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子育ては、理学療法士の強みになるか?
子育て期間は「職場に借りを作っている期間」じゃないよ。
こんにちは。
理学療法士19年目のyokoです。
これは、患者さんと理学療法士(PT)の「より良い20分」を創るために、あれこれ考えるブログです。
子供の発熱で思う
息子(1歳)が発熱し、また3日間仕事を休みました。
今年に入って何回目になるのか・・・( ; ; )
保育園に入った年は、とにかく色々もらってきます。
息子は身体が弱く、3日登園して2週間休むなんてこともザラにあります。
上の子の時もそうでしたが、気づけば「この時期は仕方ない。今の時期さえ乗り切れば!」と、「今は借りを作っている時期」と思い込んでいる自分がいました。
ベテランの看護師さんからも、「こういう時期もあるよ。子供が大きくなったら恩返ししたらいいよ。」と声をかけられました。
それはそれでありがたかったのですが・・・
確かに迷惑はかけてるけど、そもそも今って未来に向かって借りを作ってる状態なのか?
現時点で、ちゃんと返せていることがあるんじゃないのかな?
そんな視点で考えていこうと思います。
仕事を休むということ
当院は担当予約制なので、リハビリの患者さんには全て「担当」がいます。
基本的には担当の予約をとってリハビリを進めていきます。
急に担当が休むということは、患者さんに対しては急遽担当以外の代理でリハビリをお願いすることになります。
スタッフに対してはバタバタと朝に予約を振り分けてもらったり、時間変更の電話連絡をしてもらったりします。
つまり多くの方への負担が増えてしまうわけです。
自分がフォローする側だったときは、正直少し負担ではありました。
なので、いざ支えてもらう立場になった時には申し訳ない、負い目のような感覚がついて回っていました。
おや?仕事休んだけど、パフォーマンスはあがってる。。?
しかし、いざ職場に戻って、スタッフに謝ると、「yokoさんはいるだけでいいんですよ」との声。
患者さんに謝ると「寂しかったよ〜。でも、急な変更があっても、担当はyokoさんのままでいいよ」とありがたい声をかけてもらえることが多々あるのです。
職場の後輩ママPTも、びっくりするほど担当変更希望がありません。
お恥ずかしい話ですが、子育て前のyokoは、技術練習や勉強の時間は今よりずっとあったにも関わらず、患者さんから「担当変更してくれ!」と手痛い指摘を受けることが少なからずありました。
おそらく子育ての経験の何かを理学療法士の仕事に活かせているのでしょう。
いくつか挙げられますが、私は「非言語情報に触れまくってきたこと」が非常に強みになっているように思います。
子育てで得た強みとは
小さい子どもは、自分の今の状態を、ひたすら表情と全身で訴えます。
子どもの「あー」とか「うー」の言葉の周りに非言語情報が詰まっています。
それを汲み取って、「体調悪いかな?」「う○こかな?」「抱っこかな?」と言葉として吸い上げて、触れてみたり経過観察して確認する。
いわば、言葉にならない言葉を、ひたすら拾う練習をしているのです。
この練習は臨床現場でかなりの威力を発揮します。
患者さんの訴えは、患者さんの一部でしかなく、その裏に多くの心情や環境があります。
それがまぁ、見える、見える。笑
例えば、「yoko先生、私,自主トレ頑張ります!」という患者さんの一言があったとします。
言葉通りを拾うなら、「そうね!体硬いし、頑張って👍」と返すところですが。。
非言語を汲み取ると、「旦那さんの介護で疲れてそうだな。なかなか時間取れないのに、私に気を使って言ってるな」みたいなことが察知できたりします。
そういう場合は敢えて「ぼちぼちでいいですよ。できる範囲でやってね。」と伝えています。
なぜか、その方が自宅でリハビリを継続してくれる事が多いので不思議だなーと感じます。
後輩とのコミュニケーションにおいても同じことが言えて、
「この子は口ではこう言ってるけど納得してないな、もうちょっと突っ込んで話聞いてみよう」
「今はあんまり話したくないんだろうな。話しかけるのはしばらく置いてからにしようかな」
と行動の前にワンクッション置けるようになりました。
谷川俊太郎さんの詩に
「沈黙の中身は すべて言葉」という一説があります。
すべてを拾うことはできなくても、少なくとも沈黙の中に言葉があることを知って、それを探せるようになったことは、子育てで得た新しい強みだと思っています。
限りある子どもたちとの時間。
職場に迷惑をかけている負い目はあります。
でも借りを作ってるなんて考えるよりも、この時間でしか学べないことを学び、自分の強みに磨きをかけたい。
それを仕事や患者さんに還元しようって考える方が、私は好きです。
できるだけ子どもに向かいあって、非言語情報をジャブジャブ汲み取ってやろうと思います。笑
とはいえ、早く仕事したいな^ ^
では、明日も良い20分を創り出しましょう!