Yoko Y. F.

医薬翻訳者(スペイン語・英語→日本語)+医薬分野の文字起こしリライター。大阪在住。

Yoko Y. F.

医薬翻訳者(スペイン語・英語→日本語)+医薬分野の文字起こしリライター。大阪在住。

最近の記事

Netflixで口語を学ぶ

最近見始めた「El rey」(ビセンテ・フェルナンデスの生涯を描いていて、全36話というなかなか壮大なドラマ)。なぜか日本語字幕がなくて英語とスペイン語のみ。ということでスペイン語字幕を見ながらメキシコ弁と格闘しております。ドラマは時系列どおりに進まず、子ども時代と青年時代を行ったり来たり。最初はやや混乱したものの、慣れてきたら飽きずに見られて意外とよいかも。 さて、今回気になったのは主人公の父親が妻に対して「vieja」と呼びかけていたこと。酔っ払って怒鳴りながら「vie

    • 文字起こし中の脳内BGM

      基本的に仕事中のBGMはなし派なのですが、翻訳の場合には、あまりにも眠いときとか、目覚まし用に何か聞きながら仕事することも。さすがに文字起こしの場合は仕事の妨げにしかならないので、音楽をかけてとはなりませんが、作業しながら勝手に脳内でBGMが流れてくることが(笑)。 たとえば、ドクターたちが治療法や新薬について熱い議論を戦わせているときには「プロジェクトX」とか、外科医が自らの手技映像を流しながら医療機器について解説しているときには「プロフェッショナル 仕事の流儀」とか。医

      • バスク語を楽しめるIntimidad en Netflix

        ネトフリで配信中の『インティミダ』、主演が『ペーパーハウス』でラケルを演じていたItziar Ituñoさんということで楽しみにしていました。正直、ストーリーはいまいちでしたが、ビルバオが舞台ということで、会話の所々にバスク語が混ざっているのがツボでした。 全編バスク語ではなく、あいさつや単語レベルでバスク語が出てくるのが、『バスク語のしくみ』をさらっと読んだだけのバスク語超超初心者にはぴったり。たとえば警察官の制服に「POLICIA」ではなく「ERTZAINTZA」と書い

        • 今度はバスク語

          スペイン語案件でカタルーニャ語が併記されている文書はよくありますが、先日受けた案件はバスク語併記。あ、逆だな。メインはカタルーニャ語やバスク語で、それにスペイン語が併記されている形。今回の案件にはすべてスペイン語が併記されていたので、別にバスク語がわからなくても問題はないのですが、バスク語の人名など、固有名詞を片仮名書きにする必要がありました。ってことで、バスク語の発音を確認するため、「バスク語のしくみ」か「ニューエクスプレスプラス バスク語」のどちらかを購入することに。とり

        Netflixで口語を学ぶ

          厄介な略語(文字起こし編)

          翻訳の仕事だけしていたときは、略語の読み方をあまり気にすることはありませんでした。NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を「エヌセッズ」ではなく「エヌエス…」と読んだとしても、意味さえわかれば支障ないので。ところが文字起こしだとそうもいきません。私が請け負っている案件は、話し手も聞き手も医療や医薬品の専門家がほとんどなので、皆さん容赦なく略語をバンバン使われるわけです。 たとえば学会名だとアスコ(ASCO:米国臨床腫瘍学会)、エスモ(ESMO:欧州臨床腫瘍学会)あたりはまあ

          厄介な略語(文字起こし編)

          厄介な略語(スペイン語編)

          医薬文書の中でも特に、診断書を翻訳しているとかなりの頻度で略語に遭遇します。厄介なのは、スペイン語の略語と英語の略語が混ざっていること。 たとえば今やすっかり有名になったPCR(Polymerase Chain Reaction)検査。スペイン語だとReacción en Cadena de la PolimerasaなのでRCPになるかと思いきや、英語の略語PCRを使っているケースが多いよう。ところが臨床検査によく出てくるC反応性タンパク(C-reactive prote

          厄介な略語(スペイン語編)

          辞書に載っていないスペイン語

          比較的収録語数が多くて、オンラインやアプリでも利用しやすい辞書といえば、小学館の西和中辞典(収録語数8万)。これより上位のものといえば白水社のスペイン語大辞典(27,500円)で、収録語数は11万。英和辞典だとジーニアス英和辞典(3,850円)やプログレッシブ英和中辞典(3,850円)の収録語数がだいたいそのくらい。語数だけみると、大辞典とはいっても英語の中辞典ぐらいの感覚です。なので、スペイン語の文書を翻訳していて西和辞典に載っていない単語が出てくる頻度が、英語よりもはるか

          辞書に載っていないスペイン語

          マヤ文字は楽しい

          アイコンに使っている謎のイラスト、これ実はマヤ文字です。メキシコでマヤ文明期に使われていた文字で「ようこ」と書いてあります。BIZEN中南米美術館さんによる「古代マヤ文字ドネーション」を利用して、デザインしていただきました。ドネーションはまだまだ募集中なので、興味のある方はぜひ~。 ちなみに自分でマヤ文字を書いてみたければ、「マヤ文字を書いてみよう 読んでみよう」というズバリな本があります。これで家族の名前を書いたりして遊んでいます。マヤ文字は結構自由度が高いので、別バージ

          マヤ文字は楽しい

          3足から2足のわらじへ

          ここ2年ほど3足のわらじを履いていたのですが、(日本語の)メディカル校正・校閲者というわらじを脱いで、医薬専門の翻訳者(英日・西日)+文字起こしリライター(日本語)という2足のわらじに収まりました。 理由はいろいろありますが、一番大きいのはスケジュール管理の難しさ。あと、もう一つの副業である文字起こしと比べて、校正案件を受注したときになんか自分のテンションが低いというか。中途半端な気持ちで続けられるほど甘い仕事ではないので、これは見直しどきだなと。 翻訳者が「校正」と聞く

          3足から2足のわらじへ

          久々に一気見

          「La casa de papel(ペーパーハウス)」が完結ということで、この週末にラスト5話分を一気見。私がNetflixで見るのはほぼスペイン語圏のものですが、最近どうも今ひとつ入り込めないというか、なかなか「面白い」と思える作品に出会えなくて、途中で見るのをやめてしまうことも結構ありました。 ちなみに「ペーパーハウス」はNetflixを使い始めて一番最初に見た作品。予想の斜め上をいくストーリー展開や魅力的な登場人物たちに心をわしづかみにされました。ところが、最初は教授

          久々に一気見

          すごいスペイン語文法書が出た!  (スペイン語学習本の紹介:「詳説スペイン語文法」)

          なんか頭の悪そうなタイトルですが「すごい文法書が出た」のです。特に何の目的もなく大型書店を徘徊するのが至福の時間なもので、先日も梅田のMJ書店にて、最上階の語学書コーナーから徘徊開始。で、見つけたのが福嶌教隆先生の「詳説スペイン語文法」(2021年9月発行)。中身をパラパラと確認して、迷わずお買い上げ~。 福嶌先生と言えば、イラストが上手で、本の挿絵もご自分で描かれてしまうぐらいの腕前なのですが、今回はそんな芸達者な側面は封印。すべて白黒で文字がびっしりという、全く愛想のな

          すごいスペイン語文法書が出た!  (スペイン語学習本の紹介:「詳説スペイン語文法」)

          ただいまリハビリ中

          別にけがや病気で倒れていたわけではありません。まんぼうやら緊急事態宣言やらで長い間、遠出も外食も控えていたため、外遊びの仕方を忘れてしまい、久々に出かけたら、なんだかちょっと浦島太郎な気分でした。 以前は土日はなるべく仕事を入れずに楽団の練習やらお寺めぐりやらしていたけど、どちらもできなくなると、「どうせ家にいるから仕事するか」となってしまい、結果、週末もだらだらと仕事することに。ここ最近で週末に仕事を入れなかったのは、ワクチンの副反応で倒れていたときぐらい。 家でまった

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          便りのないのはよい便り

          「便りのないのはよい便り」ということわざ、これは英語のNo news is good newsから来ているということを最近知りました。 うちの次女は学校の寮で暮らしていて、何かあればLINEで連絡してくるのですが、「お米なくなりそうだから送って」「後期の教科書代○○円いる」「カーペットに牛乳こぼしたんだけどどうしたらいい?」などなど、mala noticiaとまではいかないまでも、だいたいこっちのテンションが下がる内容。なので、次女からLINEが来るとちょっとドキドキします

          便りのないのはよい便り

          「本当」という言葉の使いどころ

          文字起こしをしていると、たまに「本当に」を連呼する方がいます。「本当にお忙しいなか~本当にありがとうございます。本当に貴重なご意見を~本当に心より感謝申し上げます」とまあこんな感じ。ていねいに感謝の気持ちを表そうとして連呼してしまい、だんだん「本当に」という言葉が嘘っぽく聞こえてくる罠(あまりひどい場合には適宜ケバとして処理しています)。 ふと思い出したのがTEAM NACSのPARAMUSHIRという作品にあったこんなシーン。 A:指揮官があなたでよかった。本当です。

          「本当」という言葉の使いどころ

          美しさをもとめて(外見じゃなくてスペイン語の話)

          週に1~2回受けているスカイプでのスペイン語レッスン。フリートークも楽しいけど、どうしても自分が知っている表現だけでしゃべってしまうし、文法もおろそかになりがち。どうせなら美しいスペイン後を話せる&書けるようになりたいので、時々先生に作文をチェックしてもらっています。 先日直しが入ったのは、unos 1,2 m(約1.2 m)という表現。文法的には間違っていないけど、読んだときにunos uno~となるので語感が悪いとのこと。なので、aproximadamenteを使うかu

          美しさをもとめて(外見じゃなくてスペイン語の話)

          Libro pirataは海賊の物語ではなくて

          先日スカイプでペルー人の先生からスペイン語のレッスンを受けていたときに、本屋の話になりました。ちなみに先生は元々リマに住んでいたけど、コロナ禍で地方へ移住。なんでも、今住んでいる街にはlibro originalを売っている本屋が1軒しかなくて、libro pirataばかりだと。 要は正規のルートを経て出版されている本がlibro original、違法にコピーされた海賊版がlibro pirata。日本で海賊版といえばDVDやゲームソフトのイメージだけど、本かあ……で、

          Libro pirataは海賊の物語ではなくて