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〔エッセイ〕 薔薇は好きですか

近所に見事な薔薇の庭がある。

小ぶりなピンクの薔薇で作られたアーチ

白薔薇は控えめに数本だけなのだが存在感がすごい。

大ぶりの黄色の薔薇に圧倒される。


今は大好きな薔薇の花を、嫌いな時期が数年あった。

そうなったきっかけは小学4年の時にある。

クラスメートにツン!として自慢話が大好きな女の子がいた。

名前は確かリカだったと記憶しているが自信はない(齢だし)


たまたま私とリカは同じ髪型だった。

長い髪を2つに分けて結ぶ、それだけの髪型。


私はそれで完成なのだが、リカはリボンを付ける。

毎日違うリボンを。

そして優越感たっぷりの顔で私を見るのである。

毎朝毎朝あきもせず。

(チキショーby小梅太夫)


この頃の私は少女マンガに夢中だったのも薔薇が嫌いになった原因の1つだと思う。

地味で大人しい主人公に対して、たいていお金持ちで女王様気質の意地悪な女の子が登場するストーリーが多かった。

そして意地悪な女の子が登場する場面ではバックがたいてい薔薇の花だった。

oh!gorgeous、beautiful、I Loveyou


そこへ現実世界では“リカ”である。

別にリカが薔薇の花を背負って登校して来るわけはないのだが、私には見えていたのかもしれない。

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(それって危ないんじゃない? by金魚)


この2つが相まって、薔薇の花=意地悪で人を見下す嫌な女の子。

と、このような図式が作られたのだと推測される。

脳内でこのイメージは長く居座っていた。


そしてこの頃の私は『星の王子さま』という童話にとても感動していた。

この物語の中でも薔薇の花が王子さまに

わがままばかりを云うのである。

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正に負の連鎖

(違うかもしれない)


その後、王子さまの薔薇の花も寂しかったんだと理解できてからは好きになった。


私はといえば小学生という若さで好きな花は、リンドウに桔梗、梅雨草、蓮華草、白爪草。

  地味……

向日葵も好きなのが救いのような気がした。


小学校を卒業後、いつの間にやら薔薇って綺麗だなぁと感じるようになっていた。

そして今ではかなりの薔薇好きになっている。

生きている間に一度でいい、薔薇の花束を男性からプレゼントされてみたい。


そう望んでいるのに花束を贈られている自分がイメージ出来ない。

思考が現実化するというからには先ずは

無理矢理にでも脳にイメージを植え付けたい。

暑さで溶けかかっている私の脳に、

頑張って貰いたいと真剣に思っている。


       了













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