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たのしくおでかけするために その3

 カートオープン17分で販売終了となりました 

skip&clap代表の奥山さんが手作りする、Candycap。モノが売れないと言われている時代に、カートオープン17分で完売しました。
 それは、必要とされる機能を備えているだけではなく、使い手の感性も満たされる商品だから、です。
 もちろん、奥山さんが手作りで販売する、現行デザインの最終販売ということも、もちろんあったでしょう。けれど、17分で完売するということは、スマホの前でカートオープンを待ち構え、購入ボタンを押した方が大半だったということ。

 でも、最終販売ということ事態を煽ったり、焦らせたりすることは一切なく、ここから新しいCandycap制作プロジェクトが始まること、開発から完成までの期間、吸引器を使う医療的ケア児を始めとするCandycapユーザには不便をかけることはないようにという配慮がしっかりありました。カートオープン17分で完売という事実の裏になにか、特別な仕掛けや仕組みがあったわけではないのです。
 あったとすれば、自分が使って「これいい」と信じたポイントと、お客様の「こんなものが欲しかった」というニーズの一致ポイントに、商品を置いた。
 その土台にお客様からの「信頼」があった。
 「これがいい」「こんなの欲しかった」「shopへの信頼」
 この3点が17分で完売という実績につながりました。

 お客様の「そうそうこんなの欲しかった」は、あちこちに散らばっている。集めていないだけ。 

 誰でもが知りたい、お客様の声、お客様にどのような、キャッチコピーで訴えれば、興味関心を生むのか?どんな感性価値を提供すれば心動くのか、実はSNSを通じて案外簡単に集められます。それは、コメントやダイレクトメッセージに寄せられる一人一人の顧客の声に耳をかたむけることと、ていねいにアナリティクスを読み解くこと。 それは、分析というより、お客様の心情をストーリーで読み解く時間。 お客様がなにに困り、何を喜びとされているのか? ひとりよがりにならずに、データーと向き合いながらの試行錯誤の結果ともいえるのです。


 それと、もう一つ、今回で今までの商品は一旦制作を中止し、新生Candycapとして量産化に舵を切ろうと決断したことも大きく影響しています。
 
常に完売する商品を打ち切る背景にあるものは?


   Candycapは、発売以来常に完売するほどの商品力を持っています。今回も販売終了を惜しむ声や、欲しかったのに買えなかったというお客様沢山いらっしゃいました。
 ハンドメイドでもあり、在庫負担もなく作り続ければ売れる商品。必要とされ愛されている商品です。
 ですが今回で制作を中止ししょうと決断されたのは、顧客の層をもっと広げ、吸引器をもっと快適に使える日常をより多くの方と分かち合おうと決められたから。
 それで、量産化を決意されました。
 そこには、より沢山の吸引器ユーザー様の幸せな未来があります。
 ※どんな未来を描いて、どんな「気持ち」で決断し行動するか、実は「気持ち」は行動よりも大切なこと、かもしれません。


 もちろん量産と言っても、金型を作って樹脂を流しこんで、「はい出来上がり」という、従来のものづくりではありません。
 
 Candycapが担ってきた本当の課題はなにかと、ゼロベースから発想を積み上げ、一緒に考えてくださる、若手デザイナー集団 新工芸舎さんとの出会いがあってこその決断、です。
 ちいさなママ起業SKIP&CLAPの小さな単価の商品に誠実に付き合って下さる、「新工芸舎」さん、それが成立するのは、理念への共感とビジョンを共に出来る構想力があるからこそ、ですね。
 次号では、新生Candycapの企画の様子をレポートしますね。

新工芸舎 

新工芸舎さんにて打合中 中庭の緑と明治の建物とっても美しい社屋です。

京都で「知的資産とビジネスモデルの専門家」として、活動しています。現在は内閣府の経営デザインシートの普及に勤めています。