開催報告:フェアトレードを考えるウェビナー『「このコーヒー飲めば貧しい人を救えます」ってホント?』
ずいぶん時間がたってしまいしたが・・・5月8日(土)世界フェアトレードデー特別企画として開催した、フェアトレードについてじっくり考えるオンライン講座を開催しました。エシカル消費推進メンバーを中心に、趣味なびお取引様、わたしの家族・友人など多くの方にご参加いただきました。
エシカル消費推進部メンバーでもある、日本アフリカ美術現代協会代表の高橋としよ氏にご指南いただく形で、普段あまり意識をする機会のない「フェアトレード」について、そもそも「貿易ってなんだっけ?」っというところから改めて学び、「誰のための、なんのためのもの?」という本質を、講座の約1時間とことん考えようというテーマで進めました。
中学・高校の世界史や現代社会で勉強した以来初めて貿易について考えた気がします。
世界貿易は、安い労働力ありきで成り立っているものだから、そもそもアンフェア。少しでも安く仕入れて少しでも高く売るという資本主義の鉄則というなかで、これまでアメリカのプランテーションによる綿花を輸入してイギリスが紡績機で繁栄して→アメリカが自動車工業で繁栄して→日本の工業化が進んで→中国→ベトナム・・・ と国・地域の発展とともに生産現場が入れ替わっている。少しでも安いところがあればそちらで買うよ、ということが当たり前の仕組みであったことを改めて理解。
そんないびつな構造であることを理解したうえで、フェアトレードの定義は「寄付ではなく、ビジネスの仕組みで、貧困問題だけではなくて、環境問題も解決する」貧困のない公正な社会をつくるために、労働者の賃金、労働環境、自然環境などに配慮した『貿易』ということになっています。
あれ。貿易。そもそもアンフェアだった気が・・・考えれば考えるほど思考が迷子です。
その他、
『都心のおしゃれなカフェでフェアトレードのコーヒーを一杯頼んだ際の、「フェアトレードコーヒー豆代」の割合は?』についても取り上げました。
・輸入する際に商社へ支払う代金
・店舗の物件家賃料とおしゃれな内装費
・お店のスタッフさんの人件費
・(大手チェーンなら)広告代理店に払うマーケティング費
+ ・コーヒー豆代
なんだか、すごく少なそう。ともすれば、「よりたくさん売る」ための切り口としてのフェアトレードコーヒー豆となりそうでは?
他人事ではなくて、いま世界で、日本で何が起きているのかわからないままにせず、自分の頭で考えて、整理して、色んな意見をさらに知って、行動する。これを繰り返して、エシカルリテラシーを高めよう。いろんな側面から、商品を判断することの出来る賢い消費者になろう。
高エシカルリテラシー消費者が増えれば、そのみんなが声をあげて行動に移せば、世界はきっと変わる。
世界フェアトレードデーに開催したこの講座が、いままで考えることのなかった世界、見てこなかった側面を知るきっかけになっているといいなと思います。