの要請にすばやく対応できる組織体制を構築
・職員が自身の能力や役割を存分に発揮して、市政課題や業務に取り組んでいけるよう、人事や評価の仕組みをアップデート
・職員の創造性や効率性の向上、行政サービス提供主体の検討などを基本に、職員定数を適切に管理することなどから総人件費を抑制
・能力と意欲のあるベテラン職員の活躍の場を確保するとともに、保有する知識、技術、経験を次の世代に継承
重点2 行政サービスの最適化 ~事業手法の創造・転換~
・ヒトやお金といった限られた経営資源を、不断の業務改善、DXや公民連携の実践により効果的・効率的に活用
・政策−施策−事業を体系化し、階層ごとの評価の仕組みを構築。目標や効果などを検証し、施策や事業の優先付けを行っていくことで、体系をスリム化し、政策の実効性をアップ
・行政サービスの企画・設計、実行、検証などの各プロセスにおいて、データを活用
・DX等の推進により、市民・事業者のみなさんの利便性・満足度を高め、同時に、事務の効率化やコストの適正化を推進
・歳入の約4割を占める税収をさらに増やしたり、あるいは新たな財源を確保し、行政サービスを最適なかたちで持続的に提供
・公共施設の規模・数量、質、保全更新コストなどは将来見込まれる人口や財政の規模に見合った水準に転換
・仕事の進め方や手法の見直しにより、職員一人ひとりの生産性を高め、行政サービスを最適化。新しい発想や取組のチャレンジで課題を解決し市民満足度を向上
重点3 住民自治の充実と協働・共創による地域の更なる活性化
・より効率的・効果的な行政運営や積極的な政策展開をできるようにするため、国以外の業務を横浜市がすべて担える制度である「特別市」制度の創設を推進
・「特別市」制度の創設に向け、区長権限や区予算の充実、住民参画の仕組みの構築など区行政のより一層の見直し・強化
・現行の地方自治制度のなかでも、市民サービスの向上につながる事務については、神奈川県の事務・権限・税財源の横浜市への移譲を協議し、実現に向けて推進
・地域の課題解決や魅力づくりに向けて、協働の取組を推進。取組にあたっては、地域にとって一番身近な区役所が中心となり支援
・自治会町内会やNPO法人など地域活動に担い手の育成、確保を重視
・地域課題の解決や地域経済の活性化につなげるため、共創をより一層推進
基本方針を進めるうえでの基本姿勢である3つの視点
横浜市役所・市職員は次の3つを基本姿勢に、行政運営の基本方針に掲げた考え方に沿って、具体的な取組を進めていきます。
その前提として、「財政ビジョン」「中期計画」「行政運営の基本方針」の3つ市政方針を重視するとしています。これは、「横浜市役所と市職員が
目指す、これからの行政運営」のところで触れたとおりです。
視点1 職員の意識改革
・行政を変えていくのは、一人ひとりの職員であるとの認識のもと、市民目線、スピード感、全体最適を重視し、自分事として取り組むことが必要
・DX・データの活用、公民連携を念頭に、新たな発想や取組に挑戦
・データに基づき、事業の効率化・スリム化やコストの適正化を推進
・職員一人ひとりが専門性を高めて、行政課題の解決に取り組むとともに取組にあたっては縦割りの課題解決でなく全体最適を目指し、全体を把握し調整する力を養成
・業務の効率化に取り組み、生産性向上を図るとともに、ワークライフバランスや多様で柔軟な働き方を推進
・区局長などの経営責任職は、自ら意識改革を図り、マネジメントすることで、全職員の意識、思考、行動を変革
視点2 DX・データ活用
・あらゆる事務事業でデジタル化を前提に議論・検討。市民のみなさんや職員が費やす時間を減らし、行政サービスの向上・改善、業務の効率性の向上、コストの適正化を推進
・今あるサービスをそのままデジタル化するのではなく、徹底した市民目線でサービス・仕組みをデザイン(設計)
・場所を選ばないワークスタイルの実現、より一層のペーパレス化やオフィス改革を推進
・データを活用して現状を明らかに、市民のみなさんとの共有につなげていく見える化や、データを重視した政策形成を実施
視点3 公民連携
・地域・企業など多様な主体と連携し、各主体がもつ技術やノウハウなどを最大限発揮していただきながら、地域課題を解決
・民間事業者との対話から新たな価値を創出し社会課題を解決する共創の積極的な実戦
・公民連携によるオープンイノベーションの推進により、民間同士の連携へと波及するなど好循環を形成
行政運営の基本方針に基づく信頼と責任ある行政運営
今後10年程度を見据えた基本方針に基づいて、信頼と責任ある行政運営
を進めていくために、「中期計画2022~2025」(現在は素案※2023年1月20日確定版公表)の行政運営編の中に、基本方針で示した方向性を踏まえた具体的な4年間の目標、指標、
主な取組を掲載しました。いずれの取組もしっかり実行していきます!