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ちょうど良いまるを探す
※こちらの記事は、2022年6月21日にSTORESのNEWSに書いたものです。
https://sashiko-tane.stores.jp/
二幅の藍木綿に二重丸を刺した風呂敷を作りました。
まるの風呂敷は2016年から作っています。
「中心に二重丸、一隅を扇状に刺し、三つ編みの房を付ける」
この三つは共通で、他の細かいところはその時々決めています。布の面積や、糸の種類、私の気分。
このまる風呂敷の発想の元は、明治期、山形県の紅花商家の妻女達が刺した家紋入りの風呂敷です。
徳永幾久(1989) 民俗服飾文化 刺し子の研究 衣生活研究会
こちらの本で、家紋や縁起模様を刺した風呂敷を知りました。
型染め風呂敷は高価で、当時は山形から京都に染めに出すと染代が米一俵分にもなったそうです。
商人たちの暮らし向きではなかなか手が出なかったため、行商用の風呂敷の中央に家紋を刺し子し、更に周囲をまるく刺し込んだり紅花や縁起模様を足したりする工夫が生まれたそう。
行商人が荷を包んで背負う風呂敷ですからどれもおそらく三幅(105cm)以上はありそうです。
私はこの風呂敷の写真に、「型染めの代替」では済まない独特の魅力を感じます。
刺しながらバランスを調整しただろうな、他の商人の風呂敷を見て「あら素敵」と真似したくなって後から刺し足したりしただろうか、などと想像して愉しくなるのです。作った人も、きっと楽しかっただろうなと思うのです。おじゃまして質問してみたいことだらけです。
初めに惹かれたのが中央の家紋ではなくそれを囲む大きなまるだったので、自分なりに良い!と思うまるのバランスを求めて、二幅ならこの辺りだな、となったのがこの風呂敷です。
![](https://assets.st-note.com/img/1674364901905-D96qlso6Hc.jpg?width=1200)
今回のはこんなふう。まると扇で糸の太さを変えてあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1674365058828-ayFzhjuMML.jpg)
小さな写真ですがこれは以前の一枚。
どちらもその時にここだなと思ったところまで。その時ちょうどよいと思う「まる」になるまで刺します。このときのまるは少し太め。
![](https://assets.st-note.com/img/1674365231806-vo5h0FWre3.jpg?width=1200)
こちらは細目、針目小さめ。
他にもまだ写真があるはずなので、見つけたらこっそり足しておきます・・。