ライター講座3回目:ライターへの第一歩を踏み出す、インタビュー原稿の書き方
3回目の講座テーマは「インタビュー原稿の書き方」。
これまで1000人以上、1500人近くにインタビューを行ってきた江角悠子さんの経験をもとに、「伝える人」として心構えと実際の原稿の作り上げ方を伝授していただきました。
「書く」作業はほんの1~2割で、書く前の下準備と書いた後の推敲にかける時間のほうがはるかに多い、これを実際のライティングワークを通して実感する形となった今回。
「素材」をインプットとして、誰に向けてどのような視点で何を書いて伝えてアウトプットするか。あらゆる原稿の基礎となる考え方は、ライターを仕事としていくうえで常に意識しておくべき心構え満載の内容でした。
・インタビュー原稿とは?
インタビューして話を聞き出して得た「素材」を、文章にすること。
・美しくなくていい
・上手くなくていい
この説明を聞いてなぜかひと安心した自分がいました。
語彙力や凝った表現、言葉選びが必要になるのは作家やエッセイ。
言いたいことが伝わっているかどうか、大切なのは文章のわかりやすさ。
これは実際に自分が理想だと思う原稿を分解してみるとよくわかるとのこと。
江角さんのお店紹介の記事を題材にして、どのような構成で何をどんなふうに伝えるのかを学びました。
「そこへ行けばどうなるのか?」この締めの言葉がキーポイント。書き手が素材集めから分析した答えが書かれている場所。たしかに。
そうか、ここに「ぜひお立ち寄りください」「行ってみてください」と書かれたのを見ると、え?と拍子抜けしてしまうのはこれが原因だったんだ。
・商業ライターとしての心構え
商業ライターとは「誰かの伝えたいことを言語化して、伝える人」のこと。
相手の言いたいことを正しく理解して、それを言葉にして、伝える。
これは自分が黒子に徹して、第三者として書くことを意味します。
自分ひとりで書きたいことを書くなら、ブログやエッセイという形をとればいい。
相手があってはじめて成り立つのがインタビュー原稿。
聞き手である自分が相手のファンになるだけでなく、インタビュー相手のファンを増やしたていきたい、そんな心構えで取り組むと、自然と何を伝えたらいいのかが見えてくるのではないか、そう感じました。
自然と、となるまではもちろん経験も必要になるので、まずは、日常生活で相手視点で考えてみることも練習のひとつかなと感じました。
・原稿を書く前にすべきこと
ターゲットは誰で、どんな文体で書くか、記事を通して何を伝え、読者にどうなってもらいたいか。
書き出す前に考えておくべきことはたくさんあります。
具体的には、取材で得た素材全てを書く必要はなく、
・書くこと書かないことに分ける
・構成・流れを考える
・結論をイメージしておく
ここにいかに時間を使って考えておくかで、次の「書く」作業が格段にラクになります。
江角さんの場合は、紙のノートパッドに書き出して頭の中を整理しているとのこと。
私の場合は今のことろ付箋かな。
・さあ、書くぞ!一気に最後まで
書く準備ができたら、最後まで集中力を切らさずに一気に書く!
誘惑は断ち切ること、これは大前提。
そして自分が集中できる時間帯を知っておくこと、これも大事。
・原稿を書いた後にすべきこと
推敲がいかに大切か。誤字脱字チェックはもちろん、わかりにくい表現や表記の統一など、書いた後の確認作業も重要。
どんな内容の記事を書くにしても、一度自分の手を離れたらそれは、自分がどんな状況で書いたか、どんな気持ちで書いたかは関係なく、提出した原稿と自分という書き手が存在するだけです。
その、「ていねいな」仕事で信頼を積み上げていくことで、次の仕事につながるんだろうな、江角さんのお話を聞きながら、常々感じていることです。
・「好きなお店」についてのライティング実践
インタビュー原稿の書き方について一通り学んだあとは、いざ実践。
好きなお店について、250~300字で記事を書いてみるワークです。
目指すのは読者がそのお店に行きたくなること。
お店が決まったら、素材集めに5分程、そして実際のライティングに20分程。
今回は自分の行ったことのあるお店のため、頭の中にある素材を付箋に書き出してみます。具体的に、五感をフル活動させて思い出してみると、意外と出てくるものです。
そして、真剣勝負のライティング20分のスタート。
付箋を並べ替えて、書く順番を決めるのに多少時間をとられたものの、とにかく書き始めてみる。ばーっと書いていく、に徹した20分でした。
1文が長くなるクセはわかってはいるものの、修正するより先に、とにかく書き進める、そんな感じであっというまに20分経過。ふー、ギリギリ。
文字数にして400字弱。
実際にはここから削って整えて、濃縮された文章にしていく作業が必要です。
多めに書いておき、あとから削ることで伝えたいことが明確になった文章になります、との江角さんのアドバイス。なるほど。
・最後に
実際に講座中にライティングをしてみて、集中して書いている時の頭の状態が、かなり心地いいものだということに気づきました。
書く内容が決まっているので、あとはそれにそってひたすら手を動かしてタイピング。ちょっとおかしいと思っても後戻りせずにとにかく最後まで書き進める。
なんだろう、「無」の境地は大げさかな?
またひとつ、あらたな感覚を覚えて「書く」楽しみが増えた気がします。
今回の講座を通して、「何を伝えたいのかを意識する」ことは、原稿だけでなく、日常生活にも必要だとも感じました。
相手が何を言いたいのか、自分が何を伝えたいのか、それを明確にすることで、人とのコミュニケーションがより良くなる。
自分にはそれが足りないから人とうまくつながることができなかった、だから、どこまで人の懐に入り込んでいいのかもわからず、友達が少ないと悩み続ける大人になってしまった、その気づきを与えてくれました。
ライターをめざしてよかった、そう思えた瞬間でもありました。
と同時に、スケジュール管理・時間管理についての重要性も痛感。
社会人時代は組織の中で動くので、時間厳守は必須。次の作業に支障が出ないよう残業してでも間に合わせます。
これは主婦であっても、他のどんな職業であっても、同じこと。
私は昔から時間の見積もりが甘くて。これくらいの時間があればできるだろう、と自分を過大評価しすぎてしまう傾向にあるようです、お恥ずかしい話。これは今もかわっていない悪いクセです。
講座終了後、数日間は夏休みの旅行で記事が書けない状態。それがわかっていたので、あらかじめ書く内容は決めて、付箋まで準備しておき、旅行から帰宅後に実際の執筆をしようと計画。
ただ、やはり、内容を思い出すのと書くモードに切り替わるまでに思った以上に時間がかかってしまい、提出期限の時間を守れず。
肝に銘じます。
・参考:20分で書いた記事(修正なし)
実際のワークで書いたものです。修正して紹介記事としてアップする予定ですが、まずは「20分でとにかく最後まで書く!」を目標にしたものを載せておきます。1文長すぎ、ダラダラ癖!(誰のためにもなりませんが💦備忘録)
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駅前の商店街を歩くこと5分、角を曲がって目に飛び込んでくるのは、住宅街にひっそりたたずむ、古い一軒家を改装した1階にある素適なカフェ。ブルーグレーの印象的な壁に濃いブルーの重い扉を開けると、ナチュラルな木目調のインテリアに、子どもの声の優しいBGM.。カウンター2席、テーブル2つと、こじんまりしたつくりの中に若い男性オーナーのこだわりを感じられます。
壁際にはこだわりのコーヒー豆が濃いものから薄いものまで、手書きの説明つき。スイーツもチーズケーキから昭和レトロな堅めのプリンまで幅広く、日替わりで楽しめます。
運ばれてきたカフェオレには丁寧な花柄のラテアートが施され、デザートのお皿にいたるまで、オーナーの世界観にあふれていました。
日常を忘れさせてくれるような、古き良きヨーロッパを感じる空間で、ゆったりとした時間の流れを楽しみたい。スマホは置いて、ぜひまた出かけてみたいお気に入りのカフェです。
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