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お家デート

さくらとのデートはだいたい決まって家の中。

インドアな彼女は休みの日にあまり外に出たくないらしい。

〇〇: 今日は何がしたいの?

さくら: ん〜決めてなーいっ

〇〇: 映画でも観る?

さくら: いいね映画!見よ見よ〜

さくらのテンションが上がった。
彼女は無類の映画好きである。

〇〇: 何観る〜?

さくら: 〇〇が好きなのでいいよ〜

〇〇: ん〜俺が好きなのかぁ

俺はテレビの下のタンスを開け、その中からお気に入りのファンタジー映画のDVDを取り出した。

〇〇: これとかどう?

さくら: あっ、それいいね!面白いって聞いたことある!

〇〇: お、マジか!じゃあこれにしよう。

俺はDVDをセットし、再生の準備を始めた。

さくら: なんか眠たーい...

〇〇: コーヒーでも淹れようか?

さくら: うぅん、大丈夫、頑張って起きとくっ

〇〇: 映画途中に寝たらダメだからね〜

さくら: 寝ない寝ないぜったいっ!

連日の仕事でお疲れのさくらは今にも寝てしまいそうにうとうとしている。


2人はソファに腰掛け、肩を寄せ合って映画を見始めた。


映画が始まってしばらくは会話しながら観ていたのだが、だんだんさくらの口数が減っていって、
ふと横を見ると彼女は目を瞑っていた。

無理に起こすのもよくないだろうと思い、
俺はそのまま映画を観ることにした。


さくら: んん...むにゃむにゃ....

さくらの口がもごもごしている

さくら: ねぇ...

さくらが何か発した。

さくら: ねぇってば...

〇〇: ん?どうした...?

さくら: もっと、こっち。

〇〇: ん?

さくら: もっとこっち寄って...

彼女は俺の肩に頭を乗せた。

さくら: いいね、やっぱり。お家デートって。

〇〇: そうだね。

さくら: ごめんね、途中で寝ちゃって。

〇〇: いいんだよ、さくら疲れてるでしょ。

さくら: 優しいね、〇〇は私の自慢の彼氏。

〇〇: ありがとう。

さくら: 大好きっ!

さくらは俺の膝の上に顔を埋めた。

さくら: 〇〇とずっと一緒にいたいっ

〇〇: 俺もだよ。

俺はさくらの頭を撫でながらぼんやりとテレビの画面を眺めた。


さくら: すぅ...はぁ....

さくらは気持ち良さそうにまた寝てしまった。


〇〇: ...お家デートも悪くねーな


俺もいつの間にか目を瞑ってしまった。

〇〇: すぅ...はぁ...


2人ともスヤスヤと眠りについてしまった。

まだ結末を迎えていない画面の音だけが静かな部屋に響いている。

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