石とはなんだろう?_vol.1
むくむくと石に興味がわいてしまったので、ちょっと寄り道。
「石とは何か?」なんて、考えたことなかった・・・
つまり、石は鉱物ということだな。
岩石、鉱物というと、『ファウスト』を思い出す。ファウストは、言わずと知れたドイツの文豪ゲーテの作品だが、この作品を題材とした5幕のオペラで、バレエが踊られるシーンがある。バレエでは「ワルプルギスの夜」という名での方が馴染みがあるのではないかな。
このバレエは、20分ほどの華やかな踊りで構成され、軽快な音楽と独特な振付に特徴があり、ガラ公演や発表会で単独でよく上演される。私も何度か生徒の発表会用に振付をアレンジして上演したことがあり、作品に馴染みはあったものの、バレエ自体はディヴェルティスマンがメインで、ストーリーはなかったので、ファウストがワルプルギスの夜の狂乱の宴に迷い込む場面だという理解に留まり、作品を深く読み解くことはしていなかった。ところが、20代の頃、短期でイギリスに滞在していた時に、ロイヤル・オペラハウスであった『ファウスト』のオーディションに参加することになり、物語の背景ぐらいは理解しなくては!と、慌てて原作を読み、関連していることなどを調べたのだ。
『ファウスト』についての解説を読んでいくなかで、岩石の生成に対しての2つの考え方、何かが変化していく時に「水成論」と「火成論」という二つのモードがあるということを知った。水成論は、水が徐々に土地を浸食していくような、長時間かけて少しずつ変化していくプロセスで、火成論は、火山が噴火して一気に環境が変わるように、急激な短時間の変化をいう。
火山が噴火するまでには、長時間の変化というプロセスがあるということを、ときに人は忘れてしまう。人工的に生成されたスピード感というか、急激な変化に慣れてしまうことで、根本的なことを見失ってしまう。「水成論」と「火成論」とで論争が起きたようだが、私はどちらのモードも意識することが大事だと思う。
身近すぎて、なかなか気にとめることのない「石」。
時間とともに姿を変え、やがて消えるということを想像しにくい「石」。
そんな「石」が語ることに耳を澄ますこと。
それは、微細な変異に気づくことであり、地球という天体を、私たちの世界像をまなざすことでもあるのかもしれない。
世界には、石なくしては成り立たなかった文化がたくさんある。石を打ち砕き、狩猟を行ったと言われている最初の人類ホモ・ハピリスの時代から、人類は石と共にさまざまな文化を育んできた。ピラミッド、ストーンヘンジ、ギリシャ・イタリアの建造物や水道橋、城の石垣、野の仏、磨崖仏、絵画や文学、石焼などの食 etc ・・・挙げればキリがない。そういえば、宮沢賢治の作品にも化石や鉱物を題材にしたものが多くあったな。
石は深いな〜。
せっかくなので、もう少し、石について調べてみることにします!