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出勤してるけど、力が出せない・・・「プレゼンティーイズム」とは?
こんにちは。
産業理学療法で社会と理学療法をつなげたいyokoです。
理学療法士は「身体の悩みを、動いて治すことが得意な専門家」です。
今回は「プレゼンティーイズム」という言葉をご紹介したいと思います。
プレゼンティーズムとは、「何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、体調が悪いまま働いている状態」を指します。
これに対してアブセンティーイズムは病欠や病気休業など、仕事を休んでいる状態を指します。
プレゼンティーイズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、何らかの体調不良があるまま働いている状態
アブセンティーイズム:病欠、病気休業
皆さんも経験がありますか?
花粉症で鼻がズルズルで頭がぼーっとしている状態で出社した
お腹下してるけど、とりあえず会社には行ってトイレと往復しながら仕事をした、などなど。
私は花粉症で薬を飲んでいます。
それでも今年は鼻水が結構ひどくて、治療の途中に鼻かみに行ったり、その後手洗いして、また治療に戻ったりなどと言うことがありました。
(その後鼻の薬を追加してもらって楽になったんですけど。)
やはり集中して仕事をしているよりも、治療結果は出にくいし、患者さんの満足度も少なからず下がっていると思います。
(患者さんは優しいので何も言わないけれど、少なからず、期待に対してがっかりさせている事実は受け入れるべきと考えています)
日本全体で見ても、体調が悪い中頑張って出社する結果、生産性が十分上がらないために損失する金額はとても多いと言われています。
これは、厚生労働省の共同研究に参加した健康福祉グループ企業の健康関連コストです。
![](https://assets.st-note.com/img/1681600467781-KKgvKvvyhJ.png?width=1200)
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000171483.pdf
80%近くをプレゼンティーズムによるコストが占めています。
別の論文では製薬会社4社で健康関連コストを算出した結果
プレゼンティズムは 3,055 ドル(約 332,995 円)、アブセンティズムは 520 ドル(約 56,680 円)、医療費・薬剤費は 1,165 ドル(約 116,085 円)であった。とあります。
医療費の2.6倍プレゼンティーズムに対するコストがかかっていた計算になります。
https://www.japanpt.or.jp/asset/pdf/20210004Absenteeism.pdf
この研究では、プレゼンティーズムの原因の上位2位はメンタルヘルスと筋骨格系疾患だったとの記載もあります。
プレゼンティーズムが企業や社会に及ぼしている影響は大きいようです。
一方、働く人の視線で考えるとどうでしょう。
体調万全で行けることを強く望んでいる人が大半だと思います。
でも、なぜプレゼンティーズムが生じるのかを踏み込んで考えると、体調が悪くても、出勤するメリットの方が大きい環境があるからなのです。
辛いけれど、行けばお給料が出る
他の人のサポートがあれば、部署での仕事は何とか回る
など。
生産性などの数値では測れないような、人間関係の問題や、様々な価値観がプレゼンティーイズムには隠れていると思います。
産業理学療法の目的は、企業や従業員の生産性を向上させること。
「元気で働いて、会社の生産性をあげようよ!」は理想かもしれませんが、解決策は会社ごと、部署ごと、従業員によって違うと思うのです。
職場に理学療法士が出入りして現場を知り、個別で従業員と向き合いながら、経営者のどこを支えられるかを考える。
それぞれの会社なりのプレゼンティーイズムの改善策を考える。
そういう仕事がしたいと思っています。
プレゼンティーイズム要因の上位に筋骨格系疾患が含まれていることを考えると、改善向けて理学療法士ができることは必ずあると思っています。
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産業理学療法と理学療法士が、社会に必要とされるために、いろいろな視点から情報発信をしていきます。
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