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撮影に大失敗した時の話
私は過去に一度だけ撮影で大失敗したことがある。
それは写真学校在学中に、授業の一貫として行った店舗取材撮影でのこと。
プロになる前初めての撮影現場で大失敗したのだ。
大失敗したのは料理撮影と店舗内の撮影。
とにかく料理が不味そうに、お店の良い場所を見つけて撮影することができなかった。
ホワイトバランスがおかしくひどい写真しか撮れなかった。
料理の色が蛍光灯の色かぶりで緑色になってしまい、後で色温度補正もできないほどだった。
今ならその撮影に大失敗した原因がよくわかる。
⚪︎事前にロケハンし、ライティングや撮影計画を練っていなかった
⚪︎営業中の店舗で撮影したのでお客様に遠慮しストロボを使わなかった
⚪︎ホワイトバランスを設定しなかった
⚪︎テザー撮影をしなかった
後日私はお店の方に失敗したことを心から謝罪し、再び許可をいただいて再撮影に出向いた。
女将さんが本当に良い方でよかった…
私が通った写真学校は卒業制作として参加希望者に写真中心の書籍を共同出版させてくれるところだった。
プロカメラマンでありながら出版社も経営していた校長の計らいで、写真学校在学中に実店舗で撮影と取材をさせてくれたのだ。
そしてなんと…!
撮影+原稿料として1ページ⚪︎⚪︎円と計算し卒業後にギャラまでいただけた。
私が卒業した時は、海外でも同じ書籍を翻訳し販売したのでその分の原稿料もいただいた。嬉しかったな。
生徒に取材と撮影許可を取らせて一人で撮影取材をさせる。
書籍に掲載される文やキャッチを生徒に考えさせ書かせる。
今考えてみると・・・
相当大胆なことをさせてくれたと感謝している。
写真も文章もプロではない素人に取材撮影を任せてくれたなんて。
「俺が全部責任を取るからやってみろ!」
校長はそんな人だった。
並大抵のことでは動じない。
どーんと構えて責任ある仕事をどんどん人に任せる。
そういうところがかっこいい。
私は一店舗目での撮影失敗にめげず、自ら志願しその後三店舗を取材撮影し原稿を書いた。
学校側へ取材許可の報告を行えば、一人で何店舗でも取材撮影OKだったのだ。
今考えるとそれもすごい話(笑)
私はプロになる前に撮影に失敗し懲りた経験で、本番の撮影まで入念に準備する習慣がついた。
写真学校在学中の取材撮影で学んだこと。
⚪︎現場を入念にロケハンし、撮影方法や撮り方をよく考えておく
⚪︎現場では何が起きるかわからない
不測の事態を想定し臨機応変に対応できるようにシュミレーションしておく
⚪︎撮った写真を確認するためにも現場でテザー撮影は必須
⚪︎カメラマンは現場で撮影の経験を積むことが大事
撮影現場をこなすうちにどう動けばいいかわかってくる
アシスタントについて現場経験を積むのもいい
お店の方とのやりとり
編集者とのやりとり
毎回違う現場での撮影対応力
読者に伝わりやすい文章
在学中の取材撮影で私はたくさんの事を学んだ。
撮影で失敗したのは非常に痛い経験だったが、ひとつだけいいことがあった。
それは出版社の社長に原稿を褒められたことだ。
取材で撮った写真は毎回めちゃくちゃダメ出しされたのだが、書いた文章だけは…
「あなたはキャッチが上手い」
「文章がいいね」
と褒められ、撮影で完全に失った自信を文章で少しだけ回復できた。
プロカメラマンとして仕事をする前に、実践で取材撮影を体験させてくれた意味はとても大きかった。
「俺が責任を取るからやってみろ!」
度量が広い校長のように。
私もそう言える人間になりたい。
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