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年間計画は人生の宝探し?迷子になりながら見つけた“志”という羅針盤
「年間計画を立てる」と聞いて、何を思い浮かべるだろう?一部の人にはワクワクする響きかもしれないし、私のようなズボラ勢には「なんだか重そう」と感じる響きでもある。だが実際にやってみると、計画を立てるプロセスは、人生の宝探しのようなもので、迷いながらも“志”という羅針盤を見つけるきっかけになる。そんな体験談を、ユーモアと皮肉を交えつつお届けしたい。
小3の赤い手帳が私を変えた日
小学3年生の春、担任の先生がクラス全員に手帳を配ってくれたんです。男子は黒、女子は赤。これがまぁ、当時の私には「えっ、赤い手帳って何このオシャレアイテム!?」って大興奮。もう手帳という響きだけで大人になった気分ですよ。サイズ感は、今でいうモレスキンのポケットサイズみたいな、手のひらにしっくりくる感じ。
先生は「自由に好きに使いなさい」と言ったけど、そんなこと言われたら余計ワクワクするじゃないですか!私は翌日の持ち物リストとか、クラスのお楽しみ会で発表する寸劇のセリフとか、とにかく色々書きまくりました。内容なんて適当で良かったんです。「書く」という行為そのものが楽しかったんですよ。なんというか、手帳にペンを走らせていると、自分が何だかすごい人になったような気がして。
これがね、ただの文房具じゃないんです。この赤い手帳が、私の「書くこと好きスイッチ」を押したと言っても過言ではない。あの時に芽生えた「とりあえず書いてみる」精神が、今の私を作っているんだなぁと思います。文房具好きのルーツは間違いなくここにありますね。
大人になった今でも、あの赤い手帳を思い出すと胸がキュンとします。「手帳を渡して自由に使いなさい」なんて、なかなかできる先生じゃないですよね。感謝しかないです。いやもう、タイムマシンがあればあの先生に「ありがとうございました!」って言いに行きたいくらい。ついでにその赤い手帳も、また欲しいなぁ。どこかで売ってないかな?と言いつつ、モレスキンポケットサイズを愛用しています。2025年は赤の表紙だよ!
ほぼ日手帳が支配する15年の教員生活
教員時代の私、ほぼ日手帳カズン(4月始まり)を愛用してました。もうこれがなきゃ生きていけない!ってくらいの相棒。1日1ページのフォーマットに、その日の確定時間割を書き込んで、「よし、今日も頑張るぞ!」って朝から謎の気合を入れてました。すでにスマホは存在してたけど、スケジュール管理といえば完全にアナログ派。ペンと紙がすべてだったんです。
で、これを15年も続けたわけですけど、今振り返ると手帳には単なる予定表以上のものが詰まってたんですよね。確かに、仕事の記録としても優秀。でも、それ以上に「私の人生、予定に支配されてない?」って気づかせてくれる存在でもありました。毎日びっしり埋まったページを眺めるたびに、なんだか胸がギュッとするような、そんな感覚があったんです。
思えば、手帳って計画の重要性も教えてくれるけど、同時に「計画の怖さ」も叩き込んでくれる道具なんですよね。びっしり詰め込むのは簡単だけど、それに追われるのがどれだけ大変か。手帳が教えてくれたこの教訓は、今でも私の中で生きています。
それでも、ほぼ日手帳には感謝してるんです。あれがあったからこそ、教員生活を乗り切れた部分もあるし、自分の「書くことへの執着心」も鍛えられたんだと思います。けど、もしもう一度15年間この手帳でやれって言われたら…たぶん全力で逃げますね(笑)。っていうか、手帳はいいけど、教員が嫌。時に管理職時代……モゴモゴ。
迷子の年間計画:真っ白なExcelが心に刺さる
2023年の4月、ついに「My手帳倶楽部(以下MTC)」というオンラインサロンに入会しました。これ、教員時代からずっと気になってたんですけど、なぜか二の足を踏んでたんですよね。でも、教員を退職したのをきっかけに、「もうやるしかない!」と勢いでポチッと。で、ここで出会ったのが“年間計画”なる高尚な概念。聞いたことはあったけど、自分の人生に取り入れる日が来るなんて思ってもいなかったんです。
そして迎えた2024年12月に開催されたMTCの計画合宿(オンライン2日間)。これがもう、壮絶な「年間計画迷子」体験。参加者が「今年はこれを成し遂げる!」ってキラキラ目を輝かせて語る横で、私はExcelのシートを開いて固まってました。真っ白なセルがじわじわとプレッシャーになってきて、なんだか目に刺さるんですよね。いや、どうしろって言うのさ…。
何が問題だったかって、10年先のビジョンが全然浮かばなかったこと。「夢を描いてみましょう」って言われても、「夢?え、そんなこと急に言われても…」って感じ。唯一浮かんだのは、「冬にハワイで暮らす」。理由はシンプル、雪かきが嫌だから(道産子あるある)。でも、それを年間目標に書いてどうするの?って冷静になってしまう。「で?」っていうツッコミしか出てこない。
こうして、年間計画は真っ白なまま終了。迷子のままExcelを閉じた私は、「そもそも夢とかビジョンって何なんだろう?」と深い悩みにハマっていくのでした…。
ガストで降りた“志”という名の羅針盤
2024年の初夏、札幌のガストでMTC仲間と手帳タイムをしていました。手帳好き同士が集まると、もう手帳の話題で止まらない。新しいペンがどうだとか、フォーマットはどれが使いやすいとか、話は尽きないわけです。で、そんな感じで「あーでもない、こーでもない」と盛り上がっている最中、ふと私の頭に降りてきたんです。「志」って言葉が。
「志」と書いて「こころざし」。これがもう、ズドンと心に刺さる感じで。「これだ!」と膝を打つどころか、思わずテーブルの下でガッツポーズをしたくらい。いや、今まで全然ピンとこなかったけど、この言葉が私の迷える年間計画に光を当ててくれたんです。
元教員、つまり元公務員の私にとって「志」という言葉は、特別な響きを持っていました。公務員って「誰かのために」生きる仕事じゃないですか。その延長線上で、「自分のためだけじゃなく、他者のために何ができるか」を考えるのが性に合ってるんですよね。
これを手帳の計画に組み込んだ途端、今までバラバラだった点がつながって、一本の線になり始めた感じがしました。私にとって「志」は羅針盤なんだ、と。その瞬間から、ちょっとだけ自分の年間計画が前に進んだ気がしたんです。
それにしても、気づきを得た場所が札幌のガストってところが私らしいというか…(笑)。でも、あのガストでの手帳タイムがなかったら、今も私は迷子のままだったかもしれない。ありがとう、ガスト。そしてありがとう、志!
価値観迷子:自分を探し続けた2024年の夏
「志」や「夢」というキーワードに出会ったものの、すぐに年間計画に反映されたかというと、そんな甘い話ではない。2024年の初夏までは、手帳に「志!」とか「夢!」とか意気揚々と書いては、次の日には「いや、これ違うかも…」と消す。で、また書いては消す。手帳がすっかり黒歴史ノートと化していました。
理由は明らか。私自身の価値観がまだモヤモヤで不明瞭だったから。いや、自分のことがわからないって、こんなに苦しいものだったんですね。ライフスタイルコーチとして、クライアントには「価値観を明確にしましょう!」なんてドヤ顔でアドバイスしてる自分が、このザマですよ(笑)。ほんと、「医者の不養生」ならぬ「コーチの価値観迷子」です。
思えば、自分の価値観って簡単に見つかるものじゃないんですよね。誰かに「あなたの大切にしていることは何?」って聞かれて、即答できる人なんて少数派だと思う。私の場合、「志」や「夢」という大義名分があっても、それを手帳に落とし込むには相当な時間と葛藤が必要でした。
でも、この「迷子期間」がなかったら、今の私もいなかったわけで。手帳を黒歴史にしてでも書いては消し、また書いては消し…その繰り返しこそが、私の価値観を見つける旅だったんだと思います。いや、当時は「なんで私はこんなに書けないの!?」と泣きたくなったけど、今となってはその迷子っぷりも愛おしいものです。
価値観と志が織りなす未来地図
そして気づけば2024年も12月。ついこの間まで「年間計画迷子」を名乗っていた私のExcelは、ようやく空白が埋まりつつあります。ええ、真っ白だったセルにちょっとずつ色がついてきたんです。ここまで来るのに、MTCの手帳コーチ養成講座やその再受講を経て、自己内省を深めまくった結果、「価値観」と「志」という2つの大事な軸が見えてきました。
私の場合、「価値観って何?」と問われると最初は答えられなかったんです。でも、手帳を使いながら自分の行動や思考を振り返る中で、「あ、これが私の大事にしてることなんだ!」と徐々に気づいていくプロセスがありました。例えば「誰かのために」という考え方が、私の中で大きな役割を持っていること。それが「志」という言葉に自然と結びついてきたんですね。
今では、年間計画を立てる作業が「ただのリスト作り」から「自分自身の未来地図を描く」作業に変わりました。こうなると手帳タイムが楽しいのなんの!以前は「やらなきゃ」と義務感に追われていましたが、今では「これを書くことで未来が少しずつ形になっていく」という実感があるんです。
とはいえ、最初からスムーズに行ったわけではありません。「価値観を見つける」とか「志を明確にする」とか、ちょっとカッコいい響きですが、実際には書いては消し、書いては消しの繰り返し。それでも粘り強く続けたことで、自分の計画に説得力が生まれました。
来年の計画に迷っている皆さん、自分の「志」に耳を傾けてみてください。志は、ただの目標とは違い、心の深い部分から湧き出るもの。それを見つけたとき、あなたの計画はきっとリストから「未来地図」に変わります。そしてその地図は、きっとあなたをどこか素晴らしい場所へ導いてくれるはずです!