61+(スワソンテアン)/ 五十嵐洋子

耕作放棄地を活用して「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、オープンデー、イベント、WSな…

61+(スワソンテアン)/ 五十嵐洋子

耕作放棄地を活用して「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、オープンデー、イベント、WSなど多様な人が集まるシーンにて《スープのある食卓》を創出しています。色、形、原産地の多様な野菜を栽培して世界のスープづくりに挑戦中。コンセプトは Soup and Peace

マガジン

  • 【往復書簡】遠くの食卓 II|兵庫/栃木

    • 12本

    栃木で「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、育てたハーブや野菜を使ったスープを提供するいがらしさん(五十嵐洋子)と、札幌から兵庫に引っ越し、新しい土地で改めて、豊かな食卓づくりを試みるみやう(宮浦宜子)の往復書簡です。遠くで暮らす相手に、ぜひ食べてもらいたい、と思う一皿を言葉と写真で贈り合います。「【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌」に続く第二章。2020年11月〜

  • 【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌

    • 7本

    栃木で「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、育てたハーブや野菜を使ったスープを提供するいがらしさん(五十嵐洋子)と、札幌で食卓ディレクターとして、豊かな食卓をつくるための試みを行うみやう(宮浦宜子)の往復書簡です。遠くで暮らす相手に、ぜひ食べてもらいたい、と思う一皿を言葉と写真で贈り合います。みやうが兵庫に引っ越し「兵庫/栃木」編としての第二章に続きます。2020年4月から10月まで、7通の書簡集。

最近の記事

【往復書簡19通目】木枯らしが吹いたらキャベツの発酵漬けのスープで暖まって

みやうへ 先週までの夏のような陽気が打って変わって、今日は強烈な木枯らしが吹いています。すっかり遅れてしまったカリフラワーの植えつけを、今日はどうしてもしたかったので、さっき自転車を走らせてポタジェ(菜園)に行ってきました。自宅を出るときはそれほどでもなかったのだけど、走るにつれて風がひどくなって、最後は背後から吹く風に押されて自転車をこぐ必要がないくらいだった。笑 そんな中で植えつけできるの?と思うでしょう。実は、ポタジェの手前には防風林があって、林の間のトンネルを抜ける

    • 【往復書簡17通目】残暑見舞いに、梨と白キクラゲのデザートスープをどうぞ

      みやうへ 早いもので、もう8月も終盤だね。日中は残暑が厳しくても、夕方にはひぐらしや秋の虫たちが賑やかに鳴いて、体感よりも先に環境から秋の気配がじわじわと迫ってきている。どうにも抗えない自然の移ろいにちょっと寂しさを感じる今日この頃です。お盆の頃、例年になく大雨と低温が続いたので、天候が回復してからスープ・ポタジェの様子を見に行った夕暮れ時の空は、それはもう秋の空のように高く、青い月が輝いていたよ。稲穂は首を垂れていて、あんなに野菜と雑草に追われた日々が噓のよう。先日は、夫

      • 【往復書簡15通目】初夏をたのしむランチは採れたて野菜をふんだんに

        みやうへ 早いもので2021年ももう半分過ぎてしまったね。 6月は、「入梅」に続いて「夏至」と、季節の変わり目を強く感じる季節だよね。例年、この時期は暑さへの身体の適応がすんなりと行かないこと多いため、一番体調の変化に気を付けている季節なので、今年も暑さへの備えをしっかりしながら過ごしていました。 先月お手紙をもらった頃は、梅雨入り前なのに雨が続き、湿気がすごくていよいよ鬱陶しい季節の始まりか、、とウンザリしていたのだけど、みやうから届いた、庭のミントをふんだんに入れたモ

        • 【往復書簡13通目】「いちご王国」栃木ならではのタルティーヌでピクニックを

          みやうへ 菜園の隣の雑木林に野生のキジが出没したり、麦畑の早々と膨らんだ穂が風になびいたり、雑木林に絡んだ山藤がふうんわりと咲きはじめると、まるで「もう、春本番だよ。ポタジェ(菜園)の仕事ものんびりしていられない、早くやらないと!」 とせかされているようで、なんとも忙しい春を過ごしています。 みやうは、新居に念願の「食べられる庭」づくりを始めたんだね。そちらも忙しくしているだろうか。札幌の果樹庭で多くの果樹を育てていたから、わざわざ私が言うことじゃないのかもしれないけど、植

        【往復書簡19通目】木枯らしが吹いたらキャベツの発酵漬けのスープで暖まって

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        • 【往復書簡】遠くの食卓 II|兵庫/栃木
          12本
        • 【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌
          7本

        記事

          【往復書簡/11通目】ちょっとクセのある郷土料理「しもつかれ」のドレッシングで和えた、春野菜のサラダ

          みやうへ 兵庫から、柑橘類へのときめきがギュッとつまったお便りをどうもありがとう。冬は長く雪に覆われる北海道では、柑橘類がいかに貴重で、ご近所の庭木に実が生っていることにまで感動するくらい珍しいことだなんて。関東育ちで、あるのが当り前に思っていた私には、その感動がすごく新鮮に感じたよ。そんな柑橘へのときめきが一目で伝わってくる、まるごと文旦とタマネギのサラダ、ごちそうさまでした。まるごと!てまずお店では絶対にいただけない食べ方だよね。自分で作るからこその贅沢な使い方。そして

          【往復書簡/11通目】ちょっとクセのある郷土料理「しもつかれ」のドレッシングで和えた、春野菜のサラダ

          【往復書簡/9通目】ハフハフしながら 食べてもらいたい、赤ネギと骨付き鶏のスープ

          みやうへ 宝塚に引っ越して初めてのお手紙ありがとう。手紙のトップ画像が、電線がいっぱい映り込んだ、住宅街を見下ろすような風景になって(新居からの眺めかな?)、それだけで、大きく暮らしが変わったんだなぁと想像するわ。恋人の暮らす地に引っ越すなんて、とてもドラマチックで、こっちがウキウキしちゃうよ!新生活の中からどんな食が生まれてくるのか、これから私も楽しみです。 さて、宝塚生活第一弾の「頭芋のポタージュ」、ごちそうさまでした。頭芋という名前も、それが里芋の親芋だということも

          【往復書簡/9通目】ハフハフしながら 食べてもらいたい、赤ネギと骨付き鶏のスープ

          【往復書簡/7通目】門出を祝って、乾杯!

          みやうへ もう10月も終わりに近づいて、今年も残すところ後2か月ちょっと。来月には、関西に引っ越しするみやうとしては、忙しい毎日を過ごしていることでしょうね。私たちくらいの年齢になってからの引っ越しは、これまでの暮らしとの別れの、身体的、精神的しんどさも多少伴うものなのかな。例えそうだとしても、これから始まる新しい生活への希望が、きっとそれを上回っていることだろうと想像します。ワクワクするね。 さて、「トマトと万願寺唐辛子のソテー」ごちそうさまでした。 万願寺唐辛子は大好

          【往復書簡/7通目】門出を祝って、乾杯!

          【往復書簡/5通目】夏の終わりに届けます、ジャガイモの冷製スープ

          みやうへ 8月も終わるころになって、例年になく残暑厳しい札幌にもついに秋が訪れそうだと聞いたけど、どお?気温が下がって、ビールよりワインな気温になったかな?(笑) 美味しそうなお手紙ありがとう。果樹庭のブドウのお手入れをしながら、ブドウの葉を使ったお料理が作りたくなって、自分の持っている知識だけでなく他にどんな国でブドウの葉の料理が作られているのかを調べて、その中から一つ選んで作ってくれた、とっておきの一皿。一つの食材への探求心がみやうらしいなぁ、と思いながらお手紙読みまし

          【往復書簡/5通目】夏の終わりに届けます、ジャガイモの冷製スープ

          【往復書簡/3通目】5月の庭のスープをどうぞ

          みやうへ お手紙ありがとう。往復書簡のメインビジュアルが決まって、2ヶ月かけて一巡するこのスローなやりとりも本格スタートだね。みやうの丁寧に綴られた文章から、札幌に訪れた春を追体験することができて私までウキウキした気分になりました。 「北海道産蒸しアスパラ」ごちそうさま! 栃木が夏日になるほど暑くなった頃に、札幌はようやく、長く、寒い冬が終わり、春がやって来るんだね。春の芽吹きを丸ごといただく蒸しアスパラは、ほっぺたが落ちそうなくらい美味しいんだろうな、と感動がそのまま伝

          【往復書簡/3通目】5月の庭のスープをどうぞ

          【往復書簡/1通目】トマトのオーブン焼きができました

          みやうへ。 今週から世間ではゴールデンウイークに入ったようだけど、札幌はまだ寒さが残っていますか?日中は少しは春めいて来ましたか?栃木はやっと暖かくなってきて、昼間は外で過ごすのが気持ちいい気候になりました。いつでも庭でご飯が食べられるようにチェアを出しっぱなしにしているくらい、いい天気が続いています。ゴールデンウイークといえば「スープ・ポタジェ(菜園)」の一大イベント、苗植え、種まきのシーズンなのだけど、今年は社会情勢的にポタジェのオープンデーを開催できないのと、夏の厳し

          【往復書簡/1通目】トマトのオーブン焼きができました

          キャンバスに絵を描くように野菜を育て、スープをつくる

          こんにちは。はじめてnoteに書き込みをします、61+(スワソンテアン)です。4年前より、北関東の、関東平野のど真ん中で、耕作放棄地を活用してポタジェ(=菜園)を営み、育てた野菜でスープを作り、スープ食堂、ワークショップなど、さまざまな食のシーンを創出しています。スープは、お皿というキャンバスに描く絵のように、色と素材を足していく楽しさがあります。つまり、私は農と食のどちらもしていますが、育ててお料理をするその一連の流れが私にとっては「創作活動」なのです。 スープに特化して

          キャンバスに絵を描くように野菜を育て、スープをつくる