ぷかぷか 28 紗希 2024年12月18日 01:33 生まれたままの姿で、水中で過ごす。肺が強いのか、たぶん平均より長く息を止めてられる。脚を上下に、ゆっくり動かすだけで、前へと進むこの感じが、たまらなく好きだ。上向きになり、動きを止めて、海に身を任せてみる。太陽の光で海中が、まるでオーロラのように見える。ゆらゆらと。ただゆらゆらと。息が続く間は、こうしていたい。私が望んでいるものは、いったい何なのか。ずっと答えを探し続けてた。オーロラが、形を変えながら、揺れている。そんな風に私の望みも、形を変えていたのかもしれないし、はなから無かったのかもしれない。望みが叶ったら、きっと嬉しいだろう。叶わなくても、幸せだろう。変貌するものに、答えを探す。それは無理なことなのだと、少しだけ学べた気がした。オーロラの色が変わって来た。生きている限り、服を纏わなければならない。面倒なことだ。そろそろ、陸に上がる時。シェルターから私のところへ来た猫の好きな、ササミを買って帰ろう。明日には新しい夢が生まれているかもしれないし、何も無い日かもしれない。けれど私が幸せなことには、変わりはない。 了 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #猫 #幸せ #詩のようなもの #裸 #海中 #漂う 28