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ゴンドラ猫の悲劇:受け身で生きると人生が詰む

人間社会において「努力は報われる」とか「やればできる」とか言うのは大体、成功者側の戯言である。努力したって報われないし、むしろ頑張るほど「お前、調子乗るなよ?」みたいな空気が発生することも多い。なぜかって?

それは「ゴンドラ猫の実験」が教えてくれる。

ゴンドラに乗る猫 vs. 乗せられる猫

1963年、Held & Hein という研究者たちが子猫を使って心理学実験を行った。これが後に「ゴンドラ猫の実験」として有名になる。

実験内容はこうだ。

生後間もない子猫2匹を装置に入れて、1匹は自由に歩けるようにし、もう1匹はゴンドラに入れて受動的にしか動けないようにする

つまり、

  • 歩く猫 → 自分で歩くことで、環境を直接体験できる。

  • 乗る猫 → ゴンドラで移動するが、自分では歩かない。

結果、歩く猫はちゃんとした視覚と運動の認識を発達させたのに対し、乗る猫は段差を認識できず、物にぶつかり、しまいには自分の手すら目で追えなくなった。

ああ、悲劇のゴンドラ猫よ……。

受動的な人生を歩むと、見えているのに見えていない

この実験の何が衝撃かって、パッシブな猫は視覚的な情報を「見ていた」はずなのに、それがまったく脳に定着していなかったことだ。自分で動かない限り、経験にならない。

人間社会にも同じことが言える。

例えば、

  • 参考書だけ読んで満足する受験生 → 試験では解けない。

  • ビジネス書を読み漁るだけの起業家志望 → 何も始めない。

  • 「英語は聞き流すだけ!」に期待する人 → 全然話せない。

結局、「見る」だけではダメで、「自分で動く」ことが学びに必要なのだ。

……って、そんなこと、猫じゃなくても知ってたよ!と言いたくなるが、学者たちが実際に猫を使って証明したのだから、「ほらね、科学的にもそうらしいよ」とドヤ顔で語れるのはありがたい。

そして私はゴンドラ猫だった

ここで私の人生を振り返ると、どう考えてもパッシブ猫寄りの時期が長かった。

例えば、

  • 「資格さえ取れば安泰!」と信じて試験勉強ばかりした時期 → 実務経験なしでは使いものにならなかった。

  • 「SNSで成功するには分析が大事」と思って投稿しないで研究ばかりした時期 → 当然フォロワー増えない。

  • 「ハワイ移住に憧れる!」と言いながら札幌の居酒屋で愚痴るだけだった時期 → 当然、ハワイには住めていない。

やはり、動かないとダメなのだ。

ゴンドラ猫から脱出せよ!

じゃあ、どうすれば私たちは「パッシブ猫」から「アクティブ猫」になれるのか?

答えは単純。

とりあえず動け。考えるな。

  • ブログを始めるなら、最初の100記事はクオリティを気にせず投稿。

  • 英語を学ぶなら、まずはネイティブに適当なメッセージを送る。

  • ハワイに移住したいなら、まずは住みたい街に1週間滞在する。

動いて、転んで、痛い思いをすること。それが「見る」だけでは得られない学びを生むのだ。

余談:この実験、猫にとっては理不尽すぎないか?

ここまで大真面目に実験結果について語ってきたが、一つ言いたいことがある。

猫、かわいそうじゃね?

別に「歩きたいのに歩かせてもらえなかった猫」じゃないか。いや、もちろん心理学の発展に貢献した偉大な猫ではあるが、それにしたって、パッシブな猫の方は、

「おれ、生まれてからずっと動いてるつもりだったのに、なんか人生詰んでたらしい……?」

みたいな顔をしていたのではないかと思う。しないか。猫だし。

まとめ:猫から学べ

「ゴンドラ猫の実験」は、受動的に生きているだけでは、どれだけ情報を見ていても経験にはならない ということを教えてくれた。

人生において、「ゴンドラに乗せられているだけ」では何も得られない。自分で動き、自分で経験し、自分で失敗しないと、何も身につかないのだ。

さあ、読者の皆さん。今日から「ゴンドラ猫」にならず、自分の足で歩く「アクティブ猫」になろうではないか!

……とか言いながら、私は今日もネットで「人生変わる名言100選」とかを眺めているのであった。

*多分、「ゴンドラ猫の実験」の本質はこういうことじゃないと思うんだけど、なんか自分ごととして考えてたら、こうなった。えへ。


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