BUCK-TICKと俺。④「Six/Nine」1995年
2025年になりましたね。私はこの駄文を書きながら1人、BUCK-TICK「月世界」を聴いていたら日付けが変わりました。ウウッ
今年も皆健康であることを願うばかり。
BUCK-TICKの23枚のアルバムから個人的おすすめ10枚を紹介したい!の4回目は1995年発売の「Six/Nine」です。シックスナイン…エロい。やりてぇなぁシックスナイン。相手がいねぇわ。
…
…
え!
そっちじゃくてロック(6と9)のシックスナインだって?そうですか、それは失礼。
1995年といえば(もう30年前!)「もうすぐ世紀末ですね」的な雰囲気があり、日本国内では大きな災害や大きな事件が起きた年でもある。私は当時10代。バリバリの童貞でルサンチマン的思想が強くあり(今もある。ルサンチマンおじさんとか痛い)、活力はあるが活力のやり場がないという悶々とした日々を過ごしていた。
当時熱心に聴いていたのはZi:Kill、Die In Cries、Craze、マッドカプセルマーケッツ、hide、ルナシー、ラルク、電気グルーヴ、筋肉少女帯、CowCow(芸人のほうじゃないよ)、ハイロウズ、スチャダラパーという布陣。洋楽を知り始めたのもこの頃でディープ・パープルやブラック・サバスを聴いてたなぁ。
そしてBUCK-TICK。1993年に発売された「darker than darkness」が私とBUCK-TICKが始めて出会った作品だったのだが、これが当時の私には非常に難解で。全然ピンと来ない若造だったのですが、本作に先だって発売されたシングル「唄」を聴いた瞬間「かっこよすぎ!」と股間を膨らませたわけです。
■先行シングル①「唄」
「どうして生きているのかこの俺は」から始まり「生きている証が欲しい。燃えろよこの命」と歌う櫻井あっちゃん。字面だけ見れば迷い子の熱血ソングに読み取れるがそこはBUCK-TICKらしくドロドロと重々しい。今にして思えば当時海外ではグランジブーム(並行してインダストリアルもあった)で、この曲もしっかりとグランジ風。サウンドガーデンやアリス・イン・チェインズの雰囲気もある良曲。日本のグランジ。かっこいい。MVも良く、メンバーがロックスター(マリリンモンローは別)に扮している。
■先行シングル②「鼓動」
浮遊感があるがリズムは重い。オルタナティブロック(このワードは使い勝手が良い)で「die」と似た雰囲気。この世に生まれたからには生きていたい。「哀しいことは何もない」と泣きながら母親に感謝とウソを伝えている(イメージ)。ある意味ラブソング。でもBUCK-TICKだから一筋縄ではいかない。今も好きな名曲。「ごめんなさいありがとう」素晴らしいフレーズです。感謝。
こちらもMVが良く、櫻井敦司の「瞬きしないチャレンジ」ビデオとなっている。
■道化の男が闇で迷い光を見つけるアルバム「Six/Nine」
▼M1「Loop」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→「感謝したい、心から」というフレーズから始まるが多分、心から感謝していないと思う。「寂しいなんて思ったりしない」も寂しいはず。ポエトリーリーディング的浮遊感のある曲。「愛しい人よ、いつかきれいな場所で逢えるさ」あっちゃん…!
▼M2「love letter」 作詞/作曲 今井寿
→全編英語詞。「ICONOCLASM」同様、語感遊びと韻を踏む感じ。音は重い(確かアルバム全体的に1音下げチューニングだったかと?合ってる?)。グランジまたはドゥーム、ヘヴィメタル的。
95年にメジャーで英語詞、ヘヴィロックやってんだよ?凄すぎる。
▼M3「君のヴァニラ」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→BUCK-TICK感。淡々としたリズムとメロディ。おっぱいをこんなにカッコよく歌う櫻井あっちゃんに脱帽。おっぱい→母性→拗れた狂気的恋愛感情。凄い。でもこれ、おっぱいソングじゃなかったら私が「オッパイオッパイ」言ってるのめちゃ恥ずかしい。
ドラムとギターの歪がめちゃ好みの名曲。
▼M4「鼓動」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→先行シングル曲。シングル版との違いはイントロとボーカルのエフェクト。個人的にはアルバムバージョンの方が好き。
▼M5「限りなく鼠」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→重い。重いギターリフと重いベースとドラム。淡々とミドルテンポで攻め立てるカッコいい曲。グランジを超えてもはやドゥームメタル。私の人生のような歌詞が胸に痛い。いやほんま楽曲、歌詞、ボーカル含めカッコいい。
▼M6「楽園(祈り 希い)」 作詞/櫻井敦司 作曲/星野英彦
→シングル「鼓動」のカップリング曲。シングル版との違いはリズムが打ち込み重視。こっちは浮遊感増し。どっちも好きだが、シングル版のドゥームメタル感も捨てがたい。歌詞、メロディ、楽曲全て良し。カッコよく宗教的でいい。
しかしこの曲は「いわく付き」である。アルバム、シングルの初版とその後では「ある音」削られているのだ。アルバムも回収騒ぎとなり、ロック的には盛り上がる騒動だったんですよ。私はもちろんどちらも初版です。宗教の自由!
▼M7「細い線」 作詞/櫻井敦司 作曲/星野英彦
→97年発売の「SEXYSTREAMLINER」に収録された「蝶々」の兄貴的曲。軽いギターリフを重く繰り返しボーカルもエフェクト強め。アルバムの中でもストレートな曲。しかしアウトロがカッコいいなぁ。
▼M8「Somewhere Nowhere」編曲: 今井寿、横山和俊) 櫻井敦司 今井寿
→このアルバムのシンボル曲だと思う。「どしたん、話聞こか?」レベルに暗闇で迷ったあっちゃん。しかし最後に「こっちだ!」と光を見つけたんだよ。でもそれが正解とは限らない罠。怖いね。
初見で聞いたとき笑ってしまったことは謝ります。すいません。他の人に聞かせても笑うんです。なぜ?
わかったぜ…こっちだー!(どっち)
▼M9「相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」 作詞/作曲 今井寿
→今井氏が本格的にラップをし始めた曲。重いベースライン、粛々と進む展開、後のBUCK-TICKの雛形にもなる曲。カッコいい。
▼M10「デタラメ野郎」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿、櫻井敦司
→これ凄いよ。櫻井敦司の名前が作曲にクレジットされているレア曲。多分、ある程度完成した楽曲にその場の勢いでメロディと歌詞を合わせた感じ。大槻ケンヂ的な作曲を感じる。勢いのある曲。歌詞はネガティブで暗い。後のエヴァにも通じる(こじつけ)「存在理由」に悩み「雨と夜が大好きな友達が1人だけ欲しい」と叫ぶ様は圧巻です。
▼M11「密室」 作詞/櫻井敦司 作曲/星野英彦
→星野氏のしっぽり曲。狂気的片思いのラブソング。星野氏の曲と櫻井あっちゃんの声は合ってて良いよね。「あなたは僕だけのものでいて」怖えーよ!でもドラムとベースはレゲエぽくて気持ちいい。名曲。
▼M12「Kick(大地を蹴る男)」作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→今井氏らしい「どこにそんな引き出しあるんですか?」と思う変な曲。日本の童謡や民謡のようで歌モノではあるがなんとも掴みどころがない。不思議。
▼M13「愛しのロック・スター」 作詞/櫻井敦司 作曲/星野英彦
→ワウギターが気持ちいい「おとぼけロック」。UKのバンド「MAGAZINE」ぽい。好きです。
▼M14「唄」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→シングル版との違いはイントロのドラムが消されてる。個人的にはあのドラムイントロが好きなんだよぉ!
▼M15「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→カッコいいギターイントロから変拍子ドラム。「誰かが生きるなら泣き、誰かが死んだら笑う」とひねくれ「真実が知りたい」と歌う暗中模索な曲。「楽しい夜に気が狂れる」という、それは全然楽しい夜ではない。
アルバム発売後に櫻井あっちゃんの希望(そうだったと記憶している)で歌詞を変え、シングル化された。そして後年、バンプオブチキンが「見えないものを見ようとして」望遠鏡を覗き込むのだ。全部誤解なのに。
▼M16「Loop MARK II」 編曲/今井寿
→輪廻、だよね。救いがありそうでないんだよなぁ。怖い曲。
■おわりに
全体的にグランジ、ヘヴィメタル、ドゥームメタル的なロックアルバム。当時ロックシーンもカート・コバーンの死去からのナイン・インチ・ネイルズの台頭とロックシーンのより暗い部分をBUCK-TICKは追っていったのかな。その表ではOasisとblurが大喧嘩していたという。
何度も言うが1995年にメジャーシーンでこの音を鳴らしていたのは今でも凄いことだと思います。
1995年頃の思い出と言えば、先述した通りなのですが、あの頃は自分もまだまだ若造(そりゃ高校生なんだからしかたない)だな、と。でも未来はまだ明るかったよねぇ。
…
新年早々暗い。
誰かー!仕事紹介して!待ってます!
というわけで(どういうわけ)次回もよろしくお願いします。